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競馬回顧 2019年5回京都

第64回京阪杯(GⅢ)

ライトオンキュー

-6kg。寸の詰まった短距離体型。トモにボリューム感が有って、どちらかといえばパワータイプ。気合も乗っていた。ゲートは微妙に悪かったが、出脚でカバーして中段から。今日はファンタジストの故障で中段以下は競馬にならなかった馬が多かったが、この馬は近い位置に居ながらも上手くやり過ごせたことが大きかった。むしろ後続が被せに来れなくなったことで外へ持ち出す進路も出来、あとはモズスーパーフレアさえ捕まえればという競馬になった。手前が右手前のままで、見た目は楽勝だったのだが、時計が掛かる馬場だったことも有り、何ともいえない部分も多い。次走が試金石。

アイラブテーラー

これも胴が短いタイプ。430sの割には非力な印象はないが、迫力不足の感も。気配面も、もう少し落ち着いて欲しい。出遅れ1馬身不利。ただ、一つ間違うと引っ掛かる馬で、そのまま後方から。3角迄はスムーズだったが、4角手前で故障したファンタジストを避ける場面。それ迄はライトオンキューとも近い位置に居たが、かなり後方に置かれる形になってしまった。直線も外に持ち出す余裕はなく、内目から馬群を割る形で伸びて来た。デビュー以来、未だオール連対を継続。前走もそうだが、兎に角勝負強い。

カラクレナイ

前後肢にバンテージ。毎度のことながら、500kgの馬体でもスッキリと見せる。手先のバネが利いていて、下見では落ち着きも有った。ジワッと行かせて好位直後。今ならどう乗っても折り合いは付く。4角で外に持ち出し、ライトオンキューと一瞬だけ一緒に伸びて来たが、脚が全く違っていた。競馬は確実に上手くなっているが、気性面に対応している間にパンチ力がなくなってしまった。このままでは最高で2着の馬。

アウィルアウェイ

前後肢にバンテージ。何時ものこととはいえ、スプリント戦にしてももう少し落ち着いて欲しいところ。トモに迫力が有って、馬はこのメンバーでも上位だが。1馬身出遅れ。少し促して中断やや後方から。11番枠の馬としては内目に居たが、故障したファンタジストに接触。これでバランスを崩したのが痛かった。同じく3歳牝馬のアイラブテーラーは更に後方に居ただけに、もうちょっと何とかしたかった感も有るのだが、この辺りのメンバーなら展開一つ。

リナーテ

前後肢にバンテージ。+12kg。馬格の有る馬だが、太い印象は全くなく、馬体の迫力も文句なし。歩様もしっかりしていた。ゲートはイマイチだったが、外枠でリカバーが利いて中段から。ファンタジストの故障は寸前で気配を察して鞍上が避ける準備をしており、倒れた地点では真横で大きな影響はなかった。そこから上手く外へ持ち出して直線向いた段階でライトオンキューに3馬身後方の位置だったが、追ってからがジリジリ。このメンバーなら力量上位の筈だが、脚の使いどころが難しい。

ディープインパクトメモリアル ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 第39回ジャパンカップ(GⅠ)

スワーヴリチャード

オーストラリアンブリンカー。胴長の造りはデビュー当時から見栄えがしていたが、重量感も大分出て来た印象。脚取りもしっかりしていた。ゲートは半馬身程悪かったが、直ぐに内ラチへ。1角は多少ゴチャついたが、カレンブーケドールの直後へネジ込んだ。今日は午後からイン一辺倒で、ここを頑張ったのが最大の勝因。今迄はキレ負けすることも多かったが、パワータイプだけ有って道悪の割には行き振りも良かった。直線向いてからも一瞬の脚で抜けて、舌はずっとハミを越していたが、このリードを守り切った。中々勝ち切れるだけの決め手はない馬だが、今日は馬場と枠が上手く噛み合った。3歳時より良くなっているのは確かだが、それ以上でもない気もしないでもない。外国調教馬の参戦云々を別にしてもやや低調で、今日のところはちょっとメンバーのいいアルゼンチン共和国杯を勝った程度の評価。

カレンブーケドール

シープスキンノーズバンド。牝馬としてはドッシリとした造り。ジャパンカップということでどうしても下見所に人が多いのだが、それでも落ち着いていた。好発。ハナ宣言のダイワキャグニーが行って、その直後から。前述した様に、1角はゴチャつく場面も有ったが、前に居たことでやり過ごすことが出来た。この馬場で流石に一瞬の反応は鈍く、そこをスワーヴリチャードに突かれたものの、最後は差し返そうとしていた。これでGⅠは全て2着。渋太いのは確かだが、何かが足らない。かつてのデニムアンドルビーもそうだったが、牝馬で距離適性の高い馬はタイトルを取るのが案外難しい。

