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競馬回顧 2023年3回中京

中京競馬場開設70周年記念 サマーマイルシリーズ第2戦 第71回トヨタ賞中京記念(GⅢ)

セルバーグ

-4kg。これ以上、減るのは歓迎材料ではない。トモは目立つが、腹回りは如何にもギリギリ。歩様が少し硬いのは毎度だが。出脚が一番速かったという訳でもないが、内から主張してハナへ。1000m通過57.4秒だから遅い流れではないが、人気薄の気楽さも有って、楽にいかせて貰えた。2馬身のリードを持って4角を回り、直線で更に突き放し、そのリードを最後迄守り切った。自分のペースで行けると渋太いタイプ。その一方で馬格がなく、走法からもリズムを欠くと脆い面は否めないところ。先行馬にしては出脚が甘い点がネック。尤も、次走は新潟戦だけに、再度自分の競馬は出来そうだが。

ディヴィーナ

この血統らしく、馬体の小ささを感じさせない。本当に良く出来ている。手先のスナップも利いている。ゲートも速くなかったが、出脚も鈍く後方から。外目を回ってコースロスは有ったが、道中の行き振りが良く、4角手前からジワッと動く形。直線もしっかり自分の脚を使っている。最後に1頭だけで追い込む形になっただけに、今日はこれで仕方がないところ。今日の中では間違いなく一番強い競馬。中京巧者ということも有るが、やはり前走東京戦からワンランク強くなっている印象。

ルージュスティリア

2人曳き。前後肢にバンテージ。牝馬ながら筋骨隆々の馬体は目立つ。気配も堪えが利いていた。ゲートは決めたが、大外枠だけに無理せず後方に近い位置。序盤以外は折り合いも付いていた。ただ、3〜4角中間で早目に動いたディヴィーナに外から交わされた際、そのディヴィーナを突いてしまい、躓く不利。リズムを欠いただけでなく、単純にワンテンポ待たされる形になったのも痛かった。マトモならいい競馬になっていたが...。今日のパフォーマンスだけをいえばディヴィーナとも差はない。

ウイングレイテスト

-2kg。元々がボテッと映るタイプだが、もうひと絞り有ってもいいかも。他に減点材料はないだが。好発。例に依って出脚も一番速い位だが、鞍上に行く気なく好位直後。折り合いは付いて、道中も注文の付かないタイプ。直線に向いて一瞬の反応は勝ったかに思えた程だったが、いざ追ってからが伸び切れない。詰めが甘いタイプとはいえ、今日の競馬で馬券圏内もないのは論外。折角あれだけの出脚が有るのだから、逃げるのも手だと思うのだが...。

サブライムアンセム

-8kg。牡馬相手でも馬は負けていない。イレ込み易いタイプながら、今日はゆったり歩けていた点も好印象。歩様も悪くない部類。微妙に出遅れて、押して中段。馬群の中で動くに動けない位置だったが、かなり行きたがっていた。ここ迄は悪い時のパターンだったが、その割には内へモタれて苦しがりながらも、最後迄止まっていなかった。力は有るのだが...。気性的にムラが有るのはネック。せめてゲートだけでも安定してくれると違うのだが。

サマー2000シリーズ第2戦 農林水産省賞典第59回函館記念(GⅢ)

ローシャムパーク

2人曳き。前肢にバンテージ。-6kg。500sの雄大な馬体の持ち主。見栄えする割に、緩慢に見える時が有り、絞れたのはいい傾向。ただ、滞在でも気負っていた。出脚はなさそうで、押して何とか中段。ただ、1周目の決勝線辺りで外枠の馬に寄られ、他馬と接触する場面。そこから馬は怒ってしまい、行きたがっていたが、前に馬を置いて無理矢理宥めた。道中もところどころで鞍上が引っ張る場面が有ったが、4角手前から進出。道中のロスが全くなかったかの様に、1頭だけ違う脚で差し切った。といっても、瞬発力というよりは、馬力の差で勝った様な印象が強い。少なくとも小回り向きではなさそう。極端な時計勝負は歓迎しないとしても、基本的には広いコース向き。GⅡ迄はイケる。

