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競馬回顧 2008年5回京都・5回東京

ジャパン・オータムインターナショナルジャパンカップ(GⅠ)

スクリーンヒーロー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。馬に集中力。アクティブバイオの様な東京2500mで強そうな重量感。毛ヅヤが良くてデキは絶好。好発。出脚にも余裕有ったが、無理せず好位。ゲートの速さで外枠が帳消しになり、楽にこの位置が取れたのが大きい。道中はマツリダゴッホをマークし、これを目掛けての追い出し。ラスト100mで先頭に立った時には苦しがって逆手前になっていたが、ディープスカイは何とか退けた。トーセンキャプテンの出遅れでスローになり、新東京での強さが出た印象も有るが、デキが良いのが一番。次走中山でマツリダゴッホが人気になる様なら、この馬から入る手も。

ディープスカイ

+8kg。今日は文句無し。張りが出て皮膚が薄くなった。ゲート五分。出さずに中段位置。序盤無理さえしなければ折り合いは付く。まあ、位置取りはこれで良いのだが、このスローで4角外を回され過ぎたのが今日は全て。今日は力で差し込んだ一戦。やはりこの馬は強い。逃した魚は大きいとはいえ、以前にも述べた様に細かい取り溢しは仕方無かろう。ただ、今後は今迄の様に使って叩いてという訳には行くまい。この状況でどう仕上げて行くか、厩舎技量が試される場面はまだまだ続く。

ウオッカ

最近述べている様な成長の無さは感じるが、前走の後だけに状態変わらずで上等。好発。ペースメーカーで出走させたトーセンキャプテンが出遅れ、一瞬はハナ。道中は乗り役も必死だったが、ネヴァブションが壁になってくれて内枠で最悪は免れた形。最後マツリダゴッホを差し返して底力を見せた。相変わらず綱渡り感は有るが、ダイワスカーレット以外ならまだアドバンテージが有る。

マツリダゴッホ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。悪くは無いが、良い時はもっと張りが有った。まだ満点はやれぬ。ゲート速かったスクリーンヒーローに叩かれそうになったが、制して3番手。元々そういう馬だが、序盤はこの影響も有って少し行きたがっていた。坂上で一瞬は先頭に立ったが、そこからが甘くなり、最後はウオッカに差し返された。道中もずっと力み気味だったのは確かだが、この手応えがこの馬の身上。東京適性云々だけでは無く、前述した様にデキが完璧では無かった面も。次走人気になるのは確実で、却って危険に思えるのだが...。

オウケンブルースリ

集中力が無いのだが、馬で負ける事は無い。今日はゲート五分。少し出して中段から。向正面半ばで外へ持ち出し、直線はスクリーンヒーローと同じ位置から追い出したが、ここで一瞬モタついたのが痛い。一旦アサクサキングスに出られたところを差し返している。元々低レベルだった菊花賞馬。乗り役のいう様にデビュー半年の馬がこれだけやれれば上等という事になろう。以前思えば首を使える様にもなっている。

メイショウサムソン

2人曳き。落ち着いていたが、この馬の場合は悪い方に出るケースも多く...。毛ヅヤが良くて、昨年の今頃よりも間違い無くデキは良い筈だが。ゲートが少し悪く、ウオッカに叩かれたが、オウケンブルースリは制して好位のイン。直線もインからジワジワ来ているが、瞬発力で勝負するタイプでは無いだけに止むを得ぬ面も。一応は及第点やって良い。

京阪杯(GⅢ)

ウエスタンダンサー

スカッと見せる馬。気配も良かったが、多少硬い。出脚は有ったが、無理せず好位のイン。道中の手応えだけをいえば、このペースの割には良い様に見えなかったが、追って切れた。ただ、京都ならこれ位の時計ではコンスタントに走れる馬。この馬だけが時計通り走って、他馬が自滅した印象も。圏内の馬だが、奥行きはまだ何とも。

ファリダット

-4kg。垢抜けた馬体。少しでも絞れたのも良い傾向。ゲートも少し悪かったが、折り合いに専念して後方。1200mでも引っ張り切りの追走で、直線だけの競馬。最後は1頭違う脚だったが、競馬の下手さが直らない事には1200mをこなしたとは言い難い。何度か述べた様に、何かが駄目でスプリントに回って来る馬は一時良くても直ぐに駄目になる。次走以降人気になるなら却って危険。