ワグネリアン

2人曳き。後肢にバンテージ。-4kg。スッキリとした造り。眼前のカレンブーケドールとは気配が対照的だったが、下見で気負うのは何時ものこと。ゲートを決めて、道中は好位から。意外と道悪は苦にしていない様で、スムーズに運べたが、結果的に二重の意味でスワーヴリチャードの位置を取るべきだった。まず今日は内ラチ1頭分だけ有利な馬場だったことに加えて、内ラチ2頭分に居た前の馬が4角で下がって来て、直線入口で対スワーヴリチャードで3馬身近いロスが有った。手前は中々変わらなかったが、ラスト100mで右手前になってからは猛追。マトモなら際どい競馬になっていた。これも中々勝ち切れないキャラクターだが、能力は持っている。

マカヒキ

下見は一番外を周回して気配は文句なし。馬体にも迫力が有り、現状のこの馬としてはケチは付けられないデキ。ゲートをソロッと出して、最後方。まず内ラチ沿いへ寄せていた。道中は只管インで死んだ振り。4角を回り切ってから馬場の良い外へ。外枠で少しでも着を上げるならこれしかないという乗り方だった。ただ、昨年以降、走るのは時計が掛かる馬場に限られている。3歳時の様な決め手はなくなっており、有って2着の馬。今日は鞍上の手腕を評価するのみ。

ユーキャンスマイル

前走も結構キッチリ仕上げて来ていたが、その状態は維持している。歩様も特に落ちておらず、前走同様、集中力も有った。ゲートは五分に出たが、内枠の馬が揃って先行、直ぐ外のダイワキャグニーに先を越されたことも有って、後方に下げざるを得ない形。それでも道中は内ラチへ寄せられた利はそれなりに有った筈。道中は全く問題なく、4角から外へ。伸びそうな気配も有ったが、ラスト200m位から脚が鈍った。スタート直後のポジション争いが明暗を分けた印象。

第6回ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス(GⅢ)

マイラプソディ

2人曳き。後肢にバンテージ。+10kg。ちょっと余裕残し。結構チャカつく。もう少しトモの踏み込みもしっかりして来ると理想的。ゲートは出ているが、全く行く気なく後方から。ジックリ乗られて、3角半ばからミヤマザクラを意識しながらの進出。ただ、コーナーの反応が悪く、直線向いても暫く伸びる気配がなかったが、ラスト200mで左手前になってからは本来の伸び。単純に強かった。この内容なら先々有望ということになるが、若い時に勝負どころでズブさを見せる馬は何か弱いところが有って大成しないケースも多い。今後、どうやって鍛錬して行くか、厩舎技量が問われる。

ミヤマザクラ

前肢にバンテージ。+8kg。緩んだところが一切なく、全て実になっている。推進力を感じさせる歩様で、気配も抜群に良かった。ゲートが微妙に悪かったが、出脚でネジ込んで好位。終始手応えが良く、4角も早目にロールオブサンダーを捕まえに行く形。ただ、ラスト200mで先頭に立とうというところでマイラプソディに交わされてしまった。2着は悠々確保したが、能力の違いを見せ付けられた感も有る。イマドキの牝馬は牡馬相手に勝てないとクラシックが遠いのだが、とはいえ今のところの真打がリアアメリアとするなら、気性的な問題がないのは強みといえる。

ロールオブサンダー

2人曳き。前後肢にバンテージ。+20kg。多少、緩い気もしないでもないが、ほぼ成長分。首でリズムを取って気配は良かった。出脚は速そうだが、余り急かしたくないところで、直ぐにペースを落とそうとしたところをヒシタイザンに来られ、少し促してハナ。道中もずっと付いて来られての1000m通過60.4秒は微妙に速かった。4角でもミヤマザクラに来られて、踏ん張り切れなかった。最初から飛ばしていればもっと楽な形が有っただろうが、重賞で中々そうも行かないところ。今日のところは相手も強かった。

トウカイデュエル

毛ヅヤは悪くなさそうで、現状のデキ自体は悪くないが、腹回りが少し緩い。トモの甘さも気になった。ゲートは五分に出ているが、出脚イマイチで後方から。暫く下を気にしていたのか、頭が上がり気味だったが、向正面からはスムーズ。3角から徐々に外へ持ち出し、マイラプソディを追い掛ける形でジャストナウと一緒に上がっていた。今日の展開だと3着はないと値打ちがないところだが、そのジャストナウとは4馬身差。ここは単純に能力差と見ていい。オープンだと厳しいが、自己条件なら。

ジャストナウ

前肢にバンテージ。-6kg。数字分だけスッキリしたが、トモにボリューム感は有り、馬体のメリハリは利いている。多少小走りが入る程度で、気配も許容範囲。出遅れも有るが、最初からの決め打ちで最後方から。道中も良くいえばリラックスして走れていたということになるが、悪くいえばズブい位の行き振り。向正面で行き脚が付き、前述した様にトウカイデュエルと一緒に進出したが、最後は完全に止まった。2000mで未勝利脱出の馬だが、これで止まるなら距離が長い。

