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競馬回顧 2014年1回京都

第55回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

ヴェルデグリーン

2人曳き。前走以上。張りと毛ヅヤが良くなっていた。出ッパでは負けていないが、先行争いを避けて中段やや後方から。道中の折り合いは元々問題ない馬で、あと仕掛けるタイミングだけ。3角過ぎから徐々に外を押し上げて、4角で好位。直線入口で並走に持ち込んだ段階で勝負有り。昨秋より外を回されている分、着差は僅かだったが、ネジ伏せる様な勝ち方。中山の回り脚勝負では力が一枚違った。ただ、前走GⅠで完敗。マツリダゴッホ級でもなさそう。

サクラアルディート

前肢にバンテージ。テンション高いが、馬はスカッと見せていた。出脚は速くなさそうだが、押して何とか好位。最初から馬場の悪い内へ入れる気はなかった様で、終始内から5〜6頭分開けたところを通り、坂下で一旦は先頭。最後はヴェルデグリーンの底力に屈したものの、坂を上がる脚では3着もない様な雰囲気にも関わらず、手応え以上に渋太く伸びて2着。追える外国人ジョッキーというのも大きいだろうが、勝負強いところを見せた。元々は広いコースでも問題ないタイプ。次走京都戦だそうだが、圏内に。

フェイムゲーム

2人曳き。前後肢にバンテージ。-6kg。数字は絞れたと見て良い。キビキビ歩けていて好気配。出脚もなかったが、行く気もなく一旦は後方から。ただ、そこから徐々に番手を上げ、向正面で中段、4角でサクラアルディート、レッドレイヴンの直後。本当は外へ持ち出したかったところだろうが、外は行き場がなく、内を突いて伸びて来たが、内の馬場が悪いのと、仕掛けがワンテンポ遅れたか。あとは関西馬相手でどうかだが、一度叩いて復調成った。

レッドレイヴン

+20kg。数字通り、腹回りがボテッと映る。出脚はあまり速くなさそうだったが、6枠2頭が先行して、その内の馬が控える形となり中段。ヴェルデグリーンのマクりに抵抗する形で仕掛けて行ったが、あと一歩で甘くなってしまった。サクラアルディートが思いの外渋太かったという部分も有るのだが、4角の雰囲気では2着は有りそうだっただけに物足りなさが残る。基本は東京向きという気もするが、今日のところは馬体増が大きい。

フラガラッハ

前後肢にバンテージ。基本的には良く見せる馬。毛ヅヤも良かった。以前程、出負けしなくなったが、後方からジックリと。今日は折り合いが付いた。ヴェルデグリーン等のマクりに乗る形で外を進出。結構良い雰囲気で上がって行けたが、折り合ったところでこの距離は少し長い様。最後は脚色が一緒になってしまった。人気背負って自力勝負となれば用なしになる可能性も高いのだが、現段階では中京で改めて期待したい。

第31回東海テレビ杯東海ステークス(GⅡ)

ニホンピロアワーズ

シープスキンノーズバンド。+9kg。単純にここでは馬が抜けている。好発。出脚は速い馬で、外からジワッと好位。昔からそうだが、砂を被らない方が行き振りが良いタイプ。4角の手応えも抜群で、そのまま外に居ても追い出しを待てる余裕が有った。直線も手応え通りに伸びて完勝。左回りは一昨年川崎戦以来の2回目だったが、関係なかった。次走は東京戦だが、内枠だと苦しいので、枠順次第。

グランドシチー

片側だけ遮眼革。少し歩様が硬いのは気になった。馬体は悪くないが、冬場は良くない。この馬にしてはゲートも出た方だが、出脚の差で後方に近い位置。道中少しずつ馬群を捌き、4角で中段。バラけたところで外へ持ち出してここ迄。ニホンピロアワーズとは力量差を認めざるを得ないが、スムーズに運べればこそれ以外とは力が上。ただ、直線向いて手前を何度も替えていた。元々真っ直ぐ走らせるのに一苦労有る馬だが、左回りよりは右回り。

