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競馬回顧 2015年4回京都

第152回天皇賞・秋(GⅠ)

ラブリーデイ

2人曳き。馬体に張り。大幅ではないが、順当に良化。スタート直後にエイシンヒカリに寄られたが、出脚で抵抗しつつ3番手。スローと出した分で珍しく序盤は引っ掛かっていたが、向正面半ばで折り合いは付いた。坂を上がって先頭に立つとあとは独走。早目に抜け切り過ぎて最後は詰められたが、完勝だった。この形になれば強い。次走はスローになるかどうかだろう。尤も、今年はワールドクラスが不在で、ゼンノロブロイ的運の良さも感じないではないのだが。

ステファノス

2人曳き。前肢にバンテージ。踏み込み力強い。皮膚を薄く見せて、デキも問題ない。少し出し気味に中段。ラブリーデイすら例外でなかった様に、スローで引っ掛かる馬が多かったが、この馬は折り合いピタリ。3角過ぎにヴァンセンヌが暴走したが、そこで脚を矯めて直線は大外。このスローでここ迄追い込んで来れば能力と見て良い。2000mがギリギリだろうが、折り合いが付くのが何より。

イスラボニータ

首を伸ばす仕草は何時ものこと。馬体が締まって来た。明らかに前走以上。恐らく戦前からの決め打ちだっただろうが、行く気なく後方から。3〜4角中間で少し動いて、直線は外から。ジワジワ伸びているが、更に外のステファノスにやられており、評価し辛い内容。本来の先行策が採れず、外枠がアダとなったのは間違いないのだが...。

ショウナンパンドラ

前後肢にバンテージ。430kg台の牝馬だが、牡馬相手でも迫力負けしない。完全に本格化。踏み込みも力強い。行く気は有った様だが、出脚が怪しい馬で後方から。今日はどう乗っても2着がやっとだが、直線入口で捌き損ねたのが痛かった。少しでも上手く行けば3着は有ったか。2400mは問題なく、次走本命に推す手も。

アンビシャス

2人曳き。馬体が締まって来た。叩いて上昇。歩様が怪しいのは何時ものこと。出たなりで中段のイン。道中も力んでいたが、3角で思い切り引っ掛かってしまい、堪え切れずにコーナーは外へ。東京はコーナーで動かないのが鉄則だが、それで居て、2着とは差のないところ。雑だが、力は持っている。

エイシンヒカリ

2人曳き。パシュファイヤー。前肢にバンテージ。馬体はこれで良いが、ちょっと気負っていた。出脚の問題というよりは、下見の気配で無理が出来なかったか。クラレントに行かれて2番手に控える形。乗り役の話ではあれで折り合っていたとのことだが、序盤はかなり力んでいた様に見えた。直線もクラレントが交わせず。ハナでないと持ち味が出ない。

第4回アルテミスステークス(GⅢ)

デンコウアンジュ

-18kg。前肢にバンテージ。多少気負っていたが、決して細くはない。毛ヅヤも悪くない。出遅れ1馬身不利。コーナーで一気にペースが落ちる展開になったが、向正面ではソコソコ流れた影響なのか、道中の行き振りは一息に見えた。コーナーで少し番手を上げ、直線は途中で手前が替わってフラつきながらも差し切った。上がり3F33.3秒でも有り、評価出来る内容。地味な馬が好走して3歳春迄頑張るというのが過去のこのレースのパターンだが、この馬も例外ではなさそう。

メジャーエンブレム

前肢にバンテージ。伸びやかな歩様。馬体も雄大。ゲートも出たが、出脚が速く、スッと好位。ただ、掛かりそうになってハナで行って折り合う形。ペースが示す通り、コーナーで一息付いて、直線もしっかり脚を使っているが、内外離れてしまって一踏ん張りが利かず。比べ馬では勝っているが、今日は外枠がアダ。

クロコスミア

出来れば増えて欲しかったが、キビキビ歩けていた。歩様のバネは流石。出脚は速かったが、折り合いに専念して中段。コーナーで少し行きたがったが、許容範囲。向いてからしっかり伸びているが、最後の最後に対デンコウアンジュで突き放された様にも見えた。終いは確実だが、東京だと少し直線が長過ぎる様。