スプリングソング

気配は地味だが、馬は悪くない。ただ、一時より毛ヅヤが落ちて来た。半馬身出負けも出脚で中段。最後はそれなりの脚だが、序盤のロスが痛い。ただそれでもファリダットと然程変わらぬ脚。これは意外に注目すべき点で、この馬案外強い。GⅠも見えて来た。

ウエスタンビーナス

この時期の牝馬にしては毛ヅヤ悪くなく、デキ自体は悪くなさそう。ただ、歩様が落ちて来た。ゲート五分。ハナへは行ったが、出脚ではマヤノツルギの方が速く、楽には行けず。直線向いて一旦は突き放すシーンは造ったが、そこで止まった。本来はゲートも出脚も抜群に速い馬だが、硬さが出て来てその辺りが鈍った感。今日は条件完璧に揃っていただけに勿体無い一戦。

マルカフェニックス

ピリッとしない印象も有るが、休み明け思えば悪くは無い。ただ、トモが甘い。好位のイン。道中は中段。終いは良く伸びていて、4角外を回った組では最先着。トモが甘い状況でこれだけ走れるのだから本格化すれば重賞の一つ二つは楽勝だと思うのだが、中々その兆しが見えず...。

ビービーガルダン

2人曳き。遮眼革。一息入ったが、デキは文句無し。出して好位の外。道中は手応え良く行けたが、戦前述べた様に今の京都はイン逃げ馬場。結果的には差し決着だが、この手の馬場で好位勢が辛いのは中山でお馴染みの光景。元々決め手勝負では苦しい面も有り、言い訳は有る。

ジャパン・オータムインターナショナルマイルチャンピオンシップ(GⅠ)

ブルーメンブラット

+10kg。良く言えばフックラだが、多少余裕残し。ただ、落ち着いていて今季はデキが良い。この馬にしてはゲート出て中段やや後方。上手くインに入れて折り合えた。直線バラける京都の外回り、前も普通に開いて快勝。京都も、デュランダルが3連覇逃した2005年辺りから、馬場が荒れて来ても外が利かなくなって来た。それをこの日、芝はここ迄騎乗無かった吉田豊騎手が出来たのだから見事という外無い。従って、この馬自体の評価としては、イレ込まなくなって競馬で全能力使える様になったにせよ、まだ圏内の1頭といった程度。クラブの規定で引退だそうだが、見事な引き際。

スーパーホーネット

馬自体は悪くないが、今日は注意力散漫。下見周回時に頭が高い。好発。出脚も速い筈だが、下げて後方から。恐らくは馬群の切れ目を探して、何処かで内へ入れたかったのだろうが、叶わずずっと外を回す展開に。それでもカンパニーの後ろから競馬して、カンパニーには先着したのだから底力は見せたといって良い。枠順の内外が逆なら着順も替わっていただろう。土曜日東京戦の続きになるが、この馬も運が無い。

ファイングレイン

迫力は無いが、前走辺りから雰囲気は戻って来ていた。ローレルゲレイロがスッと先行してくれて好位直後。出脚の無い馬で、多少オッツケ気味でもこの位置取らせて貰えたのは有り難かった。ただまあ、追っての脚もブルーメンブラットとはかなりの差。今日の展開で勝てないなら勝てるところは無いが、元々この馬の能力がこの程度。一応は復活。

カンパニー

今季は歩様がスムーズ。馬に変な硬さが無いのが良い。相変わらずゲートが悪いのだが、無理矢理でも出して中段やや後方。この辺りは横山典弘騎手、戦前から考えていた作戦だろうが、4角モタついてスーパーホーネットに叩かれていては折角の先行策も意味が無い。最後は良く伸びているが、これ位は伸びて当たり前の馬。見た目には悪くなかったが、前走東京戦は激走感有り、目に見えないところで苦しい部分が有ったかも。

ローレルゲレイロ

2人曳き。オーストラリアンブリンカー。+6kg。良い時の張りが無い。大人し過ぎるのもこの馬の場合は良くない傾向。例に依って出脚は一番速い位だが、マイネルレーニアが主張して控える形。ただ、最近は折り合い付くイメージだったのに、珍しく今日は行きたがっていた。決め手勝負にもなったが、一旦は抜け出したのに最後甘くなったのは道中のロスが大きいだろう。1200m,1400mの後という事も有るが、まだ本当では無い?

