Sakura Archives

競馬回顧 2024年4回京都

第65回宝塚記念(GⅠ)

ブローザホーン

前後肢にバンテージ。数字のない馬だが、トモが張って良く見せた。生涯最高に見えた前走の状態を維持。歩様も力強い。ゲートも微妙に分が悪かったが、外枠とこの馬場だけに、後方から。3角迄、ドウデュースの外からフタをする形になっていた。3角でドウデュースを見切って前を追い、4角で各馬が外に張り出して来て、直線はほぼ外ラチ沿い。通常なら厳しいパターンだが、直前で土砂降りになったのが味方した印象。最後に各馬の脚が上がる中、そこから1頭だけ突き放す脚が有った。陣営が吹いていたとはいえ、ガサがないので道悪はどうかと思ったが、走法と気性が合っているのだろう。尤も、前走も強い内容。能力もそれなりに高い。秋になって、東京の決め手勝負でどうなるかが焦点。

ソールオリエンス

少し頭が高いのは何時ものこと。その分、トモが甘い様に見える時も有るが、首が下がっている時はそれなりで、これで問題はなさそう。馬体も迫力が有って、良く見せるが、3歳時からの成長がない。ゲート五分。少し出して中段やや後方。ただ、ペースが遅く、3角から動いた馬が多い中で、ジックリと乗られ、最後方迄下がってからブローザホーンの後を追う様な形。メリハリを付けた競馬がいい方に出た様で、際どい2着争いを制した。ただ、恐らくは道悪は上手くない。中山で勝っているが、今日と同様にあくまで外からの追い込み有利の競馬になっただけ。かといって、東京だと前に居た馬に残られる可能性も高く、国内で勝ち切るのは相当条件が噛み合わないと難しい。

ベラジオオペラ

シープスキンノーズバンド。+12kg。数字分だけ少し余裕残しにも見えたが、これはこれで重量感が有って、悪くない。出方が真っ直ぐではなかったが、好発。恐らくは戦前からのプランのひとつとして有ったのだろうが、押して一旦はハナ。ただ、決勝線手前辺りで何頭か前へ行って、結局はその直後に控える形。鞍上の意識は割と外目に有った様で、早い段階で外へ持ち出していた。これは正解だったか。4角で直ぐ内に居たプラダリアも外へ張って来て、直線は馬場の7分どころ。プラダリアとの凌ぎ合いには競り勝ったが、更に外から2頭。飛び道具の様な感じで来られただけに仕方がない。ただ、距離に不安が有って、道悪は歓迎しなかった筈だが、踏ん張りが利いたのはデキがいいからこそ。あとは、ひと夏越してもこの精神面を維持出来るかどうか...。

プラダリア

後肢にバンテージ。前走阪神戦より集中力が有った。馬体はほぼ一緒だが、デキも高値安定。皮膚を薄く見せて、手先のスナップも利いていた。半馬身出遅れも、出ムチを入れて2番手。出して行っただけに、序盤に行きたがっていたのは仕方がないところ。それでも向正面では落ち着いており、ペース的にも向いたが、流石に各馬の仕掛けが早くなって、目標にされた分、苦しくなったか。せめて同条件で負かしているベラジオオペラには先着したかったところだが、僅かなところで追い負けた。道悪は得意で、今日は絶好の条件。色気を持って乗ったのが結果的に裏目に出た形。

ローシャムパーク

2人曳き。前肢にバンテージ。前走阪神戦は少しテンションが高かったが、今日は落ち着いていた。雄大な馬体の持ち主で見栄えはいいが、歩様が少し硬いのがマイナス。ゲートが少しヨレ気味だったことも有るが、行く気もなく後方から。出していない割に、序盤は少し行きたがっていたか。向正面から動いて行く形は前走同様だが、前走と違うのは他馬に警戒されていた点。べラジオオペラやプラダリアに抵抗されて、序盤のロスも響いて苦しくなった。ただ、直線はズルズル行きそうになりながら、最後の最後に盛り返したようにも見えた。底力は有る。国内でこの形が通用するとは思えないが、海外の手頃なところを選べば、何とかなりそう。

