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競馬回顧 2010年3回京都・2回東京

第5回ヴィクトリアマイル(GⅠ)

ブエナビスタ

歩様の硬さは気になったが、見た目は良くも悪くもこんなモノ。今のこの馬なら行かせようと思えばもう少し行ける筈だが、中段やや後方から。4角回って、レッドディザイアの直後。この馬場で差し切り、数字上の脚も強烈。文句無しの競馬。直線向いて2回手前を替えたのが唯一頂けないのだが、これが結果に悪影響を及ぼす事は無いだろう。以前は飛距離の馬だったが、回転数上がっている点も強調出来る。

ヒカルアマランサス

-8kg。デビュー以来最低体重。少し細く映った上に、歩様にも硬さが有った。ゲートは若干怪しかったが、この枠でも有り、積極的に乗られて好位。前3頭が飛ばすところを少し離れた位置で折り合えた。相手を外と決めて、直線はそれらへ併せて行ったが、これも2回手前が替わっていて、左手前の際に一瞬モタつく場面が有った。ソラを遣う危険は有るのだが、これならイチかバチかのインベタの方が正解だったかも。惜しいは惜しいのだが。

ニシノブルームーン

前走中山戦から変わらず。馬体には張りが有ったのだが、やはりこの数字では太い。ゲートは速い方だったが、無理せず中段。丁度レッドディザイアの内。3角過ぎから行き場が無くて4角では後方に近い位置。直線も今日は乗り方がマズく、最初外へ持ち出そうとしていたのを切り替えて内へ行く形。最後は狭いところをコジ開けて来た。能力面もそうだが、何よりこの根性を評価したい。

レッドディザイア

この中間、攻め馬が手緩いとの話も有ったが、悪くは無かった。無論、理想を言えばキリは無いが、一応は走れる状態。外目回って、落ち着いていたのも好感が持てたが。ゲートが悪いのは毎度。ただ、今日はこれを無理矢理出して行きたがってしまったのが痛い。4角回って追撃態勢は造り、それなりには伸びているのだが...。前走UAE戦も折り合いを欠き、一応は精神面課題という事になるのだが、今日は出し過ぎた印象も。

ブロードストリート

-8kg。少し馬が薄い。決して良い様には見えないが。ゲート少し悪かったが、出して好位直後。ただ、これもレッドディザイア同様に少し行きたがっていた。比較的コースロス無く回して、直線はジワジワ伸びているのだが、何時もの瞬発力ではなかった。もう少しジックリ乗った方がこの馬には合っている。

第55回京王杯スプリングカップ(GⅡ)

サンクスノート

デキは良さそうだが、例に依って少しトモが甘い歩様。好発。ハナへ行ける位だったが、内からアーバニティが主張して2番手。このレースの度に毎年述べているが、東京1400mはコース形態から速くなりようが無く、今日もスローに近い流れ。ここでガッチリ抑えて4角手応え充分。最後は止まり掛かっていたが、マルカフェニックスの追撃を一杯一杯振り切った。見た目通り非力な馬で、この馬場が向いた。今日はそれ以外に勝因が無い。

マルカフェニックス

-12kg。造りにメリハリが無い。良い時はもっと良く見せる筈の馬。この馬にしてはゲート出て中段から。スムーズに立ち回れた分は有るのだが、32.9秒の脚でここ迄。トビの大きい馬で、東京は合うのだが、今週の傾向思えば一番強い競馬。ただ、デキが関心しなかったのと、マイルは1F長い。次走は手が出し辛い。

アーバニティ

-6kg。下見だけならコレ。毛ヅヤは皆良いのだが、馬体の張りが抜群。出脚も速かったが、主張してハナ。逃げ一辺倒の馬場状態で、この策は間違い無く正解。ただ、直線向いてから手前が変わらず、一伸びを欠いた。それが無ければという「タラレバ」は有るが、それもまたこの馬の実力。距離が微妙に長いのだろうが、デキが良かっただけに案外感が残る。

エーシンフォワード

硬さも気にならず、しっかり踏めていた。馬体もここへ入れば上位。サンクスノートの先行策に乗ってジワッと好位。ここから前を捕まえるべき馬だが、前との差が全く詰まらぬまま終わってしまった。デキ云々という話も有る様だが、見た目は決して悪くなかった。前々走阪神戦は枠の利でこなしただけで、1400mは1F長い。

