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競馬回顧 2013年1回京都

第53回京成杯(GⅢ)

フェイムゲーム

前肢にバンテージ。馬体はまだ子供だが、手先にバネが有った。出脚が速い方ではなく、中段やや後方から。前に馬は置けたが、向正面入ってペースが落ちた際に少し掛かったか。この馬より後方に居たケイアイチョウサンのマクりに乗って進出、脚は曲がっていないものの、掻き込む走法は正にハーツクライだが、大外から突き抜けた。今日は誰が万全の状態で、誰がそうでなかったかが判断し辛いが、とりあえず坂を上る脚が速い。これだけは評価出来る。

アクションスター

ダート馬の様な馬体。歩様もそんな雰囲気だが。ゲートを真っ直ぐに出ず、出遅れ1馬身不利。急かさずそのまま後方から。一瞬ノメる場面も有り、どうかと思ったが、フェイムゲームの後を追う形でグイグイ伸びてここ迄。追い込む形でも結果が出たのは何より。やはり前走阪神戦の連中は化け物級が揃っていた。

ケイアイチョウサン

前後肢バンテージ。毛ヅヤ冴えるが、馬体は力が付き切っていない印象も。2角迄は後方に近い位置に居たが、向正面で行きたがり、それを押さえ切れずに、マクって行く形。かなり強引な形にはなったが、それでも坂下で前と捕らえ、3着には残した。未勝利からいきなり重賞でこれなら上等。オープンでも足りる。

クロスボウ

オーストラリアンブリンカー。雄大な馬体は目立つ。もう少しトモに筋肉が付けば満点。出遅れ1馬身不利。これも後方からだが、最後方で構えていた為に折り合いは付いていた。コーナーでの脚が若干甘く、4角で付いて行けなくなったが、直線向いてからは際どいところ迄追い上げていた。1戦のみの馬にしては上出来。500万は楽勝レベル。

マイネルマエストロ

トモのボリューム感はこのメンバーでは一番。毛ヅヤも良かった。大外だが、押して果敢に先行。少しフラムドグロワールに競られたが、それでも1000m通過61.0秒なら文句は言えないだろう。3角過ぎからペースを上げて、4角は単騎で回って来れたが、結果的にはもう少し大事に乗っても良かったか。差し決着の競馬にしてしまった。馬場も馬場で、力負けではない。

フラムドグロワール

+8s。少し太い。少し歩様が硬いのは気になった。好発。少しマイネルマエストロを煽って2番手に控える形。折り合いも付いてスムーズだったが、4角でアラアラの手応え。馬券圏外と見るや否やあとは横山典弘騎手の何時ものパターンで追っていなかった。従って着差程の負けではないのだが、ダラしなかったのも確か。下見を思うと延期の影響は少なからず有りそう。

第54回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

ダノンバラード

前肢にバンテージ。皮膚を薄く見せ、踏み込みが力強い。今迄で一番良かった。押して好位から。ただ、頭が高くて少し力んでおり、少し番手を下げて折り合いを付け、向正面で外へ持ち出し、マクる形に。ここ迄は良かったが、坂下で内からステッキを入れているにも関わらずモタれて例の粗相。この馬お馴染みの癖が出てしまった。それでもマクりで結果が出たのは収穫。中山は初出走だったが、合っていそう。

トランスワープ

後肢にバンテージ。天皇賞以来だが、少し太いのとチャカついていた以外は良い時のこの馬。出脚は一番速かった位だが、行けるだけ行って好位のイン。3角過ぎから競馬が動いたが、内でジッとして直線もスペースが有ったが、抜け出さんかのところでダノンバラードに寄られる不利。エンジン掛かるところだっただけに痛恨だった。判定は不利がなくても負けていたとのことだが、最後詰めているだけに納得行かない面も有るだろう。昨夏の新潟戦で褒めた様に、何れにしてもこの馬は強い。