マイネルバイカ

馬はここへ入ると迫力不足だが、毛ヅヤがこの時期にしては冴えている。デキは良い。出遅れ1馬身不利。ただ、この枠で、押して押して半ば無理矢理中段へ潜り込む形。ただ、同つちゅうは手応えが怪しく、4角でも置かれ掛かっていた位だったが、直線はジワジワ伸びて接戦の3着争いを制した。今日は相手が強かったが、交流戦なら楽に通用するレベル。賞金面で出走すら叶わないケースも多い交流戦だが、何処かで一度使って賞金加算したいところ。

ダブルスター

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。筋肉質の馬体で、しっかり踏めていた。出脚は速かったが、無理せずニホンピロアワーズをマークする競馬。ニホンピロアワーズが追い出しを待っている間は良かったが、坂を上がる脚でマーク千切れの状態。ただ、坂を上り切ってからは渋太く盛り返している。マイネルバイカ同様、経験を積めば重賞にも手が届く馬。

サトノプリンシパル

2人曳き。まだ馬が数字程大きく見せない。重量感に欠ける。逃げ馬にしては出脚が怪しいが、押してハナ。ただ、ナムラタイタンがピッタリ付けており、1000m通過60.4b秒はハイペース。ニホンピロアワーズは比較的可愛がってくれた方だが、何とか3着かと思われたところで2頭に来られ5着に。要は力不足だが、出脚がもう少し来れば楽になりそう。

グレープブランデー

遮眼革。+14kg。前後肢にバンテージ。数字程ではないが、腹回りがボテッと映る。出脚は速いが、先行争いを嫌って好位直後。道中はまだ悪くないが、いざ追い出してからがサッパリ。完全復活には程遠い。強いて言えば逃げた方がチャンスは有りそうだが...。

第49回京都牝馬ステークス(GⅢ)

ウリウリ

2人曳き。少しテンションは高いのだが、馬体はシャープ。ゲートは出ているが、レース前に伏線が有って、浜中騎手は9R,10R共にインを突いており、最初からの決め打ちで後方のイン。斤量利も有るが、追ってからの脚が抜群に速く、一瞬は前が壁になりそうになりながらも、脚でコジ開けて来た。上手く乗られたが、瞬発力も見せた。一線級ではない気もするが、ドナウブルーには引導は渡せたか。

ドナウブルー

前後肢にバンテージ。引退レースだが、ちゃんと仕上げて来た印象。この馬にしてはゲートが少し悪かったが、出脚でジワッと好位。折り合いも問題なかったが、直線向いた段階で、隣にウリウリが居て手応えが違っていた。こちらの方がスムーズだっただけに、完敗。ただ、勿論斤量面を考慮すれば実力そのものは互角。これで引退だが、最近の中では最高のパフォーマンスが出来た。

ノーブルジュエリー

+10kg。休み明けの割には出来ているが、満点はやれない。外のコスモネモシンに出脚で分が悪く、少し押してしまい、掛かり気味。坂の下りでも少し噛んでしまい、ロスはかなり多かった様に見えた。この馬場で外を回されたのも痛かった。逆にいえば実力面では上位とも遜色ないという見方も出来る。重賞に手が届く日も近い。

ミッドサマーフェア

最後方を周回。毛ヅヤは良かったが、もう少ししっかり踏めると理想的。出遅れ1馬身不利。後方でも良いのだが、コーナーでウリウリに最内入られ、この馬は外へ持ち出す形に。追い出してからは不利なく走れているが、今日の馬場状態でこの分は結構痛かった。タラレバをいえば、最内に入れていればウリウリの進路がなくなった上に、ノーブルジュエリーにも先着出来た筈で、つまりは2着が有った。勿体ない競馬に。ただ、今日の相手でこれだけやれれば完全復調。以前は脚元に難が有り、加減して走っていた様にも見えたが、思い切り走れる様になったのが大きい。

エアジェルブロワ

歩様キビキビ。重量感はないが、馬体が締まっていて、デキは絶好。少し掛かり気味にはなっていたが、無理に押さえる訳でもなく、ジワッと先行。結果的にコースロスが少なくなったのは良かったが、掛かった分、追ってからが甘い。1800mでも連対している様に折り合えば何とかなる筈だが、ベストは1400m。

ゴールデンナンバー

今日も良く見せた。歩様も力強い。ゲートをソロッと出して最後方待機。この馬はこれしかないのだが、今日の馬場状態で4角大外はキツい。これでも相当の脚を使っており、馬場がマトモなら勝っていた。少なくとも評価を落とすことは避けたい。

第61回日経新春杯(GⅡ)