ジャパン・オータムインターナショナル 第36回マイルチャンピオンシップ(GⅠ)

インディチャンプ

春と同様に一度叩いてデキ一変。前走東京戦もソコソコ出来ていたが、下見の外を周回して少し煩い位の気配。ゲートは五分程度。両サイドが押していたが、この馬の出脚で無理せずジワッと好位。4角迄はずっと馬群の中で我慢させて、直線は外で早仕掛けしたダノンプレミアムに併せて行く形。一旦はダノンプレミアムの方が前に出ていたのだが、バラけてからの瞬発力が違った。1000m通過58.8秒はこのメンバーとしてはスローで、好位の内目で流れに乗れた利が大きく、今日も上手く行った感が強いのだが、とはいえ決め手勝負で1馬身半抜ければケチは付けられない。次走、香港遠征だそうだが、あとは自力で動く展開になったケースでどうか。春秋共3枠5番だったが、内枠は欲しいところ。

ダノンプレミアム

2人曳き。前後肢にバンテージ。流石に馬の見栄えは断然。今日は馬体も締まっていた。多少テンションが高いのも何時ものこと。好発。今日は必勝態勢で臨んだ筈で、積極的に乗られて好位から。折り合いは付いていたが、ずっと外を回される格好になった。とはいえ、今日の展開で抑えても外になりそうで、これで仕方がないところ。早目に動いて直線入口で先頭。ただ、内で矯めていたインディチャンプの決め手に屈した形。繰り返しになるが、14番枠としてはベストの騎乗。20年前ならこういった押し切るタイプの馬が強かったレースだが、近年は一瞬の脚が有った方が有利。

ペルシアンナイト

遮眼革。+6kg。前走札幌戦辺りから不振脱却のメドは立っていたが、大分馬体にメリハリが出て来た。一歩一歩がしっかりしている。ゲートも微妙に悪かったが、押しても直ぐは進んで行かなかったが、100mでやっと行き脚が付き、徐々に追い上げて3角で中段やや後方から。ずっと馬群の中で運んで、直線入口でインディチャンプの直後に出て来れたのは大きかった。前には追い付かなかったが、ジワジワ伸びてここ迄。直線は右手前で多少内にモタれる場面も有ったが、この馬の脚は使っている。勝ち切るには決め手が足りない感も有るのだが、京都マイルなら堅実。

マイスタイル

遮眼革。何かに驚いて立ち上がりそうになったり、下見の気配は散漫。馬体は悪くないが、歩様にも力強さが欲しい。出脚はグァンチャーレの方が余裕有りそうにも見えたが、押してハナへ。前述した様に、1000m通過58.8秒はスローで、楽に行かせて貰えた方だろうが、それでも序盤に脚を使った分は有っただろう。ラスト200m辺りから甘くなった。前々走函館戦が2000mでハナ、前走が1400mで多少掛かり気味に控える形。函館記念の覇者がGⅠと考えれば充分だが、もう少しマイルの出脚が有れば結果が違った感も有る。

ダノンキングリー

2人曳き。前後肢にバンテージ。水平首で集中して歩けていた。GⅠへ人気を背負って出て来るのだから当然といえば当然だが、450kgの馬としては良く出来ている。前走東京戦程ではなかったが、今日もゲートが微妙に悪かった。出脚と枠の利でカバーして中段。引っ掛かってはいなかったが、微妙に下を気にして走っていた様にも見えた。直線も何時もの脚がなく伸び案外。初西下ということも有るのだろうが、パンパンの良馬場でないと走らない可能性も。道悪になった時が飛ばし時。

第24回東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)

コントレイル

馬は全く見栄えしないが、それでいて首でリズムを取って歩様キビキビ。下見からは良く分からないタイプだが、歩様にブレがない点は一流馬のそれ。ゲート五分。出脚の有る馬が外から押して行った馬に先を越される展開となり、マトモなら引っ掛かるパターンだが、バラけた中段で前に壁のない状態で折り合いが付いた。東京なら少し待っても良さそうだが、直線向いて直ぐ追い出されると、瞬時に反応してラスト400mで先頭。あとはオイデオイデの楽勝だった。1分44秒5は最後迄ビッシリ追った分も有るが、追わずともレコードだった筈で、単純に優秀。この先、距離面やこの馬格が先々どうかという部分は有るのだが、ディープインパクト産駒なら、それもまた次世代の馬ということになるのかも。

アルジャンナ

2人曳き。牡馬牝馬の違いは有るが、ドナウブルーの様な馬。柔軟性だけで走っている印象。ただ、前走阪神戦もそうだが、ちょっと気負い過ぎ。ゲートは五分に出たが、行く気なく後方で折り合いに専念。前走は相当引っ張っていたが、今日は下見の割に折り合いが付いた。基本的にはコントレイルを目標に乗られたが、一瞬で離され、最後も流石に5馬身チギられると言い訳がない。競馬は前走より確実に上手くなっているが、それだけに尚のこと辛い部分が有る。絶対能力の違いを見せ付けられてしまった。