アドマイヤラクティ

緩んだところはないが、もう少し造りにメリハリが有っても。ゲートは出ているが、あまり行く気なく後方から。3角で相手をダノンバラードを決めて動いて行ったのは正解だったが、4角回り切るところで少し突き放されてその差が最後迄詰まらなかった。これで3戦連続3着。堅実だが、ワンパンチがない。

サトノアポロ

-4s。シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。少しトモの甘い歩様。数字の割には重量感がない。この枠だけにもう少し良い位置が欲しかった筈だが、ダノンバラードが押しているのを見て後方から。これも向正面で外へ持ち出し追い上げる形。アドマイヤラクティと似た様な脚色だったが、最後迄その差が詰まらなかった。初重賞挑戦にしては悪くない。ジワジワ脚を使う馬で東京向き。次走改めて。

マカニビスティー

-6s。シープスキンノーズバンド。遮眼革。特別良く見せるという訳ではないが、トモの張りは悪くない。最近出脚が鈍っており、後方から。インでそのまま脚を矯めて、直線もインから。ただ、流石にこの距離ではズブい印象も。最後の最後に差して来た感も有った。

ルルーシュ

馬体の張りはかなり良い方だったが、強いていえば左後肢の送りが少し硬い。出遅れ2馬身不利。押して1角では馬群に取り付いていたが、結果的に押し過ぎたかも。道中はかなり行きたがっており、直線も案外。今日は力を出し切っていない。

第30回東海テレビ杯東海ステークス(GⅡ)

グレープブランデー

2人曳き。遮眼革。前後肢バンテージ。+6s。馬体は迫力満点。気合乗りも良かった。あまり出脚は速くなかったが、縦長の展開で馬群がバラけ、1〜2角でコースロスなく動けた為、中段位置を確保。ここで前に馬を置き、折り合いを付けた。遮眼革着用の馬だが、道中に関しては砂は被っても問題はなかった。直線だけ外へ持ち出し、抜け出してからは突き放す一方。楽勝だった。時計は遅いが、完全復調。

ナムラタイタン

2人曳き。少し太く映った。トボトボ歩いており、気配も地味。勿論出脚は速い方だが、アイファーソングが何が何でもの構えで行って2番手。1000m通過60.4秒と結構流れたが、少なくとも折り合い面では良かったか。坂下でアイファーソングを交わして先頭。結果的に抜け出すのが早過ぎた感も有ったが、2着は確保。1400mで走っていた頃から揉まれ弱さは見せており、揉まれなかったのが良かっただろう。近走ズブくなっていて、今1400m走ると出脚負けするのだが、そういう意味では今はこの距離の方が良い。

ホッコータルマエ

前肢にバンテージ。+8kg。馬体のボリューム感は有ったが、少しコズミも。スタート直後にステッキが入っていたが、先行激化となり、結局引いて先行集団を眺めながらの競馬。ただ、4角で既に反応が悪く、ほぼ圏外かに思えたが、最後は馬の底力で残した3着。賞金が欲しい馬で、前走中山戦は恐らく必勝態勢だった筈だが、乗り方もマズかったにせよ、疲れも有っただろう。今日も賞金加算出来ず、最悪のパターンにハマりつつ有る。

ソリタリーキング

前後肢バンテージ。チャカついていたのはむしろ良い傾向だが、少し太い。この馬の出脚で中段のイン。砂は被っても全く苦にしない馬で、ひたすら内を通って距離損なく運べたが、追ってからがジリジリ。勿論これでも近走思えば良く走っている。一応、叩き3走目で、次走への展望が開ける内容では有った。

グランドシチー

前肢にバンテージ。歩様が硬いのは何時も通り。筋肉の付き方は悪くない。意外に出脚は悪くなかったが、この馬の何時ものパターンで後方から。道中はインに居て、3〜4角中間から外へ持ち出し追い上げたが、直線向いて手前が替わらず、内にモタれていた。真っ直ぐ走れていれば3着は有った筈。左回りはダメ?