サトノノブレス

2人曳き。+20kg。太くは見せない。幅が出た様に見える。最内枠、最初から自分のペースをひたすら守っていたが、ステラウインドを含め、誰も行かずハナへ。道中も絡まれる場面は多かったが、我関せずでマイペース。先週とは違い、京都もイン一辺倒ではなくなったのだが、直線向いて突き放した段階で勝負有り。最後詰められた辺りに課題は残るのだが、エピファネイアが天皇賞回避とのことで、恐らくはこの馬辺りが本命候補になるのだろう。ただ、メジロ牧場の最後世代の産駒ということで、人気になるのは必至。嫌ってこそ妙味とみたが。

アドマイヤフライト

前肢にバンテージ。もう少し馬体が締まっても良さそう。及第点レベル。内に先行した馬が多く、様子を見ながら中段前目。スムーズには立ち回っているが、馬群が固まった為にちょっと外を回され過ぎてしまった。サトノノブレスとはその分の差。比べ馬では勝っており、今日は完全な取り溢し。天皇賞が賞金面で苦しくなることはないだろうが、何処かでタイトルが欲しいのも確か。もっとも、次走、阪神か中山なら確勝級。

フーラブライド

歩様が怪しいのは何時ものこと。これでも芝で走る。この枠、この馬の出脚でジワッと先行。見た目は硬い馬だが、出脚も悪くない。周囲が牡馬で止むを得ぬ面も有るのだが、最近のこの馬にしては道中気負い気味。その分も多少有って、直線は伸びをイマイチ欠いた。それでも健闘といえば健闘なのだが、ハンデ差有っての3着は現状牝馬限定戦の馬が弱い証拠。ジェンティルドンナクラスは別だが、牝馬戦の層が薄い印象も有る。

コウエイオトメ

気配は上々。馬はここへ入ると薄く映るのだが、位置取りよりもコース重視で最初から内へ入れて後方のイン。4角で馬群が密集する形になり、直線向いた段階では前と4馬身差程。勿論、内も決して良い馬場ではないだけに、流石にそこからが苦しいのだが、それでも掲示板は確保。この相手なら上出来だろう。馬主孝行の競馬。

カワキタフウジン

変わらず絶好調。キビキビ歩けている点にも好感。今日は内枠でジワッと先行。距離延長だが、折り合いも付いていた。展開的にも悪くない位置に見えたが、追ってからが案外。この距離にも実績有る馬だが、2200m以上に関しては矯めた方が結果は出ている。

第54回京成杯(GⅢ)

プレイアンドリアル

2人曳き。-10kg。数字そのまま、今日は仕上げて来た印象。前走の轍を踏まない様、ゲートをソロッと出して折り合いに専念。ただ、出脚自体は速い方で、それでも中段から。向正面で外からキングズオブザサンに先を越される場面も有ったが、それにも連られることはなかった。一旦立て直して、改めて直線勝負。力強く伸びて快勝。ここでは力が違った。今日は大収穫の一戦。まず折り合い、そして重賞を勝ったことでこのあとクラシックの権利を取る必要がなくなったこと。地方所属馬だけに、後者が特に大きい。

キングズオブザサン

前肢にバンテージ。毛ヅヤ上々。キビキビ歩けていて気配も良かった。好発。出脚も有りそうだったが、この枠で無理せずプレイアンドリアルをマークする形。ただ、1000m通過が60.6秒。馬群が固まって、外回されそうな気配も有り、向正面でプレイアンドリアルの前に出て、早目に追い出す形。チチカステナンゴ産駒はスタミナは有るものの、瞬発力に欠ける面が有り、今日はこれで正解。プレイアンドリアルの決め手には屈したが、何とか2着は確保。プレイアンドリアル同様、賞金加算が何より。

アデイインザライフ

数字通りの重量感。緩んだところもない。出遅れ1馬身不利。道中は最後方で脚を矯めるだけ矯めて、直線迄待ってからの追い出し。プレイアンドリアルとキングズオブザサンが前を掃除してくれる展開にもなったが、1戦1勝の馬が今日のスローでここ迄来れれば上出来。最近のこのレースの中では、今年はメンバーが揃っており、先々明るいレースになった。自己条件は楽勝級だが、今日の内容なら重賞へ今後も向かうことになりそう。それでも通用する力が有る。