ルビーカサブランカ

前後肢にバンテージ。今年に入ってイマイチの競馬が続いていたが、今日もデキに大きな変化はない。スッキリとした造りで、歩様も悪くなかった。元々出脚の速い方ではないが、例に依って後方に近い位置。1周目の決勝線辺りでゴチャつく場面は、上手くやり過ごすことが出来た。そこで内へ入れた際に、一瞬頭を上げる場面は有ったが、1角で折り合いが付いた。道中も只管内を回って、直線もインから。直線に向いて一旦は抜け切っているのだが、そこ迄。最後はギリギリで残しての2着。結果的に仕掛けのタイミングが中途半端だった印象。レースの事象だけをいえば、今日は早仕掛けということになるのだが、実際のところは道悪で後続も差せない馬場だった筈で、もっと出し抜け気味に乗っても良かった。何れにしても馬は頑張っている。

ブローザホーン

+8kg。下見は後方を周回。寸の詰まった体型だが、その分、428sの割にトモが張っている。下見所の外をキビキビ歩けていた点も好印象。本来は出脚の速い方だが、鞍上の判断で今日は行く気なく後方から。この鞍上らしく、縦の位置取りよりも内に拘っての競馬だが、眼前のハヤヤッコの挙動に迷わされ、4角で外へ行こうとして失敗し、ワンテンポロスしたのが勿体なかった。最初から内を狙っていたら2着有っただろう。ギャンブル騎乗だけに、能力云々の評価はし辛いが、過去4勝中、良馬場以外で3勝。雨は得意ということはいえる。

マイネルウィルトス

シープスキンノーズバンド。+24s。太いことは間違いないが、かといって緩い印象はない。1年振りでこの姿で出て来ることは稀。陣営の話通り、純粋にデキがいいのだろう。出遅れ1馬身不利。そのまま最後方から。行き脚も付かず、道中は離れた位置だったが、3角から徐々に追い上げて、4角はその勢いのまま大外へ。エンジンが掛かってからは重心がグッと下がって本来の脚。結果はちょっとしたアヤの問題で、惜しい競馬。次走は新潟戦が目標になる様だが、実績が示す通り、むしろ左回りの方が得意しており、狙い目に。

ハヤヤッコ

下見は最後方を周回。遮眼革。後肢にバンテージ。白毛で分かり辛い部分も有るが、緩い印象はなく、デキに問題はなさそう。歩様にも伸びが有った。出脚が有る方ではなく、押して何とか中段やや後方から。昨年同様、只管内々を立ち回る競馬。狙い通りの立ち回りは出来たといえるだろうが、昨年よりハンデが背負わされていたことと、昨年程馬場が悪化しなかった分、ここ迄。今更ながら昨年がフロックでなかったということはいえるか。ちなみに戦歴を良く見ると、2000mで2分を切れたのは中京のみ。暮れに2000mの重賞が有るが、ここが道悪になれば...。

第55回函館2歳ステークス(GⅢ)

ゼルトザーム

大物感はないが、緩んだところがなく、現時点での完成度が高い。ダートで勝ち上がったが、歩様にもバネを感じさせた。ゲート五分。直ぐ内のルージュレベッカが外へ逸走したが、ギリギリ交わして中段。向正面はかなり気負いながらの追走。コーナーでクールベイビーを前に置いて我慢させ、直線はひと追い毎に伸びて快勝。中々力強い勝ち方だった。ただ、この重馬場だから前向き過ぎる気性がいい方に出たともいえる。距離面にも限界が有りそうだが、ダートから勝ち上がった馬でも有り、良馬場時が試金石。

ナナオ

+2kg。未勝利を使っての中1週だけに、減らなかったのが何より。412sの馬としては良く出来ている。歩様も伸びやか。好発。この馬の出脚でスッと好位。これも引っ掛かりそうな気配も有ったが、クールベイビーと上手く内外を入れ替えて、前と外を壁にして折り合いを付ける形。直線はしっかり伸びたと迄はいえないが、前々で上手く立ち回った分の2着。尤も、ガサのない馬だけに、洋芝の道悪は得意とはいえない。ゼルトザーム以外、後続が差して来なかったという点がいい方に出たことも有るが、器用さは高く評価したいところ。あとは中央デビュー組との相手関係。