ドウデュース

下見所の外を周回して、キビキビとした動き。もう少し絞ってもいいだろうが、トモも張って、下見は抜群に良く見せた。ゲート五分。ただ、最近は行きたがる面が強く出ており、抑えて後方から。これ自体は何時ものことだが、ブローザホーンに横付けされて、内へ押し込められる形。ならばと腹を括って、直線迄動かず、内を突いたが、もうひとつ伸びなかった。道悪も良くないのだろうが、スローでコーナーで動かないと間に合わなないという側面も有ったか。能力検定としては参考外。今日のところはブローザホーンを褒めるしかない。

ジャスティンパレス

腹回りは微妙に余裕が有りそうだが、それでも良く纏まった馬体。しっかり踏めていて、これもデキにケチを付ける部分はない。ゲートは五分に出たが、押しても進んで行かず後方から。ただ、行き脚が付いてからは良過ぎる位の行き振りで、鞍上は宥め気味。坂の下りで動いて行く形も理想的だったが、4角で既にアラアラだった。道悪の適性が皆無なのだろう。これも参考外。

第29回マーメイドステークス(GⅢ)

アリスヴェルテ

胴長の馬で、ずっと細身に見せていたが、前走阪神戦から馬体をドッシリと見せる様になっている。毛ヅヤが冴えて、歩様も力強い。出脚自体は負けていないが、枠の分、ベリーヴィーナスが先行していたが、今日は決め打ちだったか、押してハナへ。序盤は掛かり気味の逃げで、1000m通過58.3秒と少し速い。その分、他馬のマークが甘くなり、楽に行かせて貰えた面も有ったか。それ以降もずっとワンラップで逃げて、4角で2番手以下に対し、5馬身以上のリード。直線は流石に脚が上がったが、それ迄の貯金が大きく、オイデオイデの大楽勝だった。若手ジョッキーが重賞を勝つ典型的パターンにハマった。馬場が乾いたのも味方しただろう。今日はそれ以上でもそれ以下でもない。出脚がもう少し速いと楽だが...。

エーデルブルーメ

今年に入って、何時もこれ位で走っているが、少し細く映る。もう10kg増えてもいい。少し馬のスケールで見劣る印象。歩様に硬さもなく、デキに問題はないが。1馬身出遅れ。枠も遠い上に、序盤から行きたがっており、宥めつつ後方から。向正面に入って、少し番手を上げて、中段。逃げ馬の存在は常に頭に有った様で、3角過ぎから前を追い掛けて、4角で好位。ただ、直線に向いて前に並び掛けるどころか、単独2番手に上がった辺りで、脚がなくなり、最後は後続に差を詰められ気味になっていた。とはいえ、今日はこれが最良の結果。脚を余して3着以下に落ちるよりは余程いい。とにかく2着確保した点を評価したい。馬を強くする競馬も出来た。次走狙い目。

ホールネス

数字は前走中京戦と大差ないが、今日の方が馬にメリハリが有る。ただ、集中力がない。妙に落ち着きがなかった。半馬身程の出遅れ。挽回出来る出脚もなく、中段から。ただ、内目に居たことが却ってアダとなり、今日は1角で1列下げられたのが痛かった。中々動くに動けず、3角過ぎから少し外へ出して追撃態勢を造ったが、他馬も前を追っているので、中々進んで行かない。逆にいえば、それで最後に際どく追い詰めた3着は好印象。過去4戦して、その内3回が左回り。右回りの経験が少ない点が出たか。これも今日はいい経験になった筈。次走狙い目と迄はいえないが、追い掛けて損はない馬。

ファユエン

京都初出走故に、物見は気にならない。首の長い馬だが、非力さはなく、馬体にメリハリが有った。1馬身出遅れ。大外枠だったことも有り、そのまま最後方から。向正面迄はコースロスなく、内目を進んで、3角から外へ。ただ、他馬も前を追っていたとはいえ、コーナーで積極的にマクる感じではなく、あくまで直線勝負。際どく差を詰めているが、競馬が終わった後。ただ、2着と同タイムだけに惜しい。何処かでチャンス有りそう。

ラヴェル

今日はいいところなし。この厩舎とはいえ、歩様が硬いのが特に気になった。2歳時から大して成長していないとはいえ、近走の中でも一層小ぢんまりと見せる。ゲート五分。この馬の出脚でジワッと好位。序盤はこのペースでも少し行きたがっていた様に見えた。3角から前を追った馬が多い中、インで脚を矯めて、ワンテンポ待ってからの追い出し。作戦としては上手く行ったが、一瞬だけ伸びて止まってしまった。レースもいいところなし。リバティアイランドに勝ったのが金看板の馬だが...。