ピオネロ

前後肢にバンテージ。馬が緩い。ゲートも少し悪かったが、この枠で折り合いに専念。1角手前では少し頭を上げる素振りも有ったが、道中はむしろズブい位。プレイアンドリアルを目標に動いて行ったが、勝負どころからは押し通し。少し差が有った4着でも、手応えの割には渋太かった印象も有る。恐らくはコーナーの脚がないタイプ。次走は東京で外国人ジョッキーだそうだが、悪くない選択。

マイネグレヴィル

少し気難しい面が有りそうだが、馬体はまずまず。もう少ししっかり踏めると文句ないが。アグネスドリームの先行策に乗る形で2番手。ペースとしては悪くなかったが、もう少しリラックスして走れるとベスト。少し噛んでいる様に見えた。内の馬場も悪いのだが、ペース的には力が有れば粘り込めるところ。まずはもう少し落ち着いて走れる様に。

ヴォルシェーブ

2人曳き。後肢にバンテージ。馬体そのものはここでも上位だが、トモが甘い。行く気なく後方から。ただ、スローを嫌って向正面から動いて行く形。前走阪神戦はズブさを見せており、この策に出たのは決して間違いではない。ただ結果が出なかっただけ。現状はパワー不足。先々走って来る雰囲気は有るのだが。

ラングレー

-10kg。しっかり踏めており、見た目も馬体減は気にならない。ただ、トビが大きいだけに、外を回っていればまだ違ったのだが、インを突いて窮屈な競馬。こうなるとこの馬の持ち味が生きない。直線は落鉄も有ったとのこと。

第30回フェアリーステークス(GⅢ)

オメガハートロック

戦前は陣営が弱気だったが、その通り、重心が高く、デキ自体は良い様に見えない。出遅れ1馬身不利。道中は後方に近い位置。折り合いは怪しかったが、4角手前でニシノアカツキが進出して来るのに内から抵抗する形で進出。コーナーもロクに回れていないのだが、それでも渋太く脚を伸ばして叩き合いを制した。実質500万の相手でも、着差以上の強い内容。少なくとも姉オメガハートランドよりは強い。

ニシノアカツキ

前肢にバンテージ。背丈が低く、この数字でもボリューム感が有る。これもゲート悪かったが、後方からジックリと。中山マイルの外枠だけに、極端な策を採らざるを得ず、出遅れた段階でこれしかないのだが、勝負どころで動いた際に、オメガハートロックが抵抗しつつヨレて、外へ1馬身程振られたのが痛かった。着差が着差だけに、比べ馬としては勝っている。2歳時に実績を積み上げた馬と闘ってどうかだが、この中では間違いなく上の馬。

リラヴァディ

前後肢にバンテージ。-8kg。身体の造りは悪くないが、歩様に力がない。好発。乗り役の話で逃げたくなかった様だが、内のマリーズケイが控えてしまい、押し出される形でハナへ。途中アンジュデュバンに並ばれる場面は有ったものの、1000m通過60.4秒なら逃げ切らないといけないペース。未勝利からいきなりでこれだけ走れれば上等と言えば上等だが、やはり2着が欲しかったところ。2着が外国人ジョッキーだっただけに、どうしてもそういう視点で見られてしまうのだが...。

エクセレントビュー

前後肢にバンテージ。腹回りは少し余裕も有るが、それだけドッシリと見せる。重心が低い点には好感。出遅れ1馬身不利。ただ、周囲の馬が皆先行しており、出遅れの影響は比較的軽微。中段位には付けられた。ただ、4角で内が開かず、直線迄待ってから外へ持ち出す形。スローだけに、競馬としては終わっていた。その中での僅差4着は評価出来る。500万は楽勝レベル。

イントロダクション

前肢にバンテージ。数字のない割にはバランスの取れた馬。歩様もしっかりしている。出たなりで好位直後。6枠の2頭が先を越して行った為、連られる場面も有ったが、上位は他馬もそれに近いか、それ以上の不利を受けているところで、追って甘かった。折り合ってスムーズなら500万は何とかなりそうだが、エクセレントビューと違い、人気なら嫌ってみる手も有りそう。