スズカコーズウェイ

もう少し馬を大きく見せて欲しい。バランス取れた造りだが、迫力不足。少しゲートが悪く、枠の分で何とか中段。4角はマルカフェニックスの直後に居たが、ラスト300m位からの脚で見劣った形。その辺りは1kg差が微妙に響いた感も。ただ、これで昨年勝ったこのレースから1年が経過し、今後、同システムの別定戦で有ったプラス1kgが無くなる。とどの詰まり、秋の京都戦が狙い目。

タケミカヅチ

シープスキンノーズバンド。馬体絞れず。デキは悪くないが、腹回りがボテッと映る。ゲート開いて一完歩は出ているが、出脚がサッパリで後方から。それでも4角でスズカコーズウェイの近くに居るとまた結果が違うのだが、ここで一瞬置かれたのが痛い。今日はそこからでは何も出来ない展開。内枠を活かせずに終わってしまった。

第15回NHKマイルカップ(GⅠ)

ダノンシャンティ

寸詰まりのマイラー体型だが、この厩舎らしい馬になって来た。例に依って後方から。折り合い微妙な馬だが、このハイペースで関係無し。直線大外へ持ち出して、一昔前のサンデーサイレンス産駒の様な瞬発力。馬場も良いのだが、最終レースとの比較を思えば水準より1.5秒は速い。大外から追い込んで勝てるのも、そこ迄馬場が良かった訳ではないから。ただ、距離と反動が課題。このレースは勝ったその後が良くないケースも多く。

ダイワバーバリアン

+4kg。少し太い位の造りだが、成長しているのだろう。毛ヅヤピカピカ。行く気になれば行ける馬だが、コスモセンサーが速くて、無理せず中段。ただ、結果的に今日はこれが正着手。4角で内がスッと開き、坂を上がってサンライズプリンスを捕まえたが、その外をダノンシャンティが並ぶ間も無く駆け抜けて行った。今日は相手が悪かったが、4角の反応の良さを思うと東京向きなのだろう。下見通り、馬も成長している。

リルダヴァル

2人曳き。2回叩いて順当に良化。あとは歩様がもう少し。出たなりで中段。丁度ダイワバーバリアンと前後する位置。直線向いてダイワバーバリアンの直後からジワジワ伸びているが、直線向いた時の1馬身差がそのままだった。現状はこんなモノ。2歳時が本当に強ければ骨折の後遺症が有るという事になるのだが...。

サンライズプリンス

2人曳き。もっと見栄えした様な気もするが、相手関係も有ろう。決して悪くない。珍しく好発。競馬の常套だが、外枠の馬が逃げるとハイペースになり易く、エーシンダックマンが逃げて1000m通過56.3秒のハイペース。これをマトモに追い掛けて坂下で先頭。同じ様に先行した残りの3頭が何れも二桁着順。GⅠ級の強さは充分示した。ここ2走マイルを先行しており、折り合い課題になりそうだが、史上最強レベルの次走でも圏内。

キョウエイアシュラ

シープスキンノーズバンド。気性面で走らないだけで、馬は今年に入ってからずっと良く見せている。この気合乗りも今日は歓迎と見たいが。近況通り後方から。馬込みは宜しくない筈だが、外に出せず仕方無しにインへ。前とは離されたが馬群の中でもジワジワ伸びていた。乗り役の工夫が活きて、最近は最後迄真面目に走る様になっている。

第58回京都新聞杯(GⅡ)

ゲシュタルト

気配は地味だが、寸が詰まってマイラー寄りの馬体。ただ、今日は細く見えず。行きたがるのを宥めて中段。先に抜け出したコスモファントムを目標に、これを交わしたところがゴール。最後は勝負どころで我慢が出来た分の差。能力的にはヴィクトワールピサを頂点に3番手グループの一角。次走は出走するだけだが、それでも例年の上位クラスの馬。今年の3歳馬は全てそうなのだが、古馬混合戦になった時が狙い目に。

コスモファントム

数字通り出来ていた。筋肉質の造りは変わらず。ただ、両前バンテージ有る通り、歩様に硬さが。好位で折り合いに専念。4角先頭はそれなりに自信持っての追い出しだった筈だが、結構アッサリ捕まった。最後は2着確保するのがやっと。やはり距離に壁が有りそう。