コスタボニータ

+10kg。後肢にバンテージ。はち切れんばかりの馬体。その点だけをいえば、今日は何時も以上に良かった。ただ、歩様にキレがない。ゲートでアオって、後方のイン。道中の折り合いは付いて、只管内ラチ沿いを通って、直線だけの競馬。伸びていないこともないが、コーナーで外を勢い付けて回った馬には分が悪かった。ただ、ファユエンは外を回ったとはいえ、ほぼ直線だけの競馬。湿った状態で土曜日に競馬が有った影響で内外の馬場状態の差、更にはハンデ差も有るのだが、案外感も残る。

ミッキーゴージャス

+8kg。そこ迄悪くないが、馬体の張りが少し甘い。前走阪神戦の方が雰囲気は良かった。歩様は悪くない。ゲート五分。ハンデを背負っていたので、積極的に乗られて、3番手。深追いは避けつつも、今日はアリスヴェルテを意識して、正攻法。3角過ぎからは前を追っていたが、4角で既にアラアラだった。ハンデを背負っての正攻法が裏目に出た分も有るが、デキもなさそう。

第41回エプソムカップ(GⅢ)

レーベンスティール

2人曳き。前肢にバンテージ筋肉の輪郭が浮いて、トモのボリューム感も目立つ。馬は間違いなくいいが、何時になく気負っていた。好発も、出脚を使わず好位。道中の折り合いもスムーズ。鞍上は4角で勝利を確信した様で、この時点で既に外へ持ち出す程の余裕が有った。直線に向いて、伸び出すのも早く、59kgの分、スパッと切れる印象ではなかったが、ジワジワ脚を使って、ラスト150mで先頭。そのまま最後迄伸びて快勝した。道悪とはいえ、前走新潟戦が案外だったが、次元が一枚違うといわんばかりの勝ちっぷり。次走未定だが、今日の内容だけならGⅡ級。

ニシノスーベニア

前肢にバンテージ。-8kg。今年3戦目で全てマイナス体重だが、全部合わせて16kg減。ただ、もっと絞ってもいい位。まだ腹回りはダラっと見える。ただ、歩様の窮屈さがやっと抜けた。ゲート五分。外枠でも、出脚は速く、ジワッと好位。向正面半ばでアルナシームに外から来られて、少し連られそうになっていたが、アルナシームを完全に行かせてからは再び折り合っていた。直線に向いてからの反応は悪くなかったが、レーベンスティールの決め手が違い過ぎた。ただ、ラスト250mで左手前になり、苦しそうに見えたが、そこからの踏ん張りが有ったから2着に来れた。馬が強くなったというより、デキがいい。勢いが有る内に、タイトルを取りたいところ。

シルトホルン

-6kg。僅かながら、前走の方が良く見せた。数字は減ったが、少し馬体の張りが落ちた印象。その分、気配も落ちた。ゲート五分。出脚で1馬身抜けて一旦はハナ。ただ、直ぐに大外のセルバーグが来て、2番手で折り合いを付ける形。1000m通過58.3秒だから、ソコソコのペースだったことも有るが、リズム良く走れていた。直線に向いて少し外へ持ち出し、ラスト400mで先頭。そこから突き放す脚がなかった。逆にいえば、それで3着だから渋太く粘ったともいえるのだが...。良績は左回りの方多いが、脚質やレース振りから小回りの方が良さそう。夏のローカル重賞で狙ってみる手も。

サイルーン

歩様が窮屈に見えるのは何時ものこと。迫力が有るというタイプではないが、スッキリと見せて、デキに問題はない。ゲートは分がいい方だったが、出脚がやられ気味で、一旦引いて中段から。丁度レーベンスティールをマークする形で運ぶことが出来た。直線に向いた段階で1馬身後方。暫くは食らい付いていたが、ラスト200m辺りからジリジリ離され、最後は0.6秒差。ただ、決して止まってはいない。最後迄諦めずに走っていた。今日のところは、1800mへの経験不足が出た形。適性自体がない訳ではなさそう。

