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競馬回顧 2010年3回阪神・2回福島

サマー2000シリーズ第1戦 第46回七夕賞(GⅢ)

ドモナラズ

毛ヅヤ文句無し。馬体の張りも良く、単純に一番良く見えた。ゲートは出ているが、行く気無く後方から。時々引っ掛かる時が有り、急かさず折り合いに徹したのが今日は正解。スローのマクり合戦になり、内から9番手に居たバトルバニヤンが4角先頭に立つ展開。最後に仕掛けて大外から漁夫の利を得た格好。これで柴田善臣騎手は3週連続重賞制覇。乗り役の調子が良かったのは間違い無いところだが、準オープン57s勝ちの馬が52s。平均値より2s以上軽い。ハンデキャッパーのミスに近い。

アルコセニョーラ

-8kg。少し細く映ったが、これで昨年2着時とほぼ同じ数字。この辺りがステイゴールド産駒。これも後方から。マイル戦の後で行きたがるのを宥めながらの追走。目の前のサンライズベガが動き、早目に動く意思は見せていたが、直ぐ外に居たキョウエイストームが邪魔になり、結果的に脚が矯められた。昨年の53sは恵まれ過ぎと述べたが、今日は展開が向いて54sで2着。これが現状の実力だろう。福島が向くというより、末脚の持続性が特徴。従って54sなら新潟でも好勝負必至だが、ガサが無い馬はここからの1sがキツい。

サンライズベガ

-4kg。相変わらず少し気負い過ぎだが、この数字でも太く見せない点には好感。出遅れ。スタート直後に行きたがったが、1角過ぎには落ち着いて後方から。出遅れても、今日の展開ならこの位置でも良いのだが、結果的に後ろの馬に差されただけに、ワンテンポ早かったという事。ただ、直線で舌がハミを越していた。最後少し狭くなった面も有るのだが、ツメの甘さも相変わらず。

バトルバニヤン

中1週でも硬さ無し。及第点やれる。中段で引っ張り切りの手応え。この手応えで早目に動いて4角先頭。寸前で甘くなったが、最後はハンデ差も有ろう。重賞未勝利の馬が57kg。これは逆に見込まれ過ぎで、一番強い競馬はしている。ローカルでも別定戦なら何処かでチャンス有りそうだが。

トウショウシロッコ

-8kg。数字上はこれで良い筈だが、少し馬が緩く映る。休み明けの影響は少なからず有りそう。出脚は期待出来ない馬だが、フサイチアウステルがハナへ行ける流れで、スンナリ好位。4角マクり合戦になったところを内で一回脚を矯めての追い出し。前も開いて馬場状態考慮しても上手く立ち回ったかに見えたが、案外。ベストは東京で、こういうセコい競馬は得意としない。新潟で改めて。

サニーサンデー

2人曳き。歩様は悪くないが、見た目の筋肉に硬さが有った。少し行きたがるのを宥めて好位。マクり合戦となる展開で、一番キツいに居たのは確かだが、それにしても負け過ぎ。デキ?

第15回プロキオンステークス(GⅢ)

ケイアイガーベラ

+14kg。数字は成長分だろう。坂路快走が頷ける馬体。好発。出脚も速いのだろうが、誰も行かず引っ張り切りででハナ。もう少し飛ばしても勝てたのだろうが、道中も引っ張り切り。レコード決着だが、馬場状態の問題も有り、ペースは遅い。メンバー中最速の上がりを使い、オイデオイデの大楽勝。文句無しだろう。ただ戦前述べた様に、このレースは外枠圧倒的有利。後述する様に、負けた馬の敗因がそれぞれ明白。良馬場で何処迄やれるかが今後の課題に。

サマーウインド

+6kg。骨格のしっかりした馬で一番良く見せるのだが、少し太い。スピードの絶対値は最上位レベルだろうが、この距離は1F長く、ジワッと行かせて2番手。従ってそれなりに道中楽が出来ていた筈だが、追ってから案外。あれだけ気を遣ってもダメなら、この距離で勝ちは無いだろう。ただ幸いにして今年はJBCスプリントが1000m (船橋) 。この点は大きい筈。