ラインベック

+4kg。数字通り出来ていた。歩様を含めて、馬体に減点材料はないが、迫力はイマイチ。初コースでも淡々と歩いていた点は好感持てるが。ゲートを決めて好位のイン。マイネルデステリョが暴走気味に逃げたとはいえ、1000m通過が58.8秒。極端に速い訳ではなく、良い位置で流れに乗れた。初の1800mでも折り合いが付いたことは収穫だろう。ただ、直線向いてマイネルデステリョを捕まえる前にコントレイルが交わしていた。この瞬発力の差は如何ともし難いところだが、左手前に替わって外へヨレる場面は有っても、止まりそうで止まらず、最後迄ジワジワ伸びてもいた。距離は延びても良さそう。

オーロラフラッシュ

2人曳き。トモにボリューム感が有って、迫力は有るが、寸が詰まったマイラー体型。発汗の跡が有った点もマイナス。ゲート内からテンションが上がって、最初から頭を上げて行きたがっており、腹を括って最後方待機。バラけた位置だったことも有って、リズム良く走れていた。コーナーで少し差を詰めて馬群に取り付き、直線は大外。一瞬の反応でコントレイルとアルジャンナの間に大分差が有ったが、アルジャンナとこの馬の間にも大分差が有った。脚勢的には最後迄止まっていない様にも見えたが、ラインベックは交わしたかったところだろう。一応500万なら通用すると見るが、前と離され過ぎて能力の程度が良く分からないというのが正直なところ。

リグージェ

2人曳き。これもマイラー体型。歩様にも力強さが有って、現状のデキとしては文句なし。ただ、馬体がマイラーで、気配も良過ぎる位となると、戦前から1800mではどうかという部分も有った。半馬身程後手に回ったが、この馬としては出た方で少しオッツケて後方ながら馬群には取り付いていた。出した割には折り合いも付いていた。あとは只管インを回って、4角でラインベックの直後。直線向いてラスト200m迄は食らい付いていたが、最後に止まった。能力の問題も有るが、距離はマイル以下がベスト。

ジャパン・オータムインターナショナル 第44回エリザベス女王杯(GⅠ)

ラッキーライラック

前後肢にバンテージ。-4kg。少し何時もよりシャープな造り。下見の外を周回して気配は良好だが、これは何時ものこと。好発。行こうと思えば行ける出脚は有る筈だが、今日は明らかに矯め気味に乗られ中段から。恐らく最初からの決め打ちだったのだろうが、道中は只管インを回って、直線もインから。スローで内を回れた利は大きいのだが、それでも1頭だけ脚が違っていた感も有る。上がり32.8秒も出色。マトモに乗ったら距離が長かった筈で、イチかバチかの競馬で新味が出た形。ただ、一世一代の大駆け感も有り、今後はサッパリというケースも考えられるが。

クロコスミア

キビキビした歩様で、気配は文句なし。馬体は緩んだところは一切なく、デキはほぼ完璧。2200mだと流石に出脚は一番速く、ラヴズオンリーユーが競り掛けて来たものの、直ぐに引いてくれて、特にペースを上げずとも、1角手前の時点で既に単騎逃げの形が出来た。しかも1000m通過62.8秒の超スロー。それを1角過ぎから数馬身離しての先行で、4角も楽に回って来れた。前走東京戦と違い、今日は折り合いも付いており、これで捕まったら相手を称える外ない。これで3年連続2着だが、今年が一番内容が悪い。

ラヴズオンリーユー

+16kg。馬体に緩い印象はなく、数字は成長分だろうが、もう少し歩様がスムーズになって欲しいところ。今日のところは硬さが有った。少し出して、一瞬だけクロコスミアと並ぶ場面が有ったが、直ぐに引いて2番手で折り合いを付ける形。、折り合いは問題なく付いていた。クロコスミアは何時でも交わせる自信が有って、前を距離を取っていた筈だが、直線向いて最内のスペースが微妙で外に切り替えたところ、必要以上に左へ飛んでしまった。クロコスミアとは僅差だっただけに、もう少し真っすぐ走れていれば交わしていただろう。結果的に中間一頓挫の影響が出たといえそう。

センテリュオ

胸懸。前後肢にバンテージ。下見は前を歩くラヴズオンリーユーよりは外を回っていたのだが、歩様はこれも硬い。馬体は悪くないのだが。ゲートをアオり気味に出てダッシュが鈍ったが、立て直して中段から。ただ、1角の時点でスローに気付いた様で、直ぐに動かして2角では3番手。基本的にはラヴズオンリーユーをマークする形。それでもあまり急かすと良くない馬でも有り、坂の下りを大事に下ったところ、ラヴズオンリーユーとの間にフロンテアクイーンに割って入られたのが痛かった。半馬身はロスしている。直線もジリジリ伸びているが、行かせた分、何時もの脚は使えず。かといってスローで後方に居ては何もないところで、今日はこれで精一杯。