スマイルジャック

2人曳き。気合充分で馬も変わらず文句無し。出脚負けは無いが、折り合いに専念して好位直後。ただどうしても力んで走ってしまう。結果的に内で決まる展開だったにせよ、4角の雰囲気は悪くなかったが、追って案外。ショウナンアルバにも全く同じことが言えるがもう少しリラックスして走れる様にならぬと。

東京スポーツ杯2歳ステークス(JpnⅢ)

ナカヤマフェスタ

2人曳き。イレ込みというよりは集中力有って気合の表れ。コンパクトに纏まった馬体で完成度高い。内外に好発切った馬が居て、無理せず好位から。今年は2歳重賞が先行有利になっている影響なのか、行く馬が結構居てジックリと乗れた。直線だけ外へ持ち出し、ブレイクランアウトとの併せ馬になったが、追えば追うだけ伸びた印象。とにかく渋太さとセンスが光った。完成度が高過ぎる嫌いが有って、成長力に疑問の余地も有るが、出脚が悪くなさそうなのも現段階では有利。

ブレイクランアウト

2人曳き。気配上々。数字の無い馬だが大きく見せている点に好感。ゲートはむしろ速かった位だが、出脚が無くて中段のイン。4角捌いて外へ持ち出し、ナカヤマフェスタに並び掛けた時には完全な勝ちパターンだったが、相手の渋太さが一枚上だった。前走の様な競馬は一見強そうに見えるが、この馬の様に実は末脚の持続性に難が有ったというケースも多い。運の無い馬は何処迄行っても運が無く、馬券上は嫌ってこそ。

サンカルロ

数字もそうだが、バランスの取れた馬体。ただもっと筋肉が付いても良い。微妙にゲート分が悪く序盤は中段やや後方。ただ、道中引っ掛かっていて内から中段迄。最後は脚色一緒になったにせよ、一瞬オッと思わせる脚は見せた。引っ掛かると同時に硬い走りなのが今後へ向けてどうかだが、今日のスローを思えば良く追い込んでいるという評価も出来る。

ダノンカモン

2人曳き。紙一重だが、若干気負い気味。胴長の大型馬。皮膚を薄く見せ、現状のデキは良いが、まだ見た目に華奢。出遅れて後方。ただ、出脚は有りそうで、出して馬群には取り付いていた。直線向いてブレイクランアウトの直後からもう少し伸びても良さそうな格好だったが、半ばで手前が替わってしまい、伸び切れず。成長待ち。

スズカワグナー

2人曳き。−8kg。トモの張りは残っており、絞れて来たと見たい。小走りも、ナカヤマフェスタ同様、イレ込んでいるという雰囲気では無い。出脚速く、一瞬はハナも覗かせたが、主張する馬が居て好位から。このスローで展開的には絶好だったが、追い出してからモタモタしていて、伸び切れず。直線で接触も有ったが、モタついたこの馬が悪いという見方も。決め手が欲しい。

マッハヴェロシティ

+8kg。毛ヅヤは良かったが余裕残し。一応及第点はやれるが。出遅れて最後方から。直線向いて何処を突くかで迷って外へ持ち出したが、ピサノシンボル辺りと接触する不利。今日はこれが痛かった。ただ、追い出してからのフォームは力強く能力は高い。尤も、出遅れ癖が有って自業自得的側面有るにせよ、この馬もブレイクランアウト同様運の無い馬カテゴリーに入りそう。

ジャパン・オータムインターナショナルエリザベス女王杯(GⅠ)

リトルアマポーラ

+4kg。前走太い様に見えたが、また馬体増。ただ、今日は決して太くなかった。実になって来たのだろう。ポルトフィーノが落馬して内枠勢が動揺,コスモプラチナの先行策,そしてカワカミプリンセスが折り合いに専念している隙を突いて好位。今日はこの位置を頑張って取ったのが大きい。大してペース速くない中、流れに乗って早目の抜け出し。先行策で勝ったという点で、ハーツクライを思い出す向きも多いだろうが、ハーツクライは見た目に本格化していた。今回は、前述した3点が味方しており、出脚が来たとはこの一戦だけでは何とも言えないところ。次走が試金石。