スカイキャンパス

前肢にバンテージ。422kgと数字はないが、胴長で比較的、馬をドッシリと見せる。ただ、まだ歩様は頼りない。ゲートも決まったが、出脚を利かせてハナ。600m通過34.7秒は結果的に速かったが、ナスティウェザーにピッタリ来られただけに、仕方がないところ。それでもそのナスティウェザーは振り切って、直線入口では後続を突き放す場面。流石に最後は苦しくなったが、何とか3着は確保。いいスピードが有る。新馬が1200mだったら、2着有ったか。とはいえ、降級がなくなった今の中央競馬で、賞金が加算されない重賞3着はオイシイ位置。500万ならスピードで押し切れる筈。

レガテアドール

前肢にバンテージ。428kgの馬だけに、太いということはないが、馬体は少し緩慢。それでも、一歩一歩しっかり歩けていた。体幹が強いタイプ? 出脚は悪くなさそうだったが、外枠ということで好位直後。向正面の行き振りは悪くなかったが、3〜4角で渋くなり、苦し紛れは内へ入れたのが失敗。4角で一瞬、待たされる場面が有った。直線に向いてからは盛り返しているが、3着と2馬身半差は言い訳なし。500万でも苦しい。

カレンナオトメ

後肢にバンテージ。-4kg。410kgとガサがないだけに、減るのはいい傾向ではない。見た目にも細かった。とはいえ、このメンバーの中ではしっかり踏めている方。ゲートもいい方ではなかったが、出脚もなく後方から。今日のペースだとこれ自体は大きな問題ではないが、3角で近くにいたバスターコールが暴れて、逡巡する場面。その間に外の何時でも動ける位置を他馬に取られてしまった。最後は1頭だけ違う脚で追い込んでいるが、あくまで競馬が終わった後。未勝利馬としては大健闘。未勝利なら難なく勝てる筈だが、ガサがないだけに、デキの維持が課題。

サマー2000シリーズ第1戦 第59回七夕賞(GⅢ)

セイウンハーデス

遮眼革。シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。腹袋は目立つが、緩い印象はない。今日は踏み込みの深さが目に付いた。ゲート五分。直ぐ内のテーオーソラネルが出遅れ気味ながら無理矢理先行、それに乗る形で好位の外。逃げたバトルボーンのペースは1000m通過60.7秒とスロー。何とか折り合いも付き、自分からマクって行く形に持ち込めた。直線に向いてからは外へモタれており、一瞬フワッとなる場面も有ったが、癖を熟知している鞍上が必死で御して、最後にひと伸びして後続を突き放した。前走新潟戦の内容が秀逸で、今年に入って力を付けているのは間違いないが、外へヨレた点は課題。左回りの方がいいかも。

ククナ

後肢にバンテージ。-6kg。数字分だけ馬が締まった印象。歩様にもブレがなく、デキにケチを付けるところはない。出脚が速いという訳ではなさそうだが、押して好位のイン。道中はセイウンハーデスと並走する形。道中は折り合いも付いて、コース利も有り、レース運びとしてはセイウンハーデスよりも上手かったが、4角を勢い付けて回って来れたセイウンハーデスに対し、一瞬待たされたのが痛かった。ギリギリだったが、バトルボーンを捕まえて2着は確保。ただ、軽ハンデを生かす競馬だけに、鞍上の判断としては間違っていない。重賞だともうワンパンチ欲しい気もしないでもないが、牝馬で距離を苦にしないのは強み。

ホウオウエミーズ

休み明け好走後の中2週だが、思ったより良く出来ていた。馬体をしっかり維持して、歩様も落ちていない。ゲートが開いて直ぐ内へヨレてエヒトと接触したが、それでもこの馬としてはゲートは決めた方。何とか中段位置が確保出来た。道中の折り合いは心配のない馬で、戦前から描いていた通りの立ち回りは出来ただろう。ただ、4角でククナが一瞬待たされて、直後に居たこの馬もその影響を受けた。本当の一瞬だが、このスローだけにどうしても響く。とはいえ、どちらかといえば広いコース向きの馬が小回りでも走れたのは収穫。これも地力強化は歴然。