アルナシーム

前肢にバンテージ。寸の詰まった体型だが、数字の割にはボリューム感が有って、良く出来ている。しっかり踏めていた点も好印象。ゲート五分。出脚で外の馬にやられて一旦は中段。ただ、この鞍上だけに先々週同様の積極策。3角で3番手迄押し上げていた。これはこれで良かったが、直線に向いてから左手前のまま、伸びずバテず。矯めて乗っていたら、また違っていたかも知れないが、実績が示す通り、右回りの方が良さそう。

ヴェルトライゼンデ

-6kg。故障で1年以上の休み明けだが、ほぼ出来ていた。強いて言えば、馬体の張りが多少甘い程度。歩様も悪くない。ただ、何時もより煩い。ゲートは微妙に悪かったが、少し押して中段。ただ、今日は行き振りがイマイチで、一生懸命走ってやっと五分の追走。直線に向いてからもジリジリだった。ただ、最後迄諦めずに走っている。休み明けだけに何とも言えない部分も有るが、この内容だけをいえば、もう少し距離が有った方がいい。

ルージュリナージュ

後肢にバンテージ。何より気配が良くて、一歩一歩が力強い。馬体の張りも前走と変わらず。文句なし。この馬としてはゲートを出た方だが、微妙に出負けして、後方に近い位置。基本的には折り合いに苦労する馬ではない筈だが、道中は少し行きたがっていた。直線に向いて外へ持ち出し、その際にカレンシュトラウスと接触しているのだが、それにしても伸びなかった。もっと矯めた方がいいのかも。人気を背負って、色気を持って乗ったのが失敗か。

JRA70周年記念 サマースプリントシリーズ第1戦 第31回函館スプリントステークス(GⅢ)

サトノレーヴ

シープスキンノーズバンド。前走中山戦と比較して、今日の方が馬がシャキッとしていた。馬体に張りが出て、気合乗りも良くなっていた。ゲートが怪しく、押して何とか好位。序盤はそこ迄、手応えがいい様に見えなかったが、内を回った利はそれなりに有ったか、4角は持ったまま。ここで勝ちを確信出来ただろう。直線は少し待たされたが、ラスト100mでスッと抜けて快勝。ただ、このレースは枠に依る有利不利が大き過ぎて、良く分からない部分が有る。一瞬で軽く2馬身抜けた瞬発力だけは高く評価出来るのだが...。

ウイングレイテスト

前々走阪神戦と比較すればまだマシだが、まだ微妙に重い。やはり500kgは切った方が走れる筈。ただ、今日は動きに活気が有った。好発。ただ、59kgを背負って、そこ迄出脚に余裕がなく、押して好位。当然、仕掛けも早目早目で、4角手前から前へ押し上げて行く形。直線に向いて、先頭に立たんかのところでサトノレーヴが抜け出したが、、そこから追い付く脚はなかったのは仕方がないところ。今日はこれで充分といえる内容。ハナを切ると怪しい時も有るが、好位からの競馬なら、少々無理しても踏ん張りが利く。

ビッグシーザー

馬体が数字の割に目立たないのは毎度だが、少し歩様がゴツゴツしていた様にも見えた。満点はやれない。ゲートを決め、押して好位直後。流れには乗れていたが、4角での手応えが渋く、直線に向いてからも右手前のまま暫くモタついていたが、ラスト100mで左手前に替えて、グイッとひと伸び。無論、枠の分も大きいが、もう少しエンジンが掛かるのが早かったら、結果は違っていただろう。これが歩様が硬い分なのか、距離適性か微妙だが、仮に1400mに出て来る様なら、人気もないだろうから、狙ってみたい。

サウザンサニー

シープスキンノーズバンド。オーストラリアンブリンカー。前肢にバンテージ。+8kg。厳密にいえば、少し重いだろうが、スプリントなら許容範囲。しっかり踏めていたのが何より。半馬身出負け。押しても進んで行かず、後方から。こうなったらイチかバチかでインを突く外ないが、今日はサトノレーヴがスッと抜けてくれたことで進路が出来た。あそこ迄行けば、3着が欲しかったところだが、脚は持っている。オープン特別なら突き抜けても。