カワカミプリンセス

2人曳き。-10kg。多少テンション高いが、何時も通り。馬体締まっても、迫力は変わらず。折り合い専念して中段。ただ、その折り合いはスムーズで、過不足無く回って来れたが、4角でのリトルアマポーラとの差が中々詰まらず、最後は逆手前で苦しがっていた。今日の相手ならネジ伏せる競馬を期待されていた訳で、不満の残る敗戦。先々週のウオッカ同様、これも気性に難のあった馬で、そちらに目が行く余り、本来有るべき鍛錬の部分迄陣営の神経が回っていなかったという事になろう。尤も、以前はこれを立て直せぬまま終わる馬が殆どで、それを思えば調教技量の進歩は有る訳だが、日本調教馬がまだ越えて行くべき壁は有る。

ベッラレイア

皮膚を薄く見せて毛ヅヤが良化。今季はデキが良い。道中は中段やや後方。カワカミプリンセスマークの競馬。前述した様にカワカミプリンセスも結構苦しかった筈だが、一瞬並び掛かってそこから突き放された。基本的に良い脚が長く続かない馬では有るのだが、今季の復調振りを思うともう少し走れても不思議は無い。距離?

マイネレーツェル

-8kg。減るのは良い傾向では無いが、まだトモの丸みは残っている。この血統は細くても走る。珍しくゲート五分。4角は少し遊んでいたが、道中は結構行き振りが良く中段からの競馬。ただ、カワカミプリンセスとは伸び脚の差。力は出し切ってこれだから、上位とは多少力量差が有る。

レインダンス

+10kg。この時期にしては毛ヅヤが良いが、多少余裕残し。気配が地味なのは毎度。出脚は有る筈だが、落馬したポルトフィーノを行かせる格好になってしまい、中段やや後方から。コースロス無く運べたが、決め手で勝負する馬では無いだけに、もう少し前で競馬したかった。ただそれでも3着は無かっただろう。一応復調はしているが、性能がGⅢ級。

レジネッタ

-8kg。ギスギス感が出て来て、コズミ気味。妙に大人しいのも気になった。好発も控えて中段やや後方。折り合い付いて4角ベッラレイアの直後に居たが、そこからが伸びない。デキ落ち感有ったにしても負け過ぎ。ソロソロ血統も出て来たか。

京王杯2歳ステークス(JpnⅡ)

ゲットフルマークス

2人曳き。-8kg。決して細くない。テンションは高いが、馬振りはここでも上位。前走札幌戦で出遅れた為、ゲートで一騒動有った時はヒヤッとしたが、問題無く好発。出脚も速くスッとハナへ。4角で引き付けて、追っての脚もしっかり。多少力んで走っていたが、スプリント戦で出遅れて無理矢理行った後だけに止むを得ぬ面も有ろう。結構良いトビをしていて、スピードが有ると良い方に解釈したい。追い出してもフォームが乱れないのは完成度が高い証拠。単なる人気薄の逃げ馬と思うと痛い目に。

フィフスペトル

2人曳き。数字が無いのは寸詰まりの分だろう。馬は幅が有って毛ヅヤも上々。集中力も有った。出脚も速かったが、上手く好位のインに入れての競馬。ペースが遅かったとはいえ、道中は多少行きたがっていたが、一応我慢は利いていた。最後エイシンタイガーとの叩き合いになり、これを制しての2着。ゲットフルマークスの出脚にやられただけで、能力自体はそれ程差は無いだろう。悪くない内容。

エイシンタイガー

-8kg。下見だけパシュファイヤー。大分絞れて来た。ただ、バランスは取れているが、迫力不足。道中はずっとフィフスペトルと併走する形になったが、最後迄そのまま。ただ、フィフスペトルはステッキをあまり使っていなかったのに対して、こちらの方が余裕が無かった。決め手が甘い。

トップカミング

2人曳き。キビキビ歩いていて、毛ヅヤもまずまず。及第点。出脚でやられて中段から。枠なりにインを回ってここ迄。今日の展開では外を回っていては競馬にならず、4着では評価し辛いところ。乗り役に言わせるともう少し距離が延びた方が良いとの事だが。

ダブルレインボー

馬振り自体は悪くないが、まだ緩い。道中は中段やや後方。ただ、3角で前がゴチャついて少し行き場が無くなるシーン。リズムを崩した事も有るが、今日の展開でこの位置では競馬にならない。33.4で上がっているのだからこの馬としては走っている。次走改めて。