バトルボーン

前肢にバンテージ。今年初戦となるが、数字上は出来ていても少し緩い。歩様にも勢いを欠き、良く見て7割のデキ。鞍上の話では逃げる気はなかったとのことだが、押し出される形でハナへ。とはいえ、2番手のテーオーソラネルがガッチリ抑えてくれたことで、前述した様にスローペースでは行けた。セイウンハーデスのマクりは有ったが、間にテーオーソラネルが残っていたことで、この馬にはほぼ無関係。直線に向いてからも一瞬は突き放す脚が有ったが、最後に甘くなったのはデキの分だろう。デキさえ有れば勝てていた。次走狙い目。

レッドランメルト

遮眼革。後肢にバンテージ。-10kg。一息入って、順当に絞れたとみていい。シャープに見せて、休養前より雰囲気は良かった。歩様もスムーズ。ゲートで分が悪く、ジックリ乗られて中段やや後方から。道中の手応えも良く、3角過ぎから自力で動いて行く形。ただ、コーナーでの脚がなく、このスローだけに4角は好位置に居ないとどうしようもない。これでも最近の中では一番マシな競馬。新潟で改めて。

第28回プロキオンステークス(GⅢ)

ドンフランキー

600kg近い超大型馬だが、緩んだところがなく、デキ自体が良さそう。馬に活気が有ったのもいい。踏み込みも深い。ゲートは決して速くなかったが、芝での二の脚が速く楽にハナ。メイショウテンスイにマークされる形になり、1000m通過57.7秒とそれなりのペースで行かざるを得なかったが、4画での手応えの差は歴然だった。内へモタれる癖が有るとのことで、直線に向いてから、少し外へ持ち出していたが、そこにリメイクが来て、内外が離れなかった分、踏ん張りが利いた印象も。最後は詰められたが、危なげなかった。今日は完勝といえる内容。これで胸を張ってGⅠを目指すことになるが、今日の馬体重594kgは、重賞勝利時の数字では最も重いとのことで、これだけの大型馬になると、マイルは少し厳しい。今後はスプリントを主体に戦って行くことになるだろうが、東京盃,JBCスプリントと大井の馬場をこなせるかどうかが今後のカギに。

リメイク

前後肢にバンテージ。海外遠征時を別にして、デビュー以来、最高体重。それでも締まって見える。歩様も悪くない。前走UAE戦は出遅れたが、今日はゲート五分。芝での出脚も有ったが、最近は1200mばかりを走っていたことも有ってか、ジックリと乗られて好位直後から。折り合いに一抹の不安は有ったが、出脚を使わなかったのが効いた様で、上手く流れに乗れた。これも4角の手応えは充分で、追い出しを待つ余裕も有ったが、直線に向いてずっと左手前で走っていた分、届かなかったか。見た目は最後際どくなったが、何処迄行っても交わせる感じではなかった。これも秋は大井戦が目標になるだろうが、ドンフランキーよりは適性は高い。

オメガレインボー

遮眼革。シープスキンノーズバンド。ダート馬としては馬格の有る方ではないが、馬体は纏まっている。気配も良かった。ゲートは五分に出たが、大外枠だけに行く気なく中段から。リメイクが控えて、マークする形。ただ、4角での手応えの差は歴然で、直線に向いて直ぐの段階では追っ掛けバテしそうな雰囲気すら有ったが、この馬なりの脚で最後迄渋太く頑張っていた。現状は重賞だとこれが一杯ということなのだろうが、今日の外枠でこの結果なら前走阪神戦を59kgでしっかり勝っている様に、オープン特別なら勝ち負け出来るだけの力は有る。

エルバリオ

遮眼革。524kgの大型馬だが、寸が詰まった体型。その分、馬に幅が有るということもいえる。歩様に伸びがないのは毎度。落ち着いていた点も好印象。ゲートで負けた訳ではないが、例に依って出脚が足りず、中段やや後方から。例に依って、道中は行き振りのいい方ではないのだが、それでも積極的に乗られていた。ただ、4角で更に手応えが悪くなり、置かれそうになっていた。直線に向いてからは盛り返しているが、もう少し道中の行き振りが良くならないと厳しい。初重賞挑戦としては、良く頑張っているともいえるのだが...。