シーロア

-8kg。馬体減もそうだが、少し歩様が硬く映った。マリーズケイに出脚で叩かれて中段。ただ、そこから引っ掛かってしまい、好位へ。コースロスなく回って近い位置には居たのだが、ジリジリになってしまった。あれなら最初から好位確保の方が良かったか。

グリサージュ

2人曳き。前肢にバンテージ。芦毛の牝馬にしては毛ヅヤ悪くないが、寸詰まりの体型。デキに減点材料はないのだが。前走程ではないのだが、ゲートで半分位後手。それでも位置取りとしては悪くなかったものの、揉まれる位置に押し込められ伸びを欠いた。ただ、今日はそれを差し引いても負け過ぎ。現状はスムーズに走れないと苦しいところ。

第48回日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ)

ミッキーアイル

スカッとした造り。キビキビ歩けていた。戦前はゲートを不安視されていたが、何と好発。一瞬で1馬身抜けていた。勿論、出脚も速く、サッとラチ沿いへ寄せてハナへ。今の馬場状態でこうなると後続は手も足も出ない。特に今は、各馬本賞金が欲しいところで、スローは分かっていても、途中で中々動けない。ただ、それなら今日はオイデオイデの大楽勝でないといけないレースだった。最後、ウインフルブルームに詰められたのは課題が残ったといえるだろう。現状はカレンブラックヒルを半ランク落とした位の評価が妥当。

ウインフルブルーム

チャカついていて歩様が分かり辛いのだが、相変わらずトモが甘い。戦前はハナも想定していた筈だが、ミッキーアイルが先手を奪ってしまい、2番手から。4角も前を追わず、自分のペースで直線勝負。交わせる雰囲気でもなかったが、ジワジワ差を詰めて最後は半馬身差。今日の展開なら悪い内容ではない。何より賞金を加算出来たのが大きい。あとはトモが甘いので坂の有るコースでどうか。

タガノグランパ

-6kg。もう少し腹回りが絞れて、トモに肉が付くと理想的。余り行く気なく、出たなりで中段のインで折り合いに専念。他馬が動いた際もワンテンポ遅らせ、直線迄待って追い出した分の3着。今日はどう乗ってもこれ以上はない展開。ただ、あくまで3着。500万なら楽勝級だが、賞金が加算出来なかったのは痛いところ。

ワイレアアワヒネ

毛ヅヤは一息だが、牝馬でもそれ程馬は負けていない。道中はタガノグランパと前後する位置。折り合いは付いていたが、3角手前から少し前へ押し上げ、意図的に早目に動く競馬。早目に動いた分、タガノグランパには差されたが、牡馬相手にこの内容なら悪くない。今年は牝馬が強力なだけに、これで即重賞級とは言えないのが辛いところでは有るが、500万は楽勝級。

モーリス

2人曳き。前後肢にバンテージ。この時期にしては毛ヅヤが良い。馬体そのものはこの中なら上位だが、もっと良くなりそうな雰囲気も有る。今日はゲート五分。スタート直後から少し掛かり気味だったことも有るが、そのまま積極策。4角も待ち切れない感じで動いて行ったが、これでは終いが保たない。まだ競馬が下手過ぎる。

第52回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ)

エキストラエンド

前後肢にバンテージ。+10kg。もっと距離が延びた方がいい様な馬体なのだが、しっかり踏めていた。出遅れ1馬身不利。出遅れた段階でこれしかないのだが、後方のインで脚を矯める策。仕掛けてからの反応も抜群で、アッサリ突き抜けた。マイルが合っていたというよりは、この相手では単純に力が違った印象。昨秋もトーセンラーにアッサリ持って行かれた様に、現状のマイルは低レベル。この馬自身については以前3000m有ってもいいと述べたが、その評価には変わりない。

オースミナイン

一歩一歩が力強い。馬体に張りが有った。ゲートは出ているが、行く気なく後方から。坂の下りで少し掛かり気味。直線向く迄はエキストラエンドとほぼ並走していたが、直線で狙えるところが2箇所有り、外の方はトーセンレーヴ、内はエキストラエンドに取られ、ここで一回後手を踏む形。その間にエキストラエンドが1馬身前に行ってしまい、ここ迄。ただ、それを差し引いても今日は2着。オープンで走って来た馬との底力の差は有りそうだが。