クロノジェネシス

前走とほぼ変わらず。気配だけなら煩かった前走より落ち着いていて良かった位。歩様も維持出来ていた。ゲートをヨレ気味に出たが、出脚で立て直して中段から。このスローで2角辺り迄は引っ張り気味の追走。基本的にはインに居て、直線でラヴズオンリーユーが前で多少フラつく場面は有ったにせよ、更に後ろに居たラッキーライラックに差されたのだから言い訳なし。このスローで今日のところは経験値の差が出た感も。

第54回デイリー杯2歳ステークス(GⅡ)

レッドベルジュール

2人曳き。+28kg。太い印象は全くなし。新馬の阪神戦は頼りない馬だったが、5ヶ月経って完全に別馬。気配も良かった。ゲートをポコンと出て、ダッシュ付かず1馬身不利。今秋の京都は例年より馬場が悪く、道中は1頭分程内を開けて走っていたが、直線は行くところがなかったことも有って、思い切って最内へ。このスペースも精々1頭分だったが、ここを抜けて来る脚が速かった。見た目通り、レース内容も成長している。あとは外を回る展開になった時がどうか。時計も今年は馬場が悪いとはいえ、平凡。

ウイングレイテスト

+12kg。こちらは太目残り。少し腹回りがボテッと映って、もう少し絞らないと。馬に活気が有って、デキ自体は問題なさそうだが。好発。出脚も有りそうだったが、全く行く気なく後方で折り合いを付ける形。これも最初から外を回す気がなく、かといって直線は一瞬モタれて最内を突こうとしたのだが、そこをレッドベルジェ―ルに先に入られてしまい、仕方なしに馬群を割る形。このロスは有ったが、これも狭いところを抜けて来た。太目と外枠を考えれば充分評価出来る内容。

ペールエール

新潟戦以来で、一息入ったが、緩んだところもなく出来ていた。初コースでもノンビリ歩けていた点も好感。若干ゲートで安目を売ったが、押して先行。最初はハナへ行くつもりで無理矢理感も有ったが、内からコルテジアに抵抗されて仕方なしに2番手で我慢。折り合い面は問題なかったが、このロスは相当有った筈。また、3角手前からサクセッションに内から競られ、自分のタイミングで競馬させて貰えなかった。上位馬がイン突きだったことも有り、内容的には悪くはない。次走GⅠでどうかだが、相手関係を無視すれば巻き返し濃厚。

トリプルエース

+8kg。見た目は決して太くない。毛ヅヤも冴えて、デキ自体は問題なさそうだが、歩様が明らかに甘い。今日はゲート五分。ただ、内から行った馬が多く、かといって1200mの後で仕掛けて行く訳にも行かず、中段から。道中の折り合いは全く問題がなかった。ただ、勝負どころで外にも出せず、内も突けずで、待たされている間に上位2頭が抜け出してしまっていた。バラけてラスト200mでエンジンが掛かってからは良い脚を使っている。歩様の甘さから坂が上れない危険も有るが、マイルでも自信を持って乗れそうな次走は、今日より動ける筈。

ライティア

前後肢にバンテージ。-10kg。血統馬らしい垢抜けた馬体。歩様にブレもなく、素質は高そうだが、如何せん細い。半馬身程出負け。一瞬だけ出して行こうとする素振りは有ったが、内の馬が速く、直ぐに諦めて後方待機。ただ、前を壁にしても頭を上げて引っ掛かっていた。コーナーでも明らかに制御が取れておらず、直線もフラフラだった。一瞬だけでも反応する場面が有った辺りは素質の片鱗を見せたといえそうだが、まずは馬体回復が大前提となる。

第24回東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(GⅢ)

ワンダーリーデル

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。少し立派過ぎる位の馬体だが、ダートなら許容範囲。歩様の伸びのなさもダートなら。芝での出脚が一息で後方のイン。ダートに入っても、決して行き振りが良かった訳ではないのだが、たまたま馬群が切れていたことで、4角を回り切ってから外に持ち出せたのが大きかった。道中もトビの大きいタイプで後方に居た割にはバラけた位置でノビノビ走れた方だが、砂を被らなくなってからの脚が他馬とは全く違っていた。前々走もそうだったが、外へ持ち出せる展開になると強い。ただ、前走が1400mでズブさを見せていた様に、道中の乗り方に工夫が要るタイプ。今日は上手く行ったが、アテにはし辛い面も有る。

タイムフライヤー

2人曳き。前後肢にバンテージ。前走阪神戦もデキに問題なかったが、今日も平行線。踏み込みも力強い。基本は芝馬だが、マイルだと流石に他も速く、特に急かさなかったことも有り、中段から。ただ、道中は2000mの後でも行き振りは良かった。基本的にはワンダーリーデルの一歩前で運んで、4角も先に外へ持ち出す形となり、展開としては完全にハマった格好だが、直線で中々手前が替わらず、その間にワンダーリーデルに交わされてしまった。ダートでやっと結果を出した格好だが、右回りの方が良いかも。かといって小回りでマクる脚もなさそうで、ない物強請りだが、東京と同じ広さで右回りのコースが欲しいところ。