ミラクルレジェンド

+6s。今日は期待外れ。歩様が硬くなっていた。最初から内へ潜って中段やや後方。岩田騎手らしく、コースロスなく乗られた。これはこれで良かったが、直線向いて一瞬は反応したものの、直ぐに止まってしまった。上位2頭が何れも500sを優に超える大型馬。パワー負けした感も。

第48回京都牝馬ステークス(GⅢ)

ハナズゴール

少しフックラ見せるが、この時期ならこれ位で丁度。相変わらずしっかり踏めている。例に依って後方から。1F延長だったが、折り合いもスムーズだった。スローだったが、この馬場でインに拘った競馬。直線は狭いところを捌いてアッサリ突き抜けた。単勝1倍台は売れ過ぎの気もしたが、完勝。馬体さえ維持出来れば大仕事も。

エーシンメンフィス

前後肢バンテージ。この相手なら馬振り断然。歩様も力強い。あまり出脚の速い方ではなく、押してもあまり進んで行かず、差す形に。それでもリズム良く走れていたし、この馬場で大外から伸びて来るだけでも大したモノ。通ったコースの差を考えれば勝ちに等しい内容。馬格が有るということは、脚元さえ問題なければデキを安定させ易いということ。その意味でも先々明るい。

ベストクルーズ

芦毛で毛ヅヤは分かり難いが、メリハリは有って、歩様もしっかり。出脚は速かったが、折り合いに専念して中段。スローでずっと外を回されてしまい、直線も一番悪いところに居たが、良く伸びている。グリーンベルトを通れたら2着は有ったかも。惜しい競馬。ただ、まだ準オープンに使える立場。有る意味3着は最良の結果。

クィーンズバーン

少し線が細いのだが、キビキビ歩けていた点に好感。出脚が苦しく、押してハナ。ペースは遅かったものの、終始フラワーロックに絡まれ、キツい展開になってしまった。エーシンメンフィスとは同タイムで惜しいといえば惜しいが、マイルは短い。逆にいえば2200mなら楽に行ける筈。距離経験は皆無だが、"行った行った"をそろそろ忘れ出した頃で、今秋使ってくれればちょっと面白い。

サクラクローバー

前肢にバンテージ。ドッシリとした馬体。歩様も伸びていた。この馬の出脚でジワッと中段やや後方から。ずっと馬群の中に居て、4角でも動かず、そのまま馬群へ突っ込む形。ギリギリグリーンベルトを通れたが、追い比べで僅かに見劣った。オープンでも何とかなりそうだが、もうワンパンチ欲しい。

第60回日経新春杯(GⅡ)

カポーティスター

-6s。歩様に力強さが有った。スカッと見せながら、筋肉も浮いている。スタート直後からかなり押して好位直後。ただ、このブレーキの利きが良かった。52kgも有るのか、追っての反応も俊敏。アッという間に抜け出して快勝。先週からの続きで、イン絶対の馬場状態が最大の勝因だが、仕掛けてムスカテールの前を取ったのも大きかった。枠を最大限に生かし切った。

ムスカテール

後肢にバンテージ。+12s。歩様が硬いのは毎度。毛ヅヤは悪くなかったが、馬体も変わらず。タイミングドンピシャで好発も、出脚の速い方ではなく、自然と中段に。この馬場でインベタは当然だが、戦前にも触れた様にこの形では一瞬の決め手がないと辛いところ。エンジン掛かる迄間が有った分、ムスカテールに先に抜け出され、届かなかった。とはいえ、この辺りは個性の問題。ハンデ差有りながら、連には持って来れたことは評価出来る。勿論、この馬場で内枠を引ける運も重要。

トウカイパラダイス

前後肢バンテージ。少しチャカつく位の気配。トモに張りが有って、今日は良かった。出脚は速かったが、序盤は少し掛かり気味。向正面迄行って折り合いが付いた。ただ、直線向いて外へ持ち出したのが失敗。正攻法では有るが、内から差されただけに...。叩いて3走目で、馬は確実に良くなっていたが。