レーヴドリアン

以前思えば馬振りが良化。ただ、これも少し歩様が硬く映る。ゲートもそうだが、出脚サッパリで後方から。向正面から徐々に追い上げ、コーナーでは大外回さず、直線だけ外へ。毎度の様に良く伸びているが、届かないのも毎度の事。こういうのは負けて強しとは言わない。

メイショウウズシオ

+14kg。数字上は回復した形だが、以前とは中身が違う。イレ込んでいたのはマイナスだが。序盤は行きたがっていたが、何とか我慢させて中段やや後方。4角回ってゲシュタルトの直後。直線の脚で見劣った形になるが、通った位置の差が多少影響していて、実質1馬身以内の競馬は出来ている。この血統で上がりの速い競馬も向くとは思えず、悪くない内容。馬場が渋れば重賞も勝てる器。

ブレイクアセオリー

2人曳き。胴長でスカッとした造り。デキも悪くない。馬群の中で折り合い付けて中段。丁度ゲシュタルトと前後する位置。上手く立ち回っているが、それで居て伸び切れなかったのだから力負け。前々走中京戦で先着されたメイショウウズシオとはそれなりの差が有りそう。

第32回新潟大賞典(GⅢ)

ゴールデンダリア

今日は歩様がスムーズ。これなら文句無し。この馬の出脚で中段やや後方。前がソコソコ飛ばす展開を、若干早目の立ち回りでラスト200mで先頭。ここで手前が替わって若干苦しかった筈だが、末脚の持続性は評価出来る馬で、後続の追撃を振り切った。前走阪神戦でドリームジャーニーに先着した馬が56kg。単純にGⅡ戦2着と考えても、ハンデがかなり恵まれていた。

セイクリッドバレー

皮膚の薄さが有り、デキは良いが、もう少し歩様に伸びが欲しい。例に依って後方から。直線は折り合いは付く馬で、道中は過不足無く、直線は一番外へ。それなりに伸びているが、今日も位置取りの差が出た。東京や新潟なら馬券になる馬だが、単となるともう一歩前が理想。

ニホンピロレガーロ

シープスキンノーズバンド。昨年とはデキ一変。落ち着いていた点も好感。出脚一息で、これも中段やや後方から。直線外へ持ち出してセイクリッドバレーと同じ位置。ただ、毎度の様にクビが使えない馬で、追い比べになるとピリッとした脚が使えない。ジワジワと伸びるだけに、他場よりは新潟が向くのは確かなのだが。

マイネルスターリー

変わらずデキ自体は良い。馬体も大分スッキリして来た。道中は中段。勝ったゴールデンダリアの直前で、これも早目早目。それなりに走っているが、最後は決め手負け。時計云々も有るが、ナリタクリスタル辺りとの比較を思うとこんなモノだろう。

デストラメンテ

2人曳き。歩様の硬さは何時も通り。暖かくなって充分走れる状態。この馬にしてはゲート出ているが、中段やや後方から。4角回ってこれも上位馬と似た様な位置に居たが、ここ迄。色々限界は有る馬だが、基本的には広いコースが向く。

第141回天皇賞・春(GⅠ)

ジャガーメイル

2人曳き。-8kg。遮眼革。少し細く映るのは、決して長距離仕様という訳ではなく、乗り役がポリトラックを理解しておらず、攻め馬やり過ぎた分。この馬の出脚で中段。道中はこの位置で折り合いに専念。2周目4角も決して動いた訳ではなく、単に先行馬がバテて来ただけで、自然と好位置に。これ迄は善戦マンの印象が強かったが、この我慢が最後のキレを呼び込んだ印象。馬の能力は上位とはいえ、戦前は追い切り失敗してどうかと思ったのだが、その失敗を乗り役自ら帳消しにした形。

マイネルキッツ

2人曳き。遮眼革。前走中山戦と変わらず。歩様に力強さが有る。松岡騎手は戦前から決めていたそうだが、積極的に乗られて2番手。折り合いに不安の無い馬で、道中はスムーズ。2周目4角で先頭。一旦は後続を振り切ったが、最後にジャガーメイル。ジャガーメイルは序盤出していないだけに、その分の差が出てしまった。ただ、横綱の競馬は出来た。この後は海外遠征だそうだが、勝てるかどうかは別にして条件悪い競馬が続く国内よりは良い結果が出そう。