ダノンフェイス

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。トモにボリューム感が有って、馬体は迫力満点だが、その割に歩様に力強さを欠く。好発。内の出方を窺っている間に自然と番手が下がり、結局は何時も通りの後方から。下がりながら、向正面で徐々に内へ潜って行き、3角でほぼ内ラチ沿い。そこからはワンダーリーデルを追い掛ける様に、4角を回り切ってから外へ。勝ちに行くならもうワンテンポ早く動いた方がベストだっただろうが、単勝二桁の人気の馬で今日はこれで良しとするところ。大分オープン慣れして来た感は有るが、これ以上ない展開だったのも確か。

ダンツゴウユウ

前肢にバンテージ。迫力は460kgの数字なりだが、歩様がしっかりしていて、手先のスナップも利いている。下見だけなら芝の方が良さそう。スタート直後は結構押していたが、周囲も速く中段のイン。とはいえ、人気を背負っていたエアアルマスが砂を被ると脆い馬で、自爆覚悟で潰しに行った馬が多く、完全な前潰れの展開。結果的に先行争いに首を突っ込まない形になったのは大正解だった。直線は上位3頭とは違い、インを突く外なく、かなり待たされてしまった。2馬身はロスした筈。今日は最低人気だったが、これも大分クラス慣れして来た感は有る。ペースに戸惑わなくなった。

サンライズノヴァ

前後肢にバンテージ。-10kg。数字分だけスカッと見せる。これだと迫力に欠く嫌いも有るのだが、下見所の外を周回して馬に活気は有った。出脚は流石というところで、ほぼ急かすことなく、楽々好位を確保。直線向いてもラスト300mで先頭に立ったが、そこから更に加速して抜け出す脚がなく、外の追い込み勢にやられてしまった。この馬自体は楽だったが、ペース自体が少し速かったのと、斤量差も響いたか。少なくとも悲観する内容ではない。

第9回みやこステークス(GⅢ)

ヴェンジェンス

胴長で雄大な馬体。瞬発力の有りそうな馬ではないのでダートを使っているのだろうが、本来は芝の方が良さそうな造り。歩様にも伸びが有る。1400mでも先行出来る出脚の有る馬だが、今日は全く行く気なく後方から。スマハマ、リアンヴェリテ、インティと行って1000m通過59.0秒以上に流れた。向正面で何時でも動ける外へ出し。3角からステッキを入れて進出。後述する様に4角で馬群の中がゴチャついて、アクシデントになったが、マクる形で関係なし。直線入口で先頭に立つと、最後は後続に迫られたものの、何とか押し切った。1400mでも渋太いものの決め手の有る馬にやられていたが、1800mでパターンが出来たのは収穫。無論、中々この形がハマることは中々ないだろうが。

キングズガード

トモにボリューム感が有って、馬は例に依って迫力満点。8歳馬でも毛色の影響も有って、馬が若々しく映る。出ッパも悪かったが、全く行く気なく後方から。眼前にはヴェンジェンスが居たが、マクりには付き合わず、4角から大外へ。これもアクシデントを上手く避けられた。最後は前も止まりそうになっていたことも有るが、最後は伸びは1頭際立っていた。一昨年の3着馬で、ベストは1400mなのだが、今年に入って1400mで突っ込み切れない競馬が続いていたが、年齢を経て馬がズブくなっており、今なら1800mの方が良いかも。前走阪神戦で2000mを使ったこともプラスに働いた筈。

ウェスタールンド

オーストラリアンブリンカー。淡々と歩いているのは何時ものこと。追い込み馬の休み明けとしてはまずまず出来ていた。出脚はない馬だが、少し出して中段やや後方から。基本的にはヴェンジェンスの前で運んで、3角からも先に動いて行く形。コーナーを雑に乗ってしまい、3角4角と過怠金が2件。4角はインティのオーバーアクションとしても、かなり強引に捌いていたが、それでもヴェンジェンスの方が回り脚が速く、最後は脚が上がってキングズガードの強襲を食らい3着に。昨年暮れの中京戦が強烈だった馬だが、早目に動かしたのは次走の為だろう。これで機動力が来れば面白い存在。

アングライフェン

+6kg。集中力の有る周回。馬体にメリハリが有って、歩様もしっかりしていた。ゲートが微妙に悪かったが、出ムチを入れて中段から。これはこれで悪くないのだが、今日は4角がゴチャついて、この馬も少し影響を受けていた。直線向いてバラけてからは伸びているが、今日は外をマクった馬が来る展開で、実質的には競馬が終わった後。不利が有ったとはいえ、前と5馬身差で評価が難しいのだが、前走阪神戦も含めて重賞でのメドは立てた。