カルドブレッサ

2人曳き。前後肢バンテージ。踏み込みが力強い。馬体にも迫力が有る。出脚がなく、一旦下げてインへ潜り込む形。ただ、坂の下りで引っ掛かり、前に馬も居て、手綱を思い切り引っ張る場面。これが勿体ない。結果、馬場の悪い外へ持ち出さざるを得なくなった。逆にいえば、今日は良く追い込んでいる4着。この相手でも勝ち切れる力は見せた。

エキストラエンド

前後肢バンテージ。+8s。キビキビ歩いて、手先のスナップが利いていた。馬体にもメリハリが有る。この馬の出脚でジワッと中段。出来るだけコースロスなく乗られていたが、追って鋭い馬ではなく、どうしてもジリジリになってしまう。先行するか、この馬場では無謀としてもマクりに行くか、勝ち切るならどちらかだろう。ただ、こういう馬なので距離は延びた方がいいタイプ。東京3400m戦に出て来るなら注目の存在に。

カフナ

2人曳き。少し気負っていたが、デキは最高潮。馬体に迫力が有った。ゲート少し悪く、中段やや後方から。前に壁がなく、多少行きたがりながらも、徐々に前へ。直線向いて伸びて来た際には一瞬やったかの場面だったが、ラスト100mで急にバッタリ止まった。馬場だけに所為ではなさそう。力は大差ない筈だが、ひょっとこの距離は微妙に長いかも。

メイショウウズシオ

2人曳き。トモに丸みが有って、良く見せた。気配も良い。ホッコーガンバに出脚でアッサリやられ、後方から。向正面で外へ外へ持ち出し、強引に動いて行ったが、4角迄だった。今日は競馬にならず。

第29回フェアリーステークス(GⅢ)

クラウンロゼ

前肢にバンテージ。気配は文句なし。造りにメリハリも有って、毛ヅヤも光った。ゲートはタブロームの方が速かったが、出脚で叩いてハナ。1000m通過59.7秒は遅い。しかし、4角でサンブルエミューズに並び掛けられ、一端は完全に出られているのだが、坂を上って差し返した。このレースからGⅠに繋がるとは考え辛いが、良い根性が有る。

ウキヨノカゼ

少し皮膚の厚ぼったい馬体。イマイチ。一旦はサンブルエミューズに出られたが、立て直して好位。折り合いも付いて、上手く流れに乗った。4角で少し手応えが悪く、置かれ掛かったが、直線向いてエンジン掛かってからが良く伸びた。完全なる東京血統だが、その通り、広いコースの方が良いだろう。

サンブルエミューズ

前後肢バンテージ。-6Kg。踏み込みはしっかりしていたが、少し細く映った。出脚利かせてジワッと2番手。今日のスローを思えば、この枠からなら最高の競馬。折り合いもついて、4角先頭に並び掛けた際には楽勝の雰囲気だったが、追ってからソラを遣う様で、抜け出した瞬間にフワフワ。最後はウキヨノカゼにも差されて3着に。今の馬場で中々難しいが、勝ち切るには追い込みに徹した方が良さそう。それにしても、本賞金加算出来なかったのは痛恨だった。

イリュミナンス

前後肢バンテージ。毛ヅヤは一息だったが、バランスの取れた造り。ゆったり歩けていた。出脚は悪くなく、中段から。ただ、戦前から危惧されていたが、コーナーでの脚がサッパリに近い。直線向いても中々エンジンが掛からず、坂を上る辺りでやっと。東京なら突き抜けていた。とはいえ、前述ウキヨノカゼもそうだが、似た様な馬は他にも多い。惜しい負け方なら仕方がないが、この相手なら勝たないと先が見えて来ない。

スイートサルサ

2人曳き。やや注意力散漫。迫力はないが、スカッとした造り。出遅れ1馬身不利。外でも折り合いは付く馬で、中段やや後方から。4角からマクり加減に進出、直線も良く伸びているが、内へモタれていたのが勿体なかった。今日の展開ならどう乗ってもベストが4着だが、勝ち負け別にして脚は持っている。競馬がマトモに出来る様なら化ける可能性は有る。