ペプチドサブル

後肢にバンテージ。バランスの取れた馬体。淡々と歩いていた。半馬身程出遅れ。4角迄は内で我慢させて、直線も内を狙ったが前が開かず。デンコウアンジュの後ではあまりに後手過ぎた。前が開いてからスッと反応出来ない辺りがキャリアの浅さだろうが、エンジン掛かってからは良く伸びている。鍛錬次第では重賞でも足りる。

ウインファビラス

+8kg。落ち着いていた。マイラー体型。芦毛だが、毛ヅヤも悪くない。本来は先行したかったとの話だが、ちょっとゲートが悪く、中段のイン。暫く前が開かなかった影響も有るが、これもバラけての反応が俊敏でないだけで、ジワジワ伸びている。スタミナも持っているのだろうが、折り合いが付いたのも収穫。

第58回毎日放送賞スワンステークス(GⅡ)

アルビアーノ

馬振り目立つ。歩様も幾らかマシに。ちょっとゲートが悪かったことも有り、デビュー以来初めて控える形。馬を前に置く形はむしろ裏目に出ることも有るが、関係なくリズム良く走っていた。直線も前が開いたら一気の伸び。別定52kgも良かったのだろうが、単純に強かった。歩様を考えると出脚は使わないに越したことはなく、次走も本命級。

フィエロ

雄大な馬体。歩様もしっかりしており、デキ自体は良い。出脚がない馬で、後方待機。今日は例年と違い、差しが届く馬場だったが、それよりもオメガヴェンデッタにフタをされ、捌くのに手間取ったのが痛かった。毎回不器用と述べているが、坂の下りでモタついているから展開を悪くしている。馬群がバラけてからは伸びているが、前のアルビアーノもしっかり伸びており、似た様な脚色に見えた。

オメガヴェンデッタ

前肢にバンテージ。+6kg。下見は最後方を周回。ちょっと太い気もするが、馬体には張り。体調自体は良い。普段は先行策だが、今日は外から来られて後方から。坂の下りでジワッと仕掛け、上手くフィエロを内に押し込んだが、フィエロには伸び負け。アルビアーノ同様、不慣れな形で結果を出したのだから評価出来るが、先行した方が安定感は有りそう。

バクシンテイオー

-16kg。意外に細くない。筋肉が浮いてむしろ良く見せた。ゲートは速かったが、あまり行く気なく中段やや後方から。直線で何処を狙うかで少し迷ったが、インを突いてここ迄。例年と違い、今年は内が有利ではない馬場状態だったが、この馬自身も良い脚が一瞬しかない様にも見える。上位とは力差有りそう。

ダイワマッジョーレ

+6kg。キビキビ歩けていた。馬体も締まっており、最近の中でも一番の状態。ジワッと中段。折り合い面で問題が有る馬ではなく、道中は問題なく運べていたが、後方の馬に差されているのは頂けない。年齢を経て、時計勝負が辛くなっているか、能力自体が落ちているか。

第75回菊花賞(GⅠ)

キタサンブラック

前肢にバンテージ。前走中山戦は少し太目だったが、馬体が締まって来た。順当に良化。ゲートと出脚は速かったが、行く気なく好位のインで我慢させる形。後述するが、前は出入りの激しい展開。比較的胴長、折り合いも付くタイプだが、距離に自信がない為の策だった筈で、"弱者の戦法"が正解だった。直線でサトノラーゼンと1頭しかないところを狙って、そこに勝った事実は有る。一瞬の脚を持っているのも大きい。尤も、今後も内枠限定になりそう。マークされてどうかという部分は残る。

リアルスティール

2人曳き。叩いて前走阪神戦以上。春の貧弱さを考えたら別馬に近い。ただ、テンションが少し高い。今日はゲートを五分、むしろ速い方。多少行きたがるのは仕方がないところだが、2周目向正面で接触が有ったとのことで、それを除けば意外にスムーズ。前に追い付いたところで我慢も利いた。従って前のガチャガチャもやり過ごせており、直線もスペースが出来たが、前に1頭キタサンブラックが居た。それしか言い様がない。今日は福永騎手5勝。このレースもほぼ瑕疵なく乗ってもこの有様。乗り役にツキがない。

リアファル

2人曳き。馬体そのものは変わっていない。まだ締める余地の有る造り。落ち着いていたのは何より。出脚は速いが、流石にこの枠では押して行かざるを得ない。しかもスピリッツミノルに叩かれる形。我慢して走っていたが、前走阪神戦の様には行かなかった。しかも、途中からミュゼエイリアンやタガノエスプレッソがマクりに来る展開。2周目4角で少し矯めは造れたものの、一番キツい展開になってしまった。考え得る最悪に近い展開になっただけで、一番強い競馬はしているのでは?