ワイドファラオ

前後肢にバンテージ。下見所の外を周回して活気充分。デキ自体は良さそうだが、3歳馬だけに、古馬の方が迫力は上。マイルでも行ける出脚の有る馬だが、前3頭が飛ばして、離れた4番手。ただ、4角で不利を食らい、完全に勢いを潰されてしまった。今日は参考外。掲示板に乗っただけでも立派。

第57回アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

ムイトオブリガード

前後肢にバンテージ。昨年と大きく変わらず。微妙に緩慢に映るのだが、毛色の関係で、この馬は何時もこんな感じ。気配が薄いのも何時も通り。ゲート内で煩かったのだが、何とか五分に出て、あとは出脚で好位から。12番枠からオジュウチョウサンが逃げて、11番枠のパリンジェネシスが2番手の形だが、あくまで誰も行かなかった結果で、ペース自体は上がらず、1000m通貨62.2秒のスロー。道中はずっとペースが上がらず、向正面で自然と前が詰まり、団子の展開で好位のインという絶好の形になった。更にオジュウチョウサンが直線で外へ行ってくれたことでインがガラ空き。どちらかといえばスローの方が好走率の良い馬でも有り、今日はすべてが上手く行った。基本的には詰めの甘いタイプ。

タイセイトレイル

歩様にブレがない。馬体もコンパクトに纏まっており、毛ヅヤも良好。一息入ったが、今年一番のデキ。出脚は決して速い方ではなく、かといって東京2500mで急かす訳にも行かず、中段やや後方から。基本的には無理せず乗られたが、それでもこのスローで少し力んで走っていた。これもインに突っ込んで、前は空いていたが、最後迄ジリジリ伸びていた。今年これが10走目だが、全て3着以内と馬券に貢献。兎に角渋太い。初めて上がり33秒台の脚が使えた点も好感。折り合いがもっとスムーズに付く様になればタイトルにも手が届く筈。

アフリカンゴールド

時々尻っ跳ねをしたり、気性面が散漫。馬はボリューム感が有りながら460kg台と、ステイヤーとは少し違う如何にも東京2500m向きなのだが。出脚は速いのだろうが、最初から引っ掛かりそうになっていた。向正面で何とか落ち着いたが、それでも結構引っ張っていた。ただ、直線は狭いところを割る脚が有り、最後の100mで止まったが、道中のロスを考えれば仕方がないところ。常連組の強いレースで新参者が通用しないのは当然といえば当然。無論、折り合うに越したことはないのだが、力は示した。

ルックトゥワイス

2人曳き。これも東京2500mならもう少し落ち着いて欲しいところ。腹回りはスッキリしながら、トモにボリューム感が有り、典型的いステイヤー体型。ゲートは出ているが、外から積極的に来た馬に抵抗せず、後方から。現代競馬では厳しくなったとはいえ、20年前なら東京2500mはこれがベストの騎乗。前には届かなかったが、直線の600mを最後迄止まらず伸びていた。中間は外傷が有ったとのことだが、春の王者として能力は証明。この条件なら今後も堅実に走ってくれる筈。

トラストケンシン

迫力はないが、シャープな馬体で、デキは文句なし。下見の外を周回して、何より馬に活気が有った。ゲートで若干安目を売って後方から。直ぐに出来るだけ内へ寄せて、前を壁にして折り合いを付ける形。1角辺り迄は多少行きたがっていたが、そこからはリラックスして走れていた。直線は上位馬に付いて行く形で、前が開いたのは150mだったが、最後に一脚使ってポポカテペトルを交わして5着浮上。追い込み一手でアテには出来ないが、ハマれば馬券圏内は有りそう。

第55回京王杯2歳ステークス(GⅡ)

タイセイビジョン

あくまでこのメンバーだとという前置きは有るが、一応この中では最上位の馬。歩様の力強さも有った。気性的にも堪えが利いていた。好発。出脚も速そうだったが、最初から引っ掛かりそうになっており、引っ張り気味に中段やや後方から。それでも道中は頭を上げる場面が有った。何とかコーナーで脚を矯め、直線は前の進路だけ確保しつつ、ラスト400m迄待ってから追い出されると1頭だけ脚が違った。このメンバーなら力が一枚上だったということになるが、メンバーレベルに相当の疑問が有り、また直線は内にモタれ気味。このままでは上で通用しない。

ビアンフェ

+24kg。成長分も有るだろうが、馬体が緩慢に映る。2歳馬だけに成長の過程として考えれば悪くないが、ベストはもっと締めた方が。ただ、歩様は手先のスナップが利いて好感が持てる。前走函館戦は失敗したが、今日はゲート五分。最内のアポロニケには結構擦られたが、スピードで振り切ってハナへ。1000m通過58.0秒だから1秒程度速いペースになった。それでも4角を単騎で回り、坂を上り切った辺りで左手前となり、苦しくなったが、2着は悠々確保。前述した様に、他のメンバーがダメという気もしないでもないのだが、良いスピードは持っている。スプリンターとしては上級。あとはゲートが決まるかどうか。

