Sakura Archives

競馬回顧 2022年2回新潟

第70回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

テルツェット

2人曳き。勝った昨年と比較して+10kg。その分の成長は有る。トモがパンとして、数字の割に迫力が有る。歩様も悪くない。ゲートは五分も、出脚が速い方ではなく、ローザノワールが逃げ、ホウオウピースフルが番手に入った3列目のイン。1角でファーストフォリオに体当たりされてしまったが、馬がここで我慢してくれたのが大きかった。道中は只管インで脚を矯め、直線も最内から。前に居たホウオウピースフル、ローザノワールと、この馬の為に開けてくれたかの様に眼前に1頭分だけスペースが出来ており、一瞬の脚を生かして突き抜けた。ただ、それでいてサトノセシルとはハナ差。56kgで勝ち切った点はそれなりの評価が必要だが、微妙な案外感も残る。

サトノセシル

-12kg。元々がこれ位で走っていた馬で、特に細くなった印象はない。小ぢんまりと見せるのは元々。ゲートが微妙に悪く、内外から来られて行き場をなくし出脚が付かず、中段。テルツェットと並走する形。従って、これも1角でファーストフォリオに寄られており、こちらの方が不利としては大きかった様にも見えたが、道中はしっかり折り合いが付き、鞍上も余程手応えが良かったのか、3〜4角中間から一気に仕掛けて直線入り口で4頭雁行の大外。直線に向いてからもジワジワ差を詰め、内でセコい競馬をしていたテルツェットともハナ差と、惜しい2着。昨年3着時より、明らかに内容は上。

ローザノワール

遮眼革。+6kg。数字は増えたが、スッキリとした造り。毛ヅヤの良さも目立った。舌がハミを越していながらも、淡々と歩いていた。出脚はウォーターナビレラが明らかに一番速かったが、ステッキを入れて迄主張してハナへ。ただ、番手グループがガッチリ抑えたことで、ペースが上がらず、1000m通過が61.2秒とスロー。ずっと単騎で運んで、4角は引き付け、直線で突き放す理想的な形に持ち込めたが、突き放し方が思ったよりも甘く、追って一瞬だけ外へヨレたところをテルツェットにスクわれた。結果的にスロー過ぎた気もしないでもないが、最低でも連は確保したかったところ。遮眼革着用の馬で、内外から来られるとどうしても淡白になってしまう。

ルビーカサブランカ

前後肢にバンテージ。馬体重こそ大差はないが、重賞を勝った正月の中京戦と比較すると、馬体の張りが物足りない。歩様にも力強さを欠く。今日はゲート五分。これもテルツェットやサトノセシル同様、道中は中段から。外枠の分、1角で例の不利を食らっていない半面、今日のスローでずっと外を回される形になったのは痛かったか。サトノセシルを目標に動いては行ったが、サトノセシルに付いて行くのがやっとの状態。良く差を詰めているが、道中を含めて、手応えがピリッとしなかった分、届かなかった印象。スローの外枠がそもそも厳しかったが、距離も微妙に短い。

ホウオウピースフル

ジャスト500kgの大型馬だけ有って、流石に見栄えがする。ただ、物見をしていたとはいえ、姿勢が高く、その分だけ歩様に力強さを欠く。躓きかけながらも、好発。内から主張したローザノワールに行かせて、その番手から。道中の折り合いもスムーズで、レース運びとしては完璧だったが、いざ追ってからが甘かった。前走函館戦の内容からもうすこしやれてもいいのだが、もっと時計が掛かった方がいいのか...。

ウォーターナビレラ

中間は攻め量が足りないという話も有ったが、春と比べると緩い印象は有った。落ち着いていたのはいい傾向とはいえ、歩様にも力強さを欠く。出脚は抜群に速く、スッと好位。引っ掛かっていたという程ではないにせよ、壁がなかったことで道中は少し力んでいた様にも見えた。ただ、それにしても直線は全く伸びず、追ってサッパリ。敗因は距離面だけではなさそう。下見通り、デキももうひとつだったか。

サマースプリントシリーズ第3戦 第21回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

ビリーバー

あまり人気はなかったが、寸の詰まったスプリント体型で、幅が有り、下見は結構目立っていた。気配も良かった。ゲートも分が悪かったが、出脚も速い方ではなく、8枠3頭の中では最後方。全体でもかなり後ろの方。400m地点では前が完全に塞がっていたが、レジェーロを脚の違いで弾いて進路を確保。ラスト200mの伸び比べを制した。結果論だが、内ラチ沿いへ4頭が行ったことで実質14頭立ての競馬。それ故に例年よりペースが上がらず、決め手勝負になった印象。馬群の捌き易さという点でも実質の頭数減はいい方に向いただろう。人馬共に重賞初制覇だったが、千載一遇のチャンスをモノにした形。ただ、1200m以上ではほぼ着外の馬で、今日はそれ以上ではない。

シンシティ

後肢にバンテージ。+6kg。これも充実した馬体は眼に付いた。鞍下から汗が滴り落ちていたが、気配としては落ち着いていた方。ゲートが抜群という訳ではなかったが、出脚と枠の利でハナへ。直ぐに外ラチ沿いを押さえた。前述した様に、内外に馬群が分かれてペースが想定より上がらなかったのも幸い。ラスト200m迄は先頭だったが、ここからビリーバーとの決め手比べで見劣り2着止まり。今日の展開で勝てないのは頂けない。こちらはダートでも走れるのが救いだが、交流戦を視野に入れるならば、賞金面も勝って上積みしたかったところだろう。

ロードベイリーフ

流石に直千競馬ということを考えると気配に乏しい。ただ、馬体はそれなりに纏まっていて、歩様もこの馬としては悪くない。出脚が速くなかったことも有るが、スタート直後から外へ寄せて馬群を捌きながらここ迄。鞍上の話では馬群の方が集中力が保てるとのことだが、これも決め手勝負の競馬で、上手く脚を矯められたのが好走の要因。ただ、こちらは1200mでもソコソコ走れるタイプ。前走小倉戦もそれなりに差を詰めていたが、ズボズボの展開になれば馬券圏内迄有る馬。

レジェーロ

前肢にバンテージ。424kgと数字のない馬だが、トモが張って良く出来ていた。歩様もスムーズで、下見からケチを付けるところはない。シンシティには出脚の違いで叩かれたが、その番手から。競馬としては上手く行っているが、ラスト300m辺りで1頭分だけ内へ入れて、追撃態勢を取ろうとしたところで、ビリーバーに間を割って入られ、そこからは内へモタれて伸びあぐねた。戦前から力不足は明白だったが、今日の競馬でこれだと相当厳しい。

スティクス

前走小倉戦からは良くも悪くも平行線。馬体の張りという点で多少甘い気もするが、歩様は落ちていない。ゲートは五分程度だったが、押して内ラチ沿いへ寄せてハナへ。内外が離れていて分かり辛いが、600m地点辺り迄はシンシティよりも前に居た様に見えた。ただ、後続がもう少し付いて来てくれていればまた違ったのだが、誰も交わせず、内に居た4頭の中では結果的にこの馬が最先着。これで負けたら仕方がないところ。実質的にはほぼ勝ち馬。昨年の覇者、オールアットワンスを凌いだ点は特に高く評価したい。