メイショウテンスイ

遮眼革。胴長でゆったりとした造り。ただ、歩様が頼りない。同じ6枠で同馬主のメイショウタジンの方が雰囲気は良かった。ドンフランキーの逃げに乗る形で2番手。前述した様に、ペースは速かったが、1馬身後方から積極的にプレッシャーを掛けて行く形。ただ、4角では手応えが怪しくなっており、そのまま追っ掛けバテの様な格好になりそうだったが、何とか踏ん張って掲示板は確保。今日のところは絶対的スピードの差を見せ付けられた格好だが、最後の踏ん張りに可能性は感じさせた。今日は馬を強くする内容でも有り、もう少しパワーアップして上手く流れに乗れば、重賞でも。

第72回ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

エルトンバローズ

少し腹回りはボテッとしていたが、例に依って見栄えはする。毛ヅヤが冴えて、歩様も伸びやか。出脚は速い方ではなさそうだが、少し押して好位のイン。グラニッド以外の内枠勢に出脚がなかったことも有り、この馬の出脚でもグラニッドを前に置く形が造れた。道中の行き振りも良く、4角で上手く馬群が切れて外へ持ち出し、前を行くシルトホルンをネジ伏せる様に押し切った。完勝。未勝利脱出に5戦を要したが、そこから3連勝。立ち回りが上手いのがいい。ただ、このレースの度に述べている様に、開幕週に開催する様になって器用さ優先になり、古馬になって大成しないタイプが多い。この馬の場合は馬格が有るだけに化ける可能性は有るが...。

シルトホルン

コンパクトに纏まった造り。如何にもマイルか小回りで良さそうなタイプ。キビキビ歩けていた点も好印象。出脚は一番速かったが、内からグラニッドが主張して、2番手から。グラニッドが大逃げを打たず、1000m通過が59.7秒とペースが緩かったことで、競馬の組み立てが楽になった。手応え充分に4角を回ってグラニッドに並び掛けたが、その段階で既にエルトンバローズが真横に居た。暫くはエルトンバローズに抵抗していたが、最後は甘くなり、3着レーベンスティールにハナ差の2着。これも競馬は上手いが、力量差を感じさせる内容。この賞金でオープン入りだが、絶対能力が足りない。

レーベンスティール

2人曳き。前肢にバンテージ。気合乗りは良かったが、馬はまだ完成途上。歩様に力強さを欠く。出脚もなかったが、枠も遠く、無理せず中段やや後方から。これはこれで仕方がないが、道中はずっと外にマイネルモーメントが居て、フタをされる形。3〜4角でも全く動けず、直線は仕方なしに馬群を割る形。最後は進路がなく、外へ無理矢理持ち出してバルサムノートと接触。この鞍上にしては珍しく、過怠金5万円を取られていたが、馬は頑張っている。若い部分が残っているだけに、今直ぐオープンで通用するとは思えないが、自己条件の1000万なら。

バルサムノート

胴長でゆったりとした造りだが、まだ若さが目立つ。頭がの高さが目立ち、踏み込みが浅い。好発。ジワッと行かせて好位直後。ただ、最初から口向きが悪く、ところどころで内にモタれていた。その分、勝負どころでの反応が鈍く、3〜4角中間から置かれそうになっており、直線もジリジリ。トップハンデだったことも有るが、これもまだ競馬が雑。レーベンスティールの体当たりも痛かったが、不利がなくても4着だった。もう少し成長しないと苦しい。

コレペティトール

骨格がしっかりして、垢抜けた馬体。このメンバーなら迫力上位といえるが、まだ歩様が甘い。一完歩目が遅かったが、1角迄が近い福島1800mだけに最内枠の利が大きく、中段位置を確保。道中の行き振りは悪くなかったが、これも回り脚がなく、加速し出したのは直線に向いてから。現状は広いコース向き。1000万に使える馬だが、新潟辺りに出てくる様なら狙い目に。