タンタアレグリア

シープスキンノーズバンド。+6kg。胴長のステイヤータイプ。淡々と歩いていた点も距離を考えると好感。出たなりで中段。ただ、今日は途中で動いたのが失敗だったかも。2周目4角で外を回さざるを得ない形になり、流石にこの展開でネジ伏せるだけの力はなかった。ただ、外から一瞬は反応して見せ場も造っている。このメンバーでもそう差はない。距離も合っているのだろうが、春から確実に成長している。ステイヤーズステークスやダイヤモンドステークスの本命。ハンデが軽い内にタイトルが取れるかどうかが焦点。

サトノラーゼン

2人曳き。緩んだところがなく、馬体そのものはしっかりしている。ちょっと寸が詰まっているが。基本的にはキタサンブラックの直後から。キタサンブラックがスムーズに立ち回っていたことを考えると、この馬はところどころで行きたがっていた。直線向いて一瞬の脚がなく、そこをキタサンブラックに入られて万事休す。2400mでギリギリだった馬で、明らかに距離が長い。

ベルーフ

遮眼革。少し腹回りがボテッと映る。見栄えはするが、この距離だと少し立派過ぎる。ゲートで少し安目を売って後方。引っ掛かりそうになって、インに入れていた。2周目4角での手応えは有った様に見えたが、直線で捌いている内に脚がなくなってしまった。展開は向いたが、肝心なところで不器用。

第18回富士ステークス(GⅢ)

ダノンプラチナ

+6kg。シープスキンノーズバンド。落ち着いていたのは何より。ほぼ出来ていた。理想を言えばもっと増えた方が良いのだろうが、春よりはマシ。出遅れ1馬身不利。腹括って後方。カレンブラックヒルの逃げはスローに近く、内で詰まる馬が続出したが、外へ持ち出して一気突き抜けた。春は苦労も有った馬だが、マトモな状態で適距離のマイルで本領発揮。ゲートは課題だが、ハイペースも悪くなさそうで、マイルならペースを問わない筈。この内容なら先々明るい。

サトノアラジン

+4kg。馬に迫力が有る。気配は地味だが、馬体はこのメンバーではNo.1。ゲートも微妙に悪かったが、折り合い重視で後方から。多少怪しいながらも何とか我慢していた。直線向いても追い出しを待っていた程。伸びているが、ダノンプラチナがそれ以上の脚を使っていた。堅実だが、戦前述べた様にスローの方が向いている印象も有る。勝利を意識するなら、1800〜2000m位の方が良さそう。

ロゴタイプ

前肢にバンテージ。強調材料もないが、悪い部分もない。高値安定。好発。カレンブラックヒルよりスピードの乗りが良かった位だが、2番手で折り合う形。早目に抜け出す形は造れたが、結果的にスロー過ぎて決め手負け。ただ斤量も58kgと言い訳は有る。能力そのものは互角と見て良いのでは?

シェルビー

軽い造りだが、毛ヅヤが良く、歩様も力強い。出脚は悪くなかったが、引いて中段やや後方から。これでこの馬の形だが、直線向いた段階でサトノアラジンの内を狙ったものの、タイトに回られ、外へ立て直す場面が有ったのが痛かった。尤も、この馬自身も内へモタれ気味。その分、立て直してスピードに乗る迄に時間が掛かっている。勝ち負け持ち込むにはもう少し。

フルーキー

前後肢にバンテージ。毎度のことながら、硬さが気になった。歩様もそうだが、馬体そのものも硬い。ロゴタイプに付いて行って好位。ただ、硬いので出脚が一息だったか、押して行った分、序盤は少し掛かっていた。追っても一息。歩様の改善がないのは痛い。

ヤマカツエース

毛ヅヤピカピカ。デキは文句なし。歩様の硬さも何時もよりマシ。有る程度出して行って中段。内目で揉まれながらも手応えは有ったが、追って前が壁。消化不良の一戦。

第20回秋華賞(GⅠ)