ナムラタイタン

2人曳き。もう少し絞るか鍛えるか、改善の余地はまだ相当有りそう。ゲートが若干分悪く、ケイアイガーベラに叩かれて好位から。芝ならこれで絶好だが、この時計勝負で対サマーウインドで1馬身程後ろになったのが最後に響いた感。勿論この馬自身は伸びているのだが、直線入り口でケイアイガーベラの砂を被って、ここでもロスも意外に応えた。経験でまた違って来る筈だが、今日のところは最内枠がアダに。

ダイショウジェット

もう少し絞れるのがベストだが、この数字でも緩んだ印象は無い。芝での出脚がサッパリ。ダートへ入ってからの行き振りは良かったが、今日の展開ではこのロスが全て。砂を被っても全く苦にしない馬で、ダートでこの辺りの相手なら堅実だが、東京がベスト。

ティアップワイルド

悪くないが、このメンバーへ入ると地味に映る。ケイアイガーベラに叩かれる格好にはなったが、スッと好位。外枠有利とは述べたが、この馬場で3頭分外走らされたのが若干痛いのだが、この着差だけにそれが無くても着順は大差は無いだろう。前走とほぼ同じ時計で駆けており、逆に時計面の天井が見えた感。もう半分詰められると重賞にも手が届く馬になれるが。

グロリアスノア

+10kg。この数字でもう少しトモにボリューム感が来れば完璧。スタート直後に躓いて後方から。今日はダイショウジェットの位置でもキツい展開で、何も出来ずに終わってしまった。パサパサのダートが良い。

第59回ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

アロマカフェ

少し硬さは有るが、前走東京戦よりはマシ。馬体の雰囲気が良く、デキがいいのは確か。この馬場で出脚は関係無いところだが、道中は中段の外。スローペースになったが、向正面でトゥザグローリーが引っ掛かった時にも連られずに折り合いが付いた。馬場の外目をずっと通って最高の競馬が出来たのだが、4角の手応えの割に、直線内にモタれた点は頂けない。今日は展開向いたという評価にしておいた方が無難。

クォークスター

2人曳き。頭が高く、馬が緩い。トモに力が付き切っていない印象。ゲートも少し悪かったが、行きたがる素振りを見せて後方で折り合いに専念する形。ただ、落ち着こうとしたところで、アースガルドとトゥザグローリーが行った際に連られたのが痛かった。3角過ぎにレッドスパークルが外から来たのは脚の違いで飛ばして追い込んで来たが...。少なくとも一番強い競馬はしている。小回り適性は無いだろうが、このレースに限ってはこういう馬が強い。

レト

2人曳き。遮眼革。この馬にしては落ち着いている方。ただこれも頭が高く、歩様に力が無い。出脚利かせて好位の外。少し行きたがっていた様にも見えたが、これで意外に我慢が利いている。引っ掛かったトゥザグローリーに併せて進出。この分、早仕掛けになったが、最後迄止まっていない。1800mは微妙に長い筈だが、これだけ踏ん張れれば上等。学習能力の高さを今迄強調してきたが、馬も成長して来た。

ナイスミーチュー

もう少し馬を大きく見せて欲しい。現状のデキとしては悪くないが。行かせる気無く、後方から。向正面で中段に番手を上げたが、そこからはオッツケ通し。にも関わらず、直線は渋太く伸びていた。回り脚が無いタイプ? 新潟での一発充分。

トゥザグローリー

悪くないが、毛ヅヤがパっとしない。夏負け気味? 出遅れて後方。ただ、向正面で行きたがり、そのまま行かせる形で4角2番手。当然の様に直線失速。今迄折り合いで然程苦労していた様な雰囲気は無かっただけに意外。デキ落ちで気持ちに余裕が無かったと思いたいが...。

リリエンタール

前走東京戦時に述べた様に、馬は数字の割に良く出来ている。ただ、この発汗とテンションの高さはマイナス。スタート直後に頭を上げて行きたがっていて、これを宥めつつ中段。そこからは一応折り合い付いたが、内に入れた関係で、結果的に悪いところを通らされてしまった。スローとはいえ福島1800mで引っ掛かった点は課題となるが、馬格の無いこの馬には最悪の展開になったのも確か。

サマースプリントシリーズ第1戦 第17回函館スプリントステークス(GⅢ)