オタルエバー

数字は一緒だが、今日の方がトモに張りが有る。しっかり踏めていた点も好印象。最近の中では一番いい。ゲートで安目を売って、一旦は後方も、押して押して中段。これは結構脚を使った筈。4角迄インを回って、直線はビッグシーザーの内へ無理矢理併せて行く形。少なくともブレーキを掛けることはなく、捌いて来れたが、あと一歩だった。とはいえ、序盤のロスは相当有った筈で、北海道は得意。

アサカラキング

前肢にバンテージ。馬体は前走福島戦ともそこ迄変わらずこれでいいが、少し歩様が硬いのは気になった。スタート直後に躓いて出脚が鈍り、頑張って出して行ったが、2番手から。道中のリズムはそこ迄悪い様には見えなかったが、直線は全く伸びず。スタートのロスが痛恨。ベストはハナ。

第74回農林水産省賞典安田記念(GⅠ)

ロマンティックウォリアー

2人曳き。-12kg。日本馬相手でも迫力上位。馬体重の計測方法が違うので、数字はアテに出来ないが、地元の前走よりはスッキリ見せる。香港馬にしては歩様の硬さがないのもいい。ゲート五分。出脚は一番速かった位だが、急かさず好位。最近は2000mばかりを使われていたことで追走が懸念材料だったが、楽に行けていた。直線に向いて自然と前が開き、スパッと切れた印象ではないものの、最後迄ジワジワ伸びて快勝。1分31秒台の決着にならなかったことは味方したとはいえ、それは日本調教馬にもいえることで、単純に性能が違った。日本調教馬に先着されたことがなく、性能そのものが最上位なのは疑う余地もなかったが、出脚が速かったのも勝因のひとつ。阪神戦にも登録が有り、こちらはスキップする様だが、両睨みしてこちらを選択した陣営の判断も見事。

ナミュール

2人曳き。前走と比較して、馬体の張りは今回の方が良さそう。ただ、歩様は相変わらず少し硬い。満点はやれない。前走と比べたら遥かにマシだが、半馬身程の出負け。今日はその分、付いて行けて中段やや後方。馬群には取り付いていた。前走の失敗も有り、3角手前で一旦引いて、今日は最初から外へ回す作戦。流石に外へ出せば、他馬とは脚が違う。直線はソウルラッシュと一緒に良く伸びたが、そのソウルラッシュには先着したものの、前にはロマンティックウォリアーが居た。自分の脚さえ発揮出来れば、日本調教馬ではトップクラスの実力が有る。ただ、あくまでレベルが低い中での話。秋は連覇が懸かる京都戦が目標となるのだろうが、3歳馬との相手関係が焦点。

ソウルラッシュ

-2kg。前走京都戦は少し腹回りがボテッと映ったが、数字は大差なくとも、今日の方が明らかに締まって見えた。五分の発馬から中段。出脚自体は微妙だったが、道中も少しオッツケ気味には見えた。それでも直線は少し外へ持ち出されると、直ぐに加速。ナミュールと一緒になって伸びて来たが、最後はナミュールにネジ伏せられた。最初からここが目標だったこの馬と、前走も勝負だったナミュールとでは状態面にも微妙に差が有った筈。右回りの方がどちらかといえばいい馬だとしても、今日の負け方は言い訳がない。英国遠征が視野にある様だが、国内でダメ、香港にも強い馬が居るとなれば、その選択肢も当然だろう。

ガイアフォース

良し悪しは別にして、前走よりは大人しい。馬体もスッキリ見せているが、1年前よりは年齢を感じさせる。ゲート五分。この馬の出脚で中段から。トビの大きい馬だが、内目でもリズム良く走れていた。直線に向いて、最初に狙ったところが開かず、切り替える形となったが、ジワジワ伸びて昨年と々4着。昨年よりレベルが低いだけに、微妙な印象もない訳ではないが、芝,ダートの両方でちゃんと賞金を咥えて来れる点が何より。馬券的には扱いの難しい馬だが、連下には加えたいタイプ。秋の盛岡戦に出て来ると面白そうだが...。