スズノネイロ

2人曳き。後肢にバンテージ。+8Kg。この時期の牝馬にしてはトモにボリューム感が有る。出遅れ2馬身不利。腹括って後方からの競馬となったが、今日のスローでは手も足も出ず。参考外。

第47回日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ)

エーシントップ

今日は少しイレ込み気味。相変わらず腹回りはボテッと映るが、トモの筋肉は目立った。誰かが無理矢理来れば別だっただろうが、誰も来ず、スッとハナへ。道中はほぼマイペース、4角で少し矯めた影響で3頭程並走になったが、直線向いて突き放し、最後ヘミングウェイの急襲も凌ぎ切ってV。この相手なら勝って当然だが、枠,馬場状態,展開が全て合致した面も否めない。最後詰められたのも距離面で怪しさが有る。昨年はジェンティルドンナが制した出世レースだが、今日は判定不能。

ヘミングウェイ

前肢にバンテージ。無駄肉がなく、スカッとした造り。ただ、仕草は子供。もう少し集中力が欲しいところ。少し押していた様に、出脚は微妙だったが、行けないと見るや否や直ぐ内へ潜っての競馬。この馬場で上手く乗られたが、最後にエーシントップの内外で一瞬迷ったのが痛かったか。着差が着差だけに尚更惜しい。未勝利勝ち上がるのに5戦要しながらも4走は何れも2着。相手なりに走っている。

タマモベストプレイ

2人曳き。気配は上々。ただ、10年前から述べているが、この血統はトモが甘い。この馬の出脚で好位。スムーズには乗られたが、ここがこの血統の辛いところで、一瞬の脚がなく、直線はジリジリになってしまった。古馬になって改善した例も過去になく、オープン特別級で終わるのが毎回のパターン。調教技量を求められる。

カオスモス

2人曳き。四肢にバンテージ。少しテンション高いが、馬体のボリューム感は有った。ジワッと好位。前に壁がない状態で少し行きたがっていた分なのか、直線の一伸びを欠いた。勿論、枠順の影響も大きいだろう。前走阪神戦は逆に内枠で脚を矯める形。現状は折り合いが課題となる。

レッドアリオン

-10kg。皮膚を薄く見せて、馬体の張りは目立った。出負けして後方に近い位置から。4角では少し外へ回されて、グリーンベルトの外ギリギリだったが、内へ進路を切り替えてここ迄。この馬場でこれだけ走れば上等。あとは出脚とゲートの問題だろう。ここでも通用するレベルは有る。

アルバタックス

2人曳き。シープスキンノーズバンド。四肢にバンテージ。馬振りは最上位。キビキビ歩けている点にも好感。出脚で付いて行けず、中段やや後方。今日は道中の走りが悪過ぎた。頭が高く、追走に汲々としていた。前走はそんな素振りはなかっただけに案外の内容。気性的にムラが有るのか?

第51回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ)

ダノンシャーク

2人曳き。四肢にバンテージ。かなりチャカついていたが、数字の割には馬体に迫力が有った。ゲートが少し怪しかったが、押して中段。スローも有り、道中は少し行きたがっていたが、今日は4角の手応えが抜群。直線向いて前が開くや否や、1頭だけ違う脚で抜け出した。馬場も有るが、今日は完勝。流石にこの相手では役者が違った。

トライアンフマーチ

集中力がないのは毎度。四肢にバンテージ。トモの甘いのも昔を思えばかなりマシにはなっているが、少し気になるところ。珍しく好発。そのまま行かせて好位のイン。ただ、道中はかなり行きたがっていた。特に坂の下りはほぼ乗り役の重心が真後ろ。乗り役にとっては厳しいレースになったが、その効果は大きく、この馬にしては最後迄諦めずに伸びていた。距離短縮も良かった筈。