ワンカラット

馬体は元々良く見せる馬。特に減点材料も無く、このチャカつきも1200mなら丁度といったところ。出脚が若干怪しいが、ケイアイアストンが先行して中段のイン。何故かこの馬の周りが空いていて、揉まれずに競馬が出来た。4角で逃げ馬の直後。前も開いていたが、追い出しを我慢する余裕が有った。勝って当然の馬だが、今日は展開向き過ぎて値打ちが下がった感も。脚の使いどころが難しいタイプだけに、余計にそう思えてくるのだが、前走中京戦から始めた1200mに絞った調整が当たっている。この点だけは強調しておきたい。

ビービーガルダン

遮眼革。少し太い様にも映るが、馬は断然。他がGⅢ以下レベルの中、1頭だけGⅠ級。好発。勝負どころでモタつくのは毎度といえば毎度だが、59kg背負った分だけ悪化。その間にグランプリエンゼルに入られたのが痛かった。あれが無ければワンカラットとの併せ馬になっていた筈。とはいえそれでも悠々2着は確保。やはり格上の力。ただ、斤量,内外の差、色々言い訳は有るとはいえ、右回りならもう少しスムーズに走って欲しかった印象も。GⅠが近くて遠い。

アポロフェニックス

-8s。数字分だけ迫力は無くなったが、今季は悪くないデキ。ゲート自体は速い方だったが、若干出脚負け気味で好位直後。道中はこれでも良いのだが、4角ビービーガルダンがモタついてその直後。更にキョウエイアシュラが外から被せに来て、二手分後手踏んだのが痛い。まあ出脚が無いのが悪いといえばそれ迄だが、時計掛かる良馬場なら重賞でも足りる存在。次走札幌戦なら引き続き圏内に。

キョウエイアシュラ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。気性面で走らないだけで馬は上位。ただ、今日はイレ込みキツい。ゲート悪かったが、押して押して中段。この馬のとって揉まれずに行けた利は大きいのだが、レコード決着で外々回していては辛いところ。ツボにハマった時の一発は常に警戒すべきだが、展開の助けは欲しい。

アーバニティ

-8s。また馬体減。気配自体は悪くないが、ガレ気味。ゲートが少し悪かった事も有り、中段から。内を突くと結果はまた違うのだが、アポロフェニックスの後では実質競馬に参加していない状態。前とは同じだけ伸びており、今日は参考外。

第51回宝塚記念(GⅠ)

ナカヤマフェスタ

昨年暮れの中京戦で褒めた様に、馬体そのものは悪くなかった。歩様もしっかり。出脚速かったが、この枠で無理せず中段。内に居た馬が結構ノメっていた中、折り合い面含め馬場の良い外目をスムーズに追走出来たのが最大の勝因。4角手応え悪かったが、名前と異なり中山向きではない馬で、コーナーの脚が無いからだろう。直線になれば関係無く伸びる。今日もゲート前で一暴れ有った様に、気性面で時々ポカが有るのだが、前走東京戦後に待機してフレッシュな状態なのも良かった。これで東京のオープン特別勝ち直後の関東馬がGⅠ2連勝。関東馬に層の厚さが出て来た。

ブエナビスタ

+12kg。この時期になれば流石に毛ヅヤも良化。完璧ではないが、前走東京戦よりは良い。出して好位のイン。少しノメる場面も有ったにせよ、折り合いは付き、それなりには伸びているが...。内外で馬体が離れたというのは言い訳の部類。これで牡馬相手のGⅠで3連敗。この馬場でも有り安全策採ったのは間違いではないのだが、あくまでこの馬の本質は追い込み。昨秋クィーンスプマンテとテイエムプリキュアにやられたのが未だトラウマとして伸し掛っている。特に極端な戦法を嫌って安藤勝己騎手を降ろした経緯が有るだけに。

アーネストリー

-6kg。数字は通り馬体締まって文句無しの状態。出脚有る馬で、何時も通りの先行策。戦前は逃げるかと思ったが、ナムラクレセントが主張した関係で2番手から。ソツの無い競馬は出来ているが、4角回った時にナムラクレセントとの間をブエナビスタに入られたのが唯一の誤算。あれが無ければブエナビスタの行き場が消えて面白い展開になっていた。とはいえ、GⅠ初出走なら58kgも初。良く走っている方だろう。