ヴァルナ

-16kg。トモにボリューム感が有って、馬自体は悪くない。ただ、下見は煩い。出脚は有りそうだが、今日は無理せず中段から。前走はハナへ行く迄が行きたがっていたが、今日はスムーズ。直線は外にタイセイビジョンが居て、前2頭の幅が1頭分有るなしという状況で、内に突っ込んでいったが、一瞬の脚は見せた。エピファネイア産駒で、気性面を何処迄信用して良いのかという部分は有るが、レース内容は1戦毎に良くなっている。このメンバーなら足りる。

グランチェイサー

シープスキンノーズバンド。小さいなりにバランスの取れた馬だが、まだまだ成長は欲しい。毛ヅヤは冴えており、デキは悪くない。外からジワッと行かせて3番手から。前走新潟戦は操縦不能状態になっていたが、今日はスムーズ。過不足なく走れたが、出来ればヴァルナには先着したかったところ。能力評価としては内外の差だけで互角ということになるのだが、馬群に入れないならそれを上回る力が欲しい。

グレイトホーン

-6kg。馬体は絞れたモノ。馬自体は悪くない。1400mならこれで良いということになるが、2歳馬で先々を考えるともう少し落ち着いて欲しいところ。ゲートでも煩かったことも有って、この乗り役にしては珍しく、ゲートのタイミングが合わず半馬身出遅れ。リカバーして中段やや後方辺りには付けていたが、少し行きたがっていた。ヴァルナの進路へ先に突っ込めればまた違ったが、直線も少し待たされて、立て直している間に前との距離が離れ過ぎてしまった。道中行きたがっていただけに末脚もジリジリ。課題の残る一戦。

第24回KBS京都賞ファンタジーステークス(GⅢ)

レシステンシア

前後肢にバンテージ。伸びが有って、手先のバネも感じさせる歩様。馬体の完成度も高い。単純に1頭だけ馬が違った。エレナアヴァンティが無理矢理行ったが、こちらの方が出脚が速く、楽々2番手。折り合いは付いていたが、終始手応えに余裕が有り、エレナアヴァンティが早々に止まって、ラスト300m辺りで先頭と、押し出された感も有ったのだが、右手前の際に内へ一瞬モタれそうになった以外は、問題なく押し切った。1分20秒7は2006年アストンマーチャンに次ぐ好時計。しかもほぼ自力で叩き出した競馬で、単純に馬が強い。新馬の阪神戦は外にフクれそうになる場面も有ったが、コーナリングが上達していた点も好感。次走も圏内。

マジックキャッスル

シープスキンノーズバンド。背丈が低いだけで、この数字でも造りはちゃんとしている。多少、物見は有ったが、2歳牝馬の初コースならむしろ良い方に受け取れる。出たなりで中段から。基本的に折り合いは付いていたが、3角でパドゥヴァルスに外から先を越され、連られそうになっていたが、ここは我慢させて直線だけ外へ。良く伸びたが、勝つならパドゥヴァルスに抵抗すべきだった。前走中山戦をマイルで折り合って好走しており、センスの高さは有るが、最後に甘くなった。今日は大事に乗って誤魔化したが、末脚の持続性に難が有りそう。ベストは1200m。

クリアサウンド

+10kg。馬体に太い印象はなく、成長分と見て良さそうだが、歩様に少し硬さが有る点はマイナス。好発。出脚も有りそうだが、内の出方を窺いつつ、好位直後。壁のない外だったが、バラけた位置でノビノビ走れていた。4角の手応えも悪くなかったが、いざ追ってからがフラフラ。ラスト150m辺りから頭も上がり出して甘くなった。マジックキャッスルの様に矯めて乗られればまた違った可能性も有るが、攻めて行った結果だけに仕方がないところ。まずは真っすぐ走る為にも体質強化が先決ということになるが、レース後に骨折が判明。

ヤマカツマーメイド

シープスキンノーズバンド。馬体はもう少し増えて全体に力が付いて欲しいところだが、この時期の2歳牝馬としては歩様しっかり。出脚は有りそうだが、一瞬内外の出方を窺って、その後から出して行く形で好位。上手くポケットに収まっていた。4角でレシステンシアの直後だから、展開は絶好ということになるのだが、追ってからが案外だった。ただ、前走が1分21秒4で、今回が1分21秒2だから、自分の時計だけは走っているということになる。とどのつまり、今日のところは相手が一枚上だった。

ヒルノマリブ

一息入ったが、毛ヅヤが冴えてデキは文句なし。レースに行くとズブいのだが、短距離で下した様に寸が詰まった体型。微妙にゲートで安目を売ったことも有るが、行く気もなく後方から。道中は折り合っていた。直線、大外へ持ち出したが、伸びはジリジリ。最後迄止まってないのだが、脚が一定だった。前走札幌戦のイメージではズブいながらも最後に脚を使う印象で、確かに距離延長して1400mの方が競馬は楽に運べたが、軽い芝だとダメなのかも。