メイショウドンタク

遮眼革。使い詰めだが、歩様に柔らか味。トモの張りも結構立派で、走られて納得のデキ。隣でフォゲッタブルが暴れ、ゲート内で連られていたが、何とか五分に出て好位。武幸四郎騎手らしく、長手綱で折り合ってマイネルキッツを目標に進出。そこからは決め手の差だが、折り合い面に関しては遮眼革も利いた。ただ、レース後骨折が判明。

ナムラクレセント

+10kg。数字は回復分。トモの甘さも以前思えばマシ。ただ、今日はヤケにチャカついていた。道中は中段。乗り役は宥めようとしていたが、1周目の決勝線辺り迄、行きたがっていた。2周目4角でジャガーメイルの直後に居たが、直線がジリジリ。上位3頭は何れも最初から折り合いが付いていただけに、結果的にその差が出た。逆に言えば馬は強くなっている。

エアジパング

この年でも有り、馬はずっと一緒だが、これも珍しく煩かった。道中は中段のイン。中山で重賞勝った時と同じく、ここで死んだ振り。ただ2周目4角、トーセンクラウンを起点とするアクシデントが有り、一歩前に居たこの馬は不利を食らわずに済んだ。これが無ければ恐らく掲示板無かった筈。この不利に泣いた同馬主エアシェイディの分を全部取り返せた訳ではないが、数割程度は。

フォゲッタブル

この中間は不安説流れたが、意外に悪くなさそう。8割のデキには有った筈。ゲート内で暴れて出遅れ。それでも出脚は有る馬で、この距離とこの枠で中段やや後方から。折り合いにも不安は無く、ジャガーメイルを見ながらの競馬だったが、2周目4角で置かれたのが痛い。見た目は悪くなかったが、不安説の通り万全では無かった様。

第17回テレビ東京杯青葉賞(GⅡ)

ペルーサ

+2kg。大分馬が締まって来たが、まだ太い。珍しく好発。その気になれば何処からでも競馬出来る筈だが、次走意識して中段から。3角過ぎから外へ持ち出し、追い出してからも俊敏に反応して4馬身差。時計も速く、文句無しの内容。ただ、前述した通り、太いのは確かで、まだ全身使えぬ走法。仕上げ方も有るのだが、ゼンノロブロイ産駒とネオユニヴァース産駒で、現段階での完成度の差が有るのも間違い無いところ。

トゥザグローリー

-12kg。絞って漸く中身が見えて来たが、やはりまだ馬は若い。ただ、初コースでも落ち着いていたのが何より。道中は中段やや後方。最初からペルーサをマークする競馬。ペルーサは早目に外へ持ち出したが、追い出して一瞬外へモタれ、直線向いてから坂下迄の間に5馬身程離れてしまった。それでも何とか2着は確保。マーク千切れでも、追っ掛けバテ迄はしていない。折り合い面も微妙に怪しく、次走は出走するだけになりそうだが、掲示板確保の場面は有って良い。

ハートビートソング

数字はこれで良さそうだが、もう少ししっかり筋肉を付けたい。この枠でも有り、最初から行く気が無く後方から。ただ、4角から行くところが無く、ラスト400m程からの競馬。良く伸びているが、坂を上がって逆手前になり、高脚気味。これも先々は走って来そうだが、現状は上位と差。

アロマカフェ

-6kg。デキ自体は悪くないが、上位とは馬自体に差が有る。枠の利も有って好位のイン。3〜4角中段から、ベストブルームが下がって来て動くに動けない場面。この間にトゥザグローリーと並ぶ位置迄下がってしまい、ここからの決め手では辛かった。まあ、この馬としては自身最速の上がりだが、上位馬はそれ以上の脚を過去に見せていた。勝負どころのロスが惜しい。

リリエンタール

この数字にしては良く出来た馬だが、歩様の力強さがもう少し。スタート直後はかなり行きたがっていたが、安藤勝己騎手らしく、抑え込んで中段。ただ、基本的に馬が前向き過ぎるので早目早目。一瞬は同馬主3着迄独占の場面だったが、そこ迄だった。少し距離が長い。

第45回フローラステークス(GⅡ)

サンテミリオン

毎回人気になるのだが、相変わらず非力に映る。例に依ってゲートが少し悪いのだが、スローを嫌って好位。それでも折り合いスムーズで、直線向いてアグネスワルツを可愛がるだけ可愛がって最後は1馬身差。完勝。この相手なら性能が違ったが、能力的には阪神戦組が明らかに上。ただ、距離に不安が無いのが相当のアドバンテージに。