ミッキークイーン

踏み込みしっかり。バネは感じるが、また馬体減。大外枠だったが、積極的に乗られて中段。ハイペースで縦長の展開となり、内に潜れてしまった結果、4角で包まれる場面。これが一旦矯める形となったのも確かだが、単純にエンジンが違っていた。どんな展開だろうと、兎に角大外枠克服したのだから文句なし。このペースで余計に力量差が浮き彫りになった。今後へ向けては相変わらずの馬体細化傾向が課題となるが、文句なしの王者。

クイーンズリング

+8kg。馬体回復したのは何より。張りも有った。スタート直後に行きたがったことも有り、後方から。何とか我慢できたか。4角で前が壁になり、ちょっと強引だったが、何とか外へ。直線は良く伸びているが、ミッキークイーンはこの馬が来たら来ただけ伸びた様にも見えた。それなりの能力差は有りそう。ただ、この馬の方がマイル適性は高い。古馬牝馬路線の距離体系を考えると逆転出来る場面は少なからず有りそう。

マキシマムドパリ

歩様が良くなっている。皮膚を薄く見せて、毛ヅヤも冴えていた。少し出しつつ好位のイン。4角から外へ持ち出して、勝ちに行く位の競馬をしているが、良く粘っての3着。ハイペースで前に居た組での最先着という点でも評価出来る。上位2頭に限らず、今年は馬体細化に悩まされる馬が多く、この馬も例外ではなかったが、オークスから+18kg。この点でも今後が楽しみとなる内容。

アンドリエッテ

前後肢にバンテージ。相変わらず細く映る。少し物見をしていたのもマイナス。出脚が一息で後方から。3角から外をジワッと進出。コーナーの感じは悪くなかったが、4角出口で一瞬モタついたのが痛かった。その隙に他馬に入られてしまい、1馬身程のロス。そこからはジワジワ伸びているが...。小回りは不向きな様。

アースライズ

馬体は寸詰まりながら纏まっているが、発汗目立つ。この枠で行く気なく後方から。4角でアンドリエッテを一旦行かせる等、大事に乗られていたが、その分外を回された感も否めない。これで良く差している方だろう。準オープンにも使える馬だが、重賞でも足りる。

レッツゴードンキ

落ち着いていた。馬体にも重量感が有り、下見は満点。ジャンプする様に出てしまい、痛恨の出遅れ。ノットフォーマルもかなりのペースで飛ばしたが、この馬も掛かってしまい、向正面で2番手。こうなると競馬にならない。4角ですでにアラアラ。ただ、最後は追うのを止めており、着差程の負けではない。条件満たせばまたチャンスは来るだろう。

第63回府中牝馬ステークス(GⅡ)

ノボリディアーナ

馬体は纏まっているが、少しトモの甘い歩様。良くなっていた印象はない。本来は先行したいところだが、この枠では行き切れず、急かさず中段から。この形でもリズム良く走れていた。スパッと切れるタイプではないが、長い直線を最後迄伸び切った。外枠も良かっただろう。後述するケイアイエレガントの自滅等、色々向いたにしても、千載一遇のチャンスを逃さなかったのは見事。

スマートレイアー

前後肢にバンテージ。しっかり踏めていた。気配も上々。例に依ってゲートが少し怪しいが、枠の利も有り、中段のイン。直線向いて一瞬外を狙う素振りも有ったが、外が遠く、切り替えて内へ。乗り役は「スムーズなら勝っていた」とコメントした様だが、何度も述べている通り、良い脚が一瞬しかない馬で、手はこれしかなかっただろう。余程のことがない限り、東京で勝ち切る迄の脚はない。

カフェブリリアント

数字のない馬だが、見栄えする。歩様もしっかり。スタート直後に引っ掛かりそうになり、抑えて後方から。追い出しを待って、最後に大外。良く伸びているが、最後の最後に甘くなった様にも見えた。最低でも2着の展開だったが、寸前でスマートレイアーに差し返されて3着に。大外だけに同情の余地は有るが、基本的には1600m迄かも。

フレイムコード

-8kg。腹回りしっかりしており、極端に細い印象はない。小さく纏まった状態。好発も、ケイアイエレガントが主張して2番手。ケイアイエレガントが追い掛けず、自分のペースに徹して正解。最後は決め手の差だが、ジワジワ伸びて掲示板は確保。現状のこの馬の能力とすれば最高の結果では?