KBS京都賞ファンタジーステークス(JpnⅢ)

イナズマアマリリス

-14kg。決して細くないが、イレ込み気味。出脚は有る馬だが、下見の印象とは違ってしっかり折り合っての好位追走。4角最内狙って一回コウエイハートに締められるシーンは有ったが、立て直してアディアフォーン等との叩き合いを制してゴール。戦前にも述べた様に、出脚が速いのと追っての脚が良いのが長所。この内枠とスローで持ち味を最大限に活かし切った感は有るが、現段階ではコレといった牝馬も居らず、前走札幌戦の内容も含めて上位の一角と見て良いだろう。それよりも今回目一杯仕上げたのが今後どう出るか。

ワンカラット

筋肉がしっかり付いていて、変わらず馬は良く見せる。毛ヅヤも上々。出脚は少し差が有ったが、少し出して、ハナがコウエイハート,次がイナズマアマリリス,そしてこの馬の馬順。イナズマアマリリスが抜けたところを通って来たが、こちらが伸びたら伸びただけ相手も伸びた印象。出脚の差でイナズマアマリリスにあの位置を取られたのが結果的に響いた格好。前々走小倉戦が案外の内容だったが、前走にしても牡馬相手。見た目通りには走る様になって来ている。

アディアフォーン

寸の詰まった馬だが、馬体は悪くない。ただ、歩様に力が無い。2番手もガッチリ抑えて折り合いに専念。このスローで立ち回りは悪くないが、追って競り負けた形。大差は無いのだが、下見通り力が付き切っていないのだろう。距離ももっと延びた方が良い。

ワイドサファイヤ

ここでも馬は上位。ただ、この時期で仕方無い部分も有るが、毛ヅヤが落ちて来た。出遅れをカバーすべく出したが、今日はこれが仇。マトモに引っ掛かってしまった。この辺がキャリアの浅い馬の辛いところ。まあ、最後は際迄詰めているので、能力の一旦は見せているという見方も有るが、4F通過48.9のスローではコースロスが有ると競馬にならず、コースロス無く回った利が有ったのも確か。所詮、上位の一角レベルという気も。これで次走人気になる様なら却って危険。

ルシュクル

2人曳き。-10kg。馬体はしっかりしているが、イレ込み。行ける出脚は有る筈だが、以前に1200mで引っ掛かった事も有り、折り合いに専念。インしか伸びない馬場で、馬場の4分どころ。直線では一瞬狭いシーンも有ったのだが、コジ開けてここ迄。上位4頭は全てインを回っている事を思えば、能力差は無いと見て良い。上がり掛かって時計的には低レベルだった札幌すずらん賞だが、案外レベルが高かった?

シルクナデシコ

変わらず毛ヅヤは良かったが、前走小倉戦の方が馬にメリハリが有った。積極的に乗られて中段。前走小倉戦は追走に骨を折っていたので、それを思えば進歩しているが、逆に行きたがっていた。直線もその分ジリジリ。矯めた方が良さそうだが、ワンカラットが少し強くなっている事を思うと、馬格の無い馬はやはり厳しい。

アルゼンチン共和国杯(JpnⅡ)

スクリーンヒーロー

シープスキンノーズバンド。重量感が出て来た。集中して歩いていたのも好感。好発。出脚も有る馬だが、ジックリとマイペースの好位。前2頭が飛ばす展開で、好位勢は仕掛けのタイミングが難しくなるところだが、馬場の良いジョッキーマスターズの河内コースへ持ち出して、早目の仕掛け。一瞬の脚は無いが、良い脚を長く使った印象。前走も早目の競馬でジャガーメイルに掴まっただけにどうかと思ったが、2kg差から3kg差になって振り切った形。ただ、ジャガーメイルも東京なら楽に重賞級。能力差は有るだろうが、出脚が有って競馬が上手いのもセールスポイント。

ジャガーメイル

2人曳き。皮膚を薄く見せて毛ヅヤが抜群。歩様の硬さも何時も通り。出脚甘い馬だが、少し出して中段やや後方。3角でアルナスラインを射程圏に捕らえ、直線これとの追い比べは制したが、スクリーンヒーロー迄は届かず。前走がハンデ58kgだったとはいえ初重賞挑戦の馬が56kg、今日の展開思うと2着でも良く走った方だろう。今日はそうでも無かったが、4角遊ぶケースも多く、東京限定馬といった印象も。最後逆手前になっていた辺りも怪しさが有る。他場でどうか。