アグネスワルツ

+8kg。デキ自体は感心しないのだが、馬振りがここへ入れば上位。ゲートはベストクルーズの方が速かったが、出脚でハナ。他馬がハナへ行きたくない様で、近くには居たのだが、マイペースで行けた。直線向いてから一旦は突き放す場面。ただ、追い出して少し頭が上がり気味。その分、サンテミリオンに捕まった。今日はデキが怪しいので変わる余地は有るのだが、この辺りがマイラーの相。

ブルーミングアレー

一息入ったが、キッチリ出来ていた。前走述べた様に、馬振りも中々。外枠から出してサンテミリオンをマーク。道中の折り合いは問題無く、坂下迄は近い位置に居たが、そこからが甘かった。最後は3着確保するのがやっと。乗り役の話では行かせ過ぎたとの事だが、このペースだけに苦しい言い訳。今日は手前が替わっておらず、馬も良いので先々走って来そうだが、現状は1000万レベル。

アマファソン

血統も有るが、この時期の牝馬にしてはしっかりした造り。出遅れも有るが、行く気も無く最後方から。4角でもドンジリ、直線だけ外へ持ち出してここ迄。良く差しているが、今日は結果が全ての競馬。4着でも何の意味も無くて。

アスカトップレディ

-6kg。トモの造りは悪くないが、腹が巻き気味。テンション高いのもマイナス。出たなりで中段のイン。折り合い付けて、馬群捌いて来た時には一瞬3着有るかに見えたが、そこで止まってしまった。細い分、スタミナ切れした印象。立て直して改めて。

第15回アンタレスステークス(GⅢ)

ダイシンオレンジ

少し硬いのはダート馬で仕方が無いが、馬体の張り抜群。先行争いにクビだけ突っ込んで進路確保しつつ中段。4角でトランセンドとフサイチセブンがやり合うところをワンテンポ待ってからの追い出し。このタイミングが完璧だった。京都に良績集中している馬だが、後述するナニハトモアレとは対照的に砂を被っても嫌がらず、競馬に注文付かない点が強調出来る。

ナニハトモアレ

+10kg。デキ自体は良いが、今日は少し太い。前々走東京戦、村田騎手のアドバイスだったそうで、下げて後方から。ただ、それ以前に出脚が無くて道中は追走に汲々。3角過ぎに漸くエンジンが掛かり、4角で中段。そこからここ迄伸びて来た。前が止まる展開も向いたが、人気無さ過ぎただけで前走重賞2着の馬。これ位の力は有る。道中の行き振りの悪さも、砂を被ると良くないだけだろう。その辺りは今日の様に乗り方の工夫で何とかなる筈。

フサイチセブン

2人曳き。トモにボリューム感有り、馬だけならコレ。この枠順でも有り、当然トランセンドをマーク。ただ、半馬身程出負けして、この位置を取りに少し出した分、序盤は掛かり気味。道中これを宥めて、外回った割に4角の回り脚は一番速かった位だが、直線向いてからは時計勝負の58kgが辛かった。とはいえこの回り脚が超A級。小回りコースを多く走る事になるダートでは特にこの脚が重要だ。この中間は、トラブルも有った様だが、無事なら5〜6億は稼げる筈。

クリールパッション

-14kg。毛ヅヤが良化。馬体ももっと絞って良い位。出脚で分が悪く、中段やや後方から。内をコールロス無く回り、伸びずバテずでここ迄。前走中山戦もそうだが、内で砂を被っても普通に走ってくれる点は良い。東京でセコい競馬した時が狙い目に。

シルクメビウス

-4kg。数字上は出来ていたが、決して良い様には見えなかった。スタート直後にトモを滑らせる様な格好で後方から。それでも道中の行き振りは悪くなく、早目に動いて4角で好位。今日のデキではここからが辛かったが、前走阪神戦も中1週の強行軍が当たった馬。休み明けは走らぬタイプと見たい。

トランセンド

毛ヅヤピカピカ。デキ自体は文句無しだが、相変わらず馬に重量感が無いのがマイナス。出脚は一番速い位だが、無理せず好位で流れに乗る形。3角過ぎにフサイチピージェイが動き、これを目標に進出したが、4角の段階で既に手応えが怪しく、フサイチセブンに出られて万事休す。現状はパワーが無いので、スンナリした流れでないと厳しい。ただ、晩稲の血統。秋になれば変わる筈だが。