リメインサイレント

緩んだところがなく、一歩一歩が力強い。出ッパが少し悪かったが、少し出して中段。出した分、行きたがったが、基本的にはスムーズに運べていた。直線向いてもいいところに出て来られたが、最後は決め手の差か。それでも、2着馬とも同タイム。初重賞挑戦でこれだけやれれば上等。

ケイアイエレガント

前肢にバンテージ。毛ヅヤが一息。数字上は出来ているが、今日は感心しない。ゲートでは外の馬に出られていたが、押してハナへ。自分のペースで行けば渋太いが、出脚が意外に甘いタイプで、今日はこれが裏目。オーバーペースになってしまった。坂を上がる辺り迄は粘っていたが、そこで止まった。最内枠がアダに。

第50回農林水産省賞典京都大賞典(GⅡ)

ラブリーデイ

2人曳き。意外に出来ていた。気配も良かった。出脚は速い馬だが、中段、といっても少頭数で5番手程だが、ジックリと。内で折り合いを付けて、決め手勝負。スローで流れて上がり勝負になったが、58kgを背負っての32.3秒も出色ながら、1馬身1/4差が楽勝に近い。このメンバーでは力が違った。2,3着、特に3着馬は器用さ一本のタイプで、今日は馬場も展開もそういう馬向きだった筈だが、それらを制した点も評価出来る。勿論、この馬も器用さ身上のクチなのだが、パワーが有るのがニュータイプ。

サウンズオブアース

2人曳き。シープスキンノーズバンド。+8kg。数字が増えて見た目にはボリューム感が増したが、歩様の非力さは変わらず。意外に積極的に乗られて好位から。ラブリーデイの外で1馬身程先行する形。追って一瞬の反応は抜群だったが、内からラブリーデイに来られると抵抗し切れず2着確保がやっとだった。ただ、これだけスローだとずっと外を回されていた分は有りそう。道中もラブリーデイよりは気負っていた様にも見えた。非力さが露呈しない馬場状態は味方したが、言い訳も有る。

カレンミロティック

前後肢にバンテージ。毛ヅヤが良くてまずまず。迫力がないのは何時ものこと。出脚が速く、スッと2番手。これも道中は少し前向き過ぎる位だが、逃げるニューダイナスティを捕まえて先頭に立った迄は良かったが、最後はキレ負け。立ち回りとしては最高だった筈で、これで負けたら仕方がない。春の3200mが適距離という訳ではないが、もう少し距離が長い方が器用さが生きて来そう。

ラキシス

前後肢にバンテージ。-16kg。毛ヅヤは悪くないが、ちょっと細い。最初から行く気なく、後方から。1角過ぎ辺りから行きたがっていた。ただ、今日はあくまで位置取りの問題。内から狭い場面が有りながらも前と同じ脚で伸びている。馬体減に疑問も感じるが、次走へ向けて好発進。

フーラブライド

右だけオーストラリアンブリンカー。相変わらず牝馬にしては雄大な造り。皮膚の薄さも感じさせて、今季はデキが良い。時折出脚が甘くなる馬だが、今日はスッと行き脚が付いて先行。流れには乗れた。追って案外だったが、元々切れるタイプではないだけに仕方がないところ。

第66回毎日王冠(GⅡ)

エイシンヒカリ

2人曳き。パシュファイヤー。前肢にバンテージ。しっかりした造り。春より良さそう。好発。ジワッとハナへ。飛ばそうと思えばもっと飛ばせる様に思うのだが、1000m通過が59.9秒だからスロー。引き付けながらも、後ろが来たら来ただけ伸びた。もっと飛ばした方が安心感が有り、見た目には危なっかしいが、それでいて差されないのだから強い。外へブッ飛ぶ癖もレースでは見せなくなった。2000mへの延長が良いことはないのだろうが、その分マークが甘くなるのも確か。逃げ馬は他馬のマークで結果が変わる。