ドリームジャーニー

2人曳き。-6kg。意外に悪くないが、良くも無さそう。特に歩様が案外。この馬のゲートが良い事はないにせよ、外へ大きくヨレて後方から。例に依って外をマクる形で進出したが、この回り脚がまず案外で、直線も何時もより回転数が足らない。やはり今日に関してはデキが無かったと見たい。

ネヴァブション

2人曳き。馬体はこれで充分だが、少し歩様に力が無い。出脚負けはしていないのだが、無理せず中段から。道悪は得意で、馬場も苦にせず競馬出来たが、回り脚が無く、コーナーで一瞬置かれたのと決め手の差が出た。まあ、能力だけをいえば強い馬は幾らでも居るのだろうが、競馬が上手い。この手の馬は距離が延びれば延びるだけ有利。豪州遠征も一つの手。

ジャガーメイル

2人曳き。遮眼革。馬体も良くも悪くも前走京都戦と変わらないが、少し硬さが出ていた。この硬さの影響なのか、出脚がサッパリで何とか中段。道中はともかく、追ってからも案外だった。昨春の東京戦が示す通り、ミヤビランベリよりは下手なのだが、それでもこなせるレベルは有った筈。デキ?

ロジユニヴァース

-18kg。ダメの一言。腹回りもスッキリしたが、トモも薄い。ゲート少し悪かったが、出脚で3番手から。道中は悪くない様に見えたが、4角でズルズル。馬場の乾きが思ったより早かった分も有るが、見た目通りデキが無い。

セイウンワンダー

-4kg。デキは悪くないが、まだ絞れる余地が有る。道中はナカヤマフェスタと前後する位置。この距離でも折り合い付いて悪くなかったが、追い出したら頭が上がってサッパリ。この馬場は得意かと思ったのだが、全くダメだった。意外な敗戦。

第15回マーメイドステークス(GⅢ)

ブライティアパルス

前から馬は良く見せて、以前より落ち着きが出て来た。ハナへ行ける出脚だったが、セラフィックロンプが主張して2番手。前と離れている間は良いのだが、1馬身程度になって来ると前を追い掛け気味。それでも並んでからはネジ伏せる様に押し切った。前走東京で牡馬相手に好走し、差の無い馬だった。ただ、理想をいえばハナだろう。1800〜2000mなら好位でも良いが、2200mなら逃げたい。

セラフィックロンプ

外目をキビキビ歩いて好気配。これも元々良く見せるタイプとはいえ、デキだけならコレ。ゲートも分が良い方だったが、押して押してハナ。ブラボーデイジーがスタート直後に躓いたのも大きかっただろう。1000m通過が59.9秒、出した影響の残る序盤はともかく、道中行き振り良い様に見えなかったのだが、ブライティアパルスに併せて二枚腰。このレースの傾向とハンデが利いた面も大きいのだが、この馬はスタミナが有る。近走競馬に飽きていたとの話だが、距離延ばしてテイエムプリキュアを目指すのも一つの手。

テイエムオーロラ

2人曳き。パシュファイヤー。馬体は悪くないが、下見はイレ気味。出脚は速かったが、頭が高く引っ掛かりそうな雰囲気も有って好位で控える形。道中は若干怪しいながらも折り合っていたが、追い出すと頭が高い。まあ、前走中京戦でもその形で渋太く粘っており、意外性は有るのだが、距離はこれで限界だろう。直線の長いコースも当然向かない。

ニシノブルームーン

少し腹回り緩んでいる様にも映ったが...。行く気無く中段やや後方。1角手前で中段位置に6〜7頭横に並んでおり、コースロス嫌って最初から内に入れての競馬。直線もそれなりに伸びているが、好位勢が前を捕まえに行っておらず、4着確保がやっと。このレースのハンデ背負った差し馬は何時もこんなモノ。秋に改めて。

ヒカルアマランサス

+10kg。馬体はこれでも良いが、少し歩様が硬い。道中は中段。ハミを噛んでの追走。4角手前で既に手が動いていた事を思えば頑張っているが、やはり距離が長い。