ガルボ

前後肢にバンテージ。最近の中では一番。何より気配が良かった。好発。もっと行ける出脚が有る馬だが、深追いせず好位グループ。何時もよりは脚を矯めるイメージで、4角迄はコールロスなく運べたが、直線で内が突けず外へ持ち出す格好に。58kgとこの分で一押しが利かなかった。近走は堅実だが、1400mの方が確率がいいのも確かだろう。

ブレイズアトレイル

2人曳き。落ち着いている。馬体、歩様共まずまず。外からジワッと好位。この馬にしては珍しく、掛からず行けたのが何より。一瞬は先頭、やったかの場面だったが、そこからが甘かった。ただ、外枠の分が最低半馬身分は有りそう。枠順が内なら3着は有った競馬。

シャイニープリンス

馬体の張り等、絶好調ではない気もするが、まずまず。毛ヅヤも悪くない。出たなりで先行。立ち回りとしては悪くない筈だが、追ってからがだらしない。先行なら入着して賞金は銜えて来れる馬だが、勝ち切るとなると工夫が要る。一回追い込みに徹するか、デビュー当時の様にダートへ使ってみるのも一つの手だが。

トーセンレーヴ

2人曳き。一目で失望する程の張りのなさ。中段も、少し掛かり気味。追ってから中々エンジン掛からず、この着だが、最後に一応エンジンが掛かった様にも見えた。今日は下見が案外過ぎたが、叩いて変わる方に期待したいところ。

マイネルラクリマ

2人曳き。+10kg。太い印象はないが、テンション高いのはマイナス。ゲートも少し悪かったが、内外から来られて行き場がなくなってしまい、結局は後方から。3角過ぎから改めて外へ持ち出して行ったが、この形では競馬にならない。今日は参考外。乗り役の話ではマイルは少し忙しいとのことだが...。

メイケイペガスター

+10kg。馬体に成長はないが、キビキビ歩けていた。ゲートをソロッと出して後方から。ただ、マトモに掛かってしまい、外へ出したものの、それでも折り合いが付かず、4角では先団に。当然ながらこの形では直線も全く伸びず。気性的な問題がやはり付いて回る。敢えて狙うなら休み明けになりそう。

第63回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ)

オーシャンブルー

遮眼革。最近のこの馬。歩様が怪しいのも一緒。ダッシュ付かず後方から。昨秋から中山は内の馬場が妙に柔らかい為、ノメる馬が多く、この馬も例外ではなかったが、最初から内ラチ沿いへ付けて、インベタの競馬。ただ、直線入口の段階では前と差が有るにも関わらず、後続は外で固まっており、全てが上手く行った感が有る。左回りだとモタれ方が酷く、右回りでラチを頼れたのも良かっただろう。次走は無条件で用無し。

カルドブレッサ

2人曳き。前後肢にバンテージ。トモの筋肉が浮いて文句なしの状態。ゲートは速い方だったが、出脚が甘く後方に近い位置。1角進入時にはオーシャンブルーの真横に居た。ただ、この1馬身外に居たことで、4角は外以外に行き場がなく、結局大外へ。内外の差を考えればこの馬が一番強い競馬をしている。以前は折り合いに難も有った馬だが、レース振りが大人になった。遂に本格化かも。

ディサイファ

前肢にバンテージ。馬体にメリハリをがない。外から何頭か行かれる展開になり、中段から。縦長の展開で前が離れてしまった為、4角手前から自力で動く形となったのが少し痛かったか。坂を上る脚が少し甘くなってしまった。カルドブレッサとの能力比較では間違いなく劣るが、ハンデ差無視すればオーシャンブルーとは互角の評価が出来る。一応は重賞でも足りると見て良い。

マックスドリーム

数字の割には迫力がないのだが、背丈が高く、シャープに見せる。トビが大きくてダッシュが鈍いタイプ。道中は最後方からジックリと。向正面で外へ持ち出し、3角過ぎから真っ先に動いて行ったが、最後迄止まってはいないものの、ここ迄。基本的には広いコース向き。外回した段階で勝ちはないのだが、インを突ける馬でもない。

ケイアイチョウサン

2人曳き。前後肢にバンテージ。+12kg。ここに来て馬が良くなって来ている。ゲートをソロッと出し一旦後方へ下げて、徐々に内ラチ沿いを進出。この策自体はハマッているが、前にオーシャンブルーも同様の策を採っており、ワンテンポ遅れた形。枠が良ければ2着以上は有った。