ディサイファ

前肢にバンテージ。皮膚を薄く見せて、歩様も力強い。好調持続。出たなりで中段のイン。エイシンヒカリの逃げがスローで行きたがる馬が多かったが、内で折り合いピタリ。直線は少し待った位の追い出しだったが、一旦はイスラボニータが2番手だったところを捕らえており、最後迄脚が使えていた。GⅠとなるともう一枚壁が有る気もしないでもないが、昨年4着だから、その分の進境は有る。

イスラボニータ

良く言えば出来ていたということになるが、少し萎んで見えた。この馬にしては少しゲートが悪かったが、そこで少し促したところ、道中はかなり力んでしまった。それでも追い出されてスッと反応。2番手上がった迄は良かったが、少し内にモタれて最後は失速。そこをディサイファに捕まってしまった。休み明けとしては悪くない内容だが、毎回述べている様に昨秋辺りからマイラー色が強くなっている。2000mで勝ち切る場面は想像し辛い。

ダノンシャーク

2人曳き。前後肢にバンテージ。-8kg。馬は相変わらず良く見せる。ただ、ちょっと気負い気味。好発。行こうと思えばハナ迄行ける馬だが、それは良いことなく中段で折り合いに専念する形。コーナーで怪しいながらも、流れには乗れていた様に見えた。追っても一瞬は脚を使っている。止まったのは1800mが長い分だろう。次走はもっと矯めて乗られる筈。それが結果に結び付くかどうかはフタを開けてみないと何とも言えないところだが、この馬の力は落ちていない。

トーセンスターダム

-10kg。スカッと見せてまずまず。少し緩い程度。ゲートで安目を売って後方。これも少し力む場面が有った。直線はジリジリながら、最後迄止まっていなかった。ただ、1800mは3戦3勝だった。東京も悪くない筈で、本当の適条件でこの程度か、という印象は残る。

アンビシャス

しっかり踏めていたが、古馬相手だと少し迫力に欠く。出遅れ1馬身不利。最後方から進めたが、上がり33.0秒で6着だから展開に殺された以外にない。ゲートも含めて、家賃が高かったか。

日本・サウジアラビア外交関係樹立60周年記念 第1回サウジアラビアロイヤルカップ(重賞)

ブレイブスマッシュ

前後肢にバンテージ。毎回そうだが、チャカついていた。馬自体は完成度高い。好発。行きたい馬が何頭か行って、前はバラけたが、中段で折り合いに専念。4角も最内を回って、直線迄待ってから追い出す形。決め手勝負になり、位置取りが比較的前だったのと、道中で楽をしていた利が生きた格好。ソラを遣ったとのことだが、最後は詰められており、能力が図抜けて勝った印象はない。今後はセンスで何処迄といったところ。

イモータル

胴が長く、数字の割にバランスの取れた造り。毛ヅヤは良かった。ゲートは出ているが、じっくり乗られて後方から。折り合いは付いていた。直線向いて、前のリセエンヌがフラフラ、内外で迷ったのが結果的に痛かった。尤も、この馬自身も内にササり気味。それでハナ差だから実質的な勝ち馬。課題も残したが、これ迄の2歳重賞ではロードクエストとこの馬が抜けている。

アストラエンブレム

2人曳き。-10kg。馬体減は許容範囲だが、発汗目立つ。ゲート内の駐立が悪かったとのことで、出負けして後方から。それでも、イモータルが前に居て、競馬としては悪くない形。こちらは迷いなく外へ出して、一旦はイモータルより前に出ている様にも見えたが、差し返されて3着。能力云々だけでなく、道中少し力んでいる様にも見えただけに、細かいロスは有りそう。血統通り、これも小回り向き。

リセエンヌ

前肢にバンテージ。落ち着いていたのは何より。トモにボリューム感が有って、数字以上に大きく見せる。それ迄より少し気負っての追走に見えたが、好位のイン。直線向いて伸びているが、道中のロスが有った分、切れなかった様に見えた。ただ、前述している様にイモータルやアストラエンブレムもミスが有り、現状は牡馬相手だと厳しかったということだが、デニムアンドルビーの様に差し一手に徹した方が良さそうな印象も有る。

ハレルヤボーイ

前肢にバンテージ。スカッとした造りだが、このメンバーに入ると迫力不足。出脚は速そうだったが、引っ掛かりそうな気配が有り、控えて中段。控えても行きたがっていた。これもその割には良く走っているのだが、牝馬に負けただけに高い評価は出来ないだろう。