セリフォス

前後肢にバンテージ。前走京都戦は明らかに余裕残しだったが、今日は大分改善出来ていた。ゲートの怪しい馬だが、今日は五分。しかし、鞍上に行く気がなく、後方から。バラけた位置迄下げた割に行きたがっていた。直線は一瞬だけ右手前になったが、直ぐに左手前に。内にモタれ気味でも有った。その割には伸びているが、競馬が終わった後。右回り,良馬場の方がいいとしても、前走の負け方がリズムを崩した感は強い。

第77回農林水産省賞典鳴尾記念(GⅢ)

ヨーホーレイク

2人曳き。首を下げて、気配は抜群に良かった。馬体に張りも有って、デキもいいのだろうが、この数字だと少し重い。1完歩目は少し分が悪かったが、直ぐに行き脚が付いて好位から。道中は良過ぎる位の行き振りだったが、動くに動けない位置で我慢は利いた。4角で自然と外が開いて、ラスト100mで先頭。そこでフワッとしたのか、ボッケリーニに猛追されたが、何とか振り切った。着差は僅かでも自力で掴んだ勝利ということに価値が有る。GⅠを目指す気は更々ないだろうが、ワンランク落ちるメンバーなら能力上位。とはいえ、故障がちの馬をここ迄、勝たせるのも陣営も立派。調教技量の進歩だけでなく、馬主も馬を大事にしているからこそなのだろうが。

ボッケリーニ

オーストラリアンブリンカー。季節が変わった分、毛ヅヤは良くなったか。ただ、今日は何時もより活気が有った。課題の歩様も悪くない。出脚はヨーホーレイクよりも余程速かったが、同馬主だけに話が出来ていたか、ヨーホーレイクを待って、その直後から。これも道中の行き振りが抜群に良かった。あとはヨーホーレイクに付いて行くだけだが、強いていえば4角で少し鞍上が慌てた様にも見えた。変に外へ持ち出そうとして、ここでヨーホーレイクと距離が出来たのが痛かったか。最後は惜しいアタマ差。内回りだけに仕方がないのだが、そのまま回って来ていれば違っていただろう。2着続きだが、こちらもチャンスは続く。

エアサージュ

後肢にバンテージ。前走中京戦とほぼ変わらず。腹回りはもう少しスッキリ見せてもいいが、一歩一歩が力強い。外枠とはいえ、出脚が抜群に速いという訳ではなさそうだが、押して好位。ペースが流れたことも有るが、こちらは少しオッツケ気味の追走。4角の手応えも、決して良さそうには見えなかったが、渋い太く伸びて3着。先頭に立たんかの場面で、ヨーホーレイクに捕まり、内からディープモンスターにも出られていたのだが、そこから差し返した点は特に高く評価したい。平坦で一瞬の脚が使えるというタイプではないが、簡単にはバテないのが特徴。外枠からの積極策と上手く噛み合った。一息入れる様だが、新潟に出て来るなら狙い目に。

ヤマニンサンパ

今年初戦だが、休養前よりむしろ良くなっている。歩様にキビキビ感が出て、馬体も締まって見せた。押しても押しても進んで行かず後方から。道中は内目を回って、リズム良く追走出来ていた。4角の手応えも良かったが、一瞬内を狙ってダメだと切り替えて、結果的に4角を回り切ってから外へ持ち出す形。当然ながら、これでは一手遅い。最後の脚は際立っていたが、脚を余した感は否めないところ。後ろから行けば、こうなるのは仕方がないのだが...。

ディープモンスター

+4kg。2月の小倉戦を取り消して、結果的にこれも今年初戦だが、こちらは少し余裕残し。それでも歩様に勢いが有って、充分走れる状態。直ぐ内のバビットには叩かれたが、この馬の出脚で、その番手から。ただ、道中は少し力んでいた様にも見えた。直線に向いて前も開き、一旦は抜け出す場面迄造ったのだが、最後は完全に止まった。道中、もう少しリラックスして走れる様にならないと。

バビット

2人曳き。下見では完歩の小さいタイプだが、今日は幾らかマシ。馬体は変わらず悪く見せない。若い頃より、むしろ重量感が増して良くなっている。好発を決めてハナ。1000m通過58.7秒。大逃げには持ち込めなかったが、良馬場だけに少し速い程度。そこから一息入れて、4角手前から突き放しに掛かったが、直線で踏ん張る脚がなかった。ただ、トビ自体は脚が上がった印象はない。大分良くなっている。ソロソロ一発も。