ヤマニンウイスカー

戦前は状態面に良い話がなかったが、踏み込みはしっかり。前走東京戦のデキはキープ。戦前の想定通りハナ。ただ、前走東京戦もそうだったが、ゲート自体が速くなく、今日もその分だけ余分に押して行く形になった。道中のペースはまだ楽だったが、直線で手前が替わらず、最後が甘くなってしまった。戦前の報道が正しいなら、前走の疲れが抜け切っていない状態という面も有ったのだろうが、ゲートも1/3馬身速くなるだけで道中の余裕が違う筈。やや勿体なさも感じるところ。

サウンドオブハート

2人曳き。ちょこまか歩くのは何時も通り。牝馬らしい造りだが、まずまず。この馬場で仕掛けて前へ。もっと矯めた方が良い馬だと思うのだが、この馬場ではギャンブル出来ず、好位から。折り合いはスムーズだったが、この形では後方から矯めた時の脚は使えない。ただ、これはあくまで現時点での話。問題なく競馬は出来ているのだから、これを続けて行った方が先々には繋がる筈。

ブリッツェン

-6kg、少し小走りの入る場面も有ったが、馬体は悪くない。ヤマニンウイスカーが何が何でもの構えで先行。ハナは譲って2番手から。悪くない立ち回りだが、この形では雪崩込むだけになってしまう。ベストはハナ。

トーセンレーヴ

2人曳き。筋肉が浮いて、毛ヅヤもピカピカ。この馬らしさは有った。スタート直後に鐙が外れて天神乗りになったが、直ぐに入って大きな問題にはならず。ただ、それよりも今日は内が有利過ぎる馬場状態、やはり外を回されてしまい、この枠では競馬にならない。それでももう少し伸びて欲しかったところだが、一応言い訳は有る。次走は人気次第で狙う手も。

第62回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ)

タッチミーノット

目下絶好調。馬体、気配共文句なし。ドリームセーリングやシンゲンの出脚に乗る形で好位のイン。ここで上手く脚を矯められた面もあるが、3角から外へ持ち出し、アドマイヤタイシを目標に一気に突き抜けた。坂を上る脚が速く、目下力を付けている。広いコースの方が合っている印象で、中山自体が良いとは思わないが、こういう力の要る馬場が向くのも間違いないところ。

アドマイヤタイシ

-10s。緩んだところのない馬体はまずまずだったが、少し硬さは有った。出脚は一番速かった位で、スンナリ好位。中山の正攻法だったが、手前を替えるのが遅れ、その分なのかやや伸びが甘くなった。これで3走連続の重賞2着。器用さが出て手堅い走りが続いているが、何れもハンデ戦。これからは背負わされるだけに、もうンパンチが欲しい。

ジャスタウェイ

前肢にバンテージ。中間一頓挫有ったが、デキに問題はなさそう。この馬場であまり後ろから行きたくなかっただろうが、アドマイヤタイシに叩かれる形となり、更に外から次々と来られ、中段やや後方から。今日の馬場なら距離損覚悟でも、まだ外回した方が良かっただろうが、外へ持ち出す場面がなく、直線向いてからの追い出しに。最後の脚は目立ったが、完全に脚を余してしまった。今更ながら中山の馬ではない。

ドリームセーリング

+10s。前肢にバンテージ。しっかり踏めていたが、数字分だけ少しフックラ。出脚も速かったが、迷わず押してハナ。1000m通過60.6秒ならむしろスローだが、3角過ぎから後続も追い掛けて来て、そこからが速くなった。逆にいえば意外にキツい流れを惜しいところで踏ん張っている。今なら東京でも馬券圏内有るかも。

ダイワマッジョーレ

-6kg。小さいなりに良く出来ていた。一歩一歩が力強い。ジャスタウェイとは違い、アドマイヤタイシ以外には抵抗して中段やや前。接触も有り、序盤少し掛かったのは痛かったか。前走中京戦からここでも勝てる馬だが、直線手前が替わらなかったのも痛かったか。ベストは左回り。