サマースプリントシリーズ第2戦 第59回CBC賞(GⅢ)

ジャスパークローネ

‐8kg。数字は絞れたモノ。馬体が締まって来たのはいい傾向。少し気負っていた分、手先だけで歩いている様にも見えたが、気配そのものはスプリント戦だけに許容範囲。好発。テイエムスパーダやマッドクールの同型はゲートが決まれば行く手も有っただろうが、ゲートと出脚で決着を付けてハナ。昨年のテイエムスパーダ同様、一瞬でポジション争いに決着を付けたことで後続は無理が出来ず、自身を楽にした。道中はずっと単騎、直線を向いてマッドクールに前を追いかける脚がなく、更に楽になった。ただ、それだけ恵まれてサンキューユウガと1/2馬身差ということもいえる。手前を何度も替えていた点も関心しない。前走函館戦はゲートが決まらずに殿負けだったが、アテにし辛い。

サンキューユウガ

今回が初遮眼革。前肢にバンテージ。-8kg。前走阪神戦が太く、絞れたモノ。少し気負っていたが、これもスプリント戦だけに問題にはならない。ゲートは五分程度だったが、この馬より内枠の馬が出遅れていたことも有り、少し押した程度でジャスパークローネの番手。道中の行き振りは横に居たテイエムスパーダの方が明らかに良く、オッツケ気味だったが、遮眼革効果なのか前走阪神戦と比較すればかなりマシだった。ただ、直線に向いて伸び出すのは早く、坂を上り切って一瞬は勝ったかの場面だったが、ラスト150m辺りでジャスパークローネが外へヨレて来て、馬が逡巡したのが痛かった。立て直してからは猛追。惜しい2着。人気どころがハンデに泣いたことも大きいが、中京は走る。

スマートクラージュ

-8kg。これも絞れたとみていい。皮膚を薄く見せて、歩様もしっかり。ただ、後ろ蹴りが入る等、結構煩かった。これもゲート五分。両サイドに居たテイエムスパーダとマッドクールが速く、一歩引く形。全体で5番手辺りから。道中は少し掛かる位の行き振り。前に居た中では、行き振りが良かった方。直線に向いて追い出しを待つ余裕も有ったが、テイエムスパーダの内外で迷って、最初に内を選択して前が詰まる場面が有った。斤量を背負っていただけに、尚のこと痛かっただろう。最初から外を選択してスムーズに抜けていれば際どくなっていた。実質的な勝ち馬。これも中京は強い。

トゥラヴェスーラ

+4kg。馬体はキッチリ出来ていたが、微妙に歩様が甘い気もしないでもない。気配に乏しいのは毎度。ゲートも微妙に悪かったが、枠も遠く、押して何とか中段。何時もの出脚を考えれば、まだ今日は前へ行けた方。それでも今日は一度として、インへ入れる場面がなく、ずっと外を回されたのが痛かった。雨が残ればまだ違ったが、1分7秒台前半の決着になって、手も足も出なかった。中京実績の有るる馬だが、常に勝ち切れない。もう少し上がりが掛かってくれないと厳しい。

タイセイアベニール

2人曳き。遮眼革。-4kg。叩いて順当に良化。馬体が締まって、歩様もしっかりして来た。気配に乏しいのは毎度。出脚は速い方ではなく、中段から。道中の行き振りはそこ迄悪くなかったが、全体に反応の鈍さは有った。直線に向いてからも伸び出すのが遅かったが、ジリジリ伸びて掲示板は確保。この内容なら完全復調。ハマれば重賞でもやれていいが、今日の馬場だと少し時計が速過ぎたか。距離ももう少し有った方が楽。

マッドクール

2人曳き。+6kg。馬体が微妙に緩い割に、歩様が硬いのは気になった。どちらかだけなら問題ではないのだが...。58.5kgなのか、デキが甘かった分なのか、出脚が足りず、ジャスパークローネにアッサリやられて好位から。それでも道中の雰囲気は悪くなかったが、直線に向いて坂下辺りでバッタリ。ハンデは仕方がないところろとはいえ、重賞未勝利の馬が58.5kgは結果的に見込まれ過ぎたか。デキが有ればまた違った筈だが...。