アルナスライン

-10kg。絞れて来たのは良い傾向。ただメリハリが無いというのか、何か違う気もする。少しゲート悪かったが、出脚でカバーして中段。好位勢ではスクリーンヒーローが動いて、それを目掛けての競馬だが、スクリーンヒーローを捕まえるどころかジャガーメイルにも差される始末。58kgで競馬の難しさが出た感は有るのだが、それにしても不甲斐無い。最後も苦しがって内にモタれながら逆手前。今季デキが無い?

テイエムプリキュア

2人曳き。今日は良い時のこの馬。この時期の牝馬にしては毛ヅヤが良いのが最大の特徴。歩様もしっかり。セタガヤフラッグが掛かってハナへ行ったが、この馬も積極的に2番手。2頭で飛ばす展開だったが、折り合いは付いていた。4角でセタガヤフラッグの脚色が怪しくなり、坂下で先頭。一瞬は押し切り態勢だったが、ラスト100mで掴まった。一時のインしか伸びない東京だったら勝っていただろう。ハンデも利いているが、とにかくデキが良い。何処かで一発。

ダンスアジョイ

+8kg。落ち着きは出て来たが、もっと増えても良い位。ゲートは出ているが、下げて最後方から。外から良く伸びているが、32秒台の脚で届かないのだから仕方が無い。序盤行きたがっていたのを押さえこんで迄の待機策、この馬場とこのコースならその作戦も悪くないのだが、展開に泣いた。

ネヴァブション

+8kg。1年近く休んでいた計算だが、馬は出来ていた。小じんまりと見せるのは元々。少し出して中段。折り合い付けて好位勢を見ながらの競馬。ただ、4角アルナスラインとの差が最後迄詰まらなかった。この路線も新興勢力が出て来た印象は有るのだが、休み明けとしては悪くない内容。

東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(GⅢ)

キクノサリーレ

2人曳き。デキ絶好。気配も文句無し。出脚はそこ迄速くなかったが、3枠2頭が出遅れてくれた事も有って好位直後。ここで脚を矯められたのが今日は全て。1000m通過59.3はむしろ遅い位のペース。4角でユビキタスの直後に付けて、直線間を割って差し切った。デキが間違い無く良く、勢いが何よりモノを言うダートだが、今日は3枠2頭の出遅れは結構大きかった様に思える。過大評価もどうか。

サンライズバッカス

馬が悪い意味で軽くなって来た。今春の重量感が欲しい。ゲート出ているが、折り合いに専念して後方から。スローで比較的団子の展開の中、多少早目に動き、外へ回して良く伸びているが、前も楽をしていて届かず。ベストの東京マイルだけに必勝態勢の一戦だっただろうが、58kg背負ってこの内容なら及第点はやれる。展開頼みの面は有るが次走も圏内。

ユビキタス

2人曳き。シープスキンノーズバンド。太く見せるが、緩んでいなければといったところ。スプリントのアグネスジェダイには行かせたが、出脚で2番手。ペースも大して速くなく、4角迄は完璧に運んだが、追って甘い。デキ?

カルナバリート

オーストラリアンブリンカー。馬体は悪くないが、寸詰まり。手先だけで歩くのは如何にもダート馬。出脚で好位から。この距離でも折り合って進めたが、微妙に狭かったにせよ、馬群を割って来る脚が無く、雪崩込んだだけ。もうワンパンチが欲しい。

トーセンブライト

今季は歩様の硬さも無く、良い状態が維持出来ている。カネヒキリの出脚にやられて中段やや後方。1600mでは折り合いに多少なりとも気を遣う為、止むを得ぬ面も有るのだが、この位置で競馬する馬では無い。器用さ活かして2,3着がやっとの馬、今日は仕方が無い。

カネヒキリ

+10kg。まだ緩い。ただ、下手にガレて出て来るよりはこの方が余程良い。出脚は健在も、道中インで行きたがっていた。直線も結局前が開かず。ただ、能力面の減退は然程無さそう。これでレース勘さえ戻れば次走は勝てる。