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競馬回顧 2024年3回小倉

サマーマイルシリーズ第2戦 第72回トヨタ賞中京記念(GⅢ)

アルナシーム

前走東京戦も数字の割に馬を大きく見せて、デキは良さそうだったが、今日もそのまま。歩様もしっかりしていた。ゲート五分。最初からハイペースが見えていたメンバー構成で、行きたい馬に行かせて中段から。1000m通過57.4秒の猛ラップを内ラチ沿いで脚を矯めつつ、3角過ぎから目標を探してエルトンバローズにターゲットを定め、4角を上手く捌いたのが最大の勝因。この馬のタイミングでも、少し早かった様にも見えたが、元々が善戦マンだけにこれで正解。エルトンバローズを交わして一瞬、フワッとし掛けたが、エピファニーを何とか振り切り、待望の重賞初制覇。仕掛けのタイミングが僅かでもズレていたら、結果は違っただろう。ただ、そういう馬だけに馬券的にはアテにし辛い。今後も入着止まりの競馬が多くなりそう。

エピファニー

2人曳き。前肢にバンテージ。緩んだところが一切なく、デキは間違いなくいい。ただ、歩様にバラつきが有る。この点は前走阪神戦も同様だったが...。一完歩目が遅かったが、急かさず後方に近い位置。このハイペースで課題の折り合いが付いたのは大きかった。あとはアルナシームに付いて行って、アルナシームは4角でエルトンバローズに行ったので、敢えて内へ。この立ち回りも上手く行ったが、先に抜けたアルナシームには僅かに届かず2着。最後はハンデ差か。条件が整えば、GⅡ級の能力は持っている。折り合いに難が有りながらいい決め手が有るという点で、同じく小倉で行われた32年前の覇者、レッツゴーターキンを思い起こさせる様な馬。勿論、現代では何が有ってもGⅠに手が届くということはないのだが...。

エルトンバローズ

遮眼革。少し腹回りは緩い様にも見えた。前走東京戦の方が所作も含めて、キビキビ感が有り、今日に関しては満点はやれない。ゲートが開いた際に、鞍上がバランスを崩して出脚が鈍り、中段。ただ、今日はこのハイペースで関係なし。道中はバラけた位置でリラックスして運べた。59kgを背負っていても、手応えは良かった様で、3〜4角中間から自力で前を捕まえに行く形。積極的に乗るのはこの鞍上のいいところだが、今日はこれが裏目。直線入口で抜け出したものの、そこからが甘かった。とはいえ、あくまで紙一重。馬も鞍上も責められないところ。

ロングラン

良くは見せないが、元々が数字の割に馬が薄いタイプ。縦の比較ではこんなモノ。ただ、今日は少し歩様が高い。1馬身出遅れ。そのまま最後方から。最後方でも、行き振りはいい方ではなく、道中はオッツケ気味。眼前のニホンピロキーフを目標にしつつ、馬場のいい外をずっと通って、そのニホンピロキーフは交わして4着。幾らハイペースになっても、小倉で最後方ブッコ抜きは中々難しいところ。この形を選択した中では最良の結果。馬は頑張っている。

ニホンピロキーフ

-6kg。前走京都戦から大きくは変わっていないが、数字分だけ少し馬が薄くなったか。歩様も幾らか硬く、デキに上積みはなさそう。ゲート五分。スタート直後は少し押していたが、それ以上に他馬が速く、結局は後方から。道中の雰囲気は悪くなく、3角から外を押し上げて、この回り脚もソコソコ速かったが、直線に向いてからがもうひとつ伸び切れない。これも外枠が宜しくなかったとはいえ、上位とはハンデ差が有り、案外感も有る。下見通り、デキが完璧ではなかったか。

サマー2000シリーズ第2戦 農林水産省賞典第60回函館記念(GⅢ)

ホウオウビスケッツ

2人曳き。毛ヅヤピカピカ。重厚感が有りながら、筋肉の輪郭がしっかり浮いていた。しっかり踏んで、何時も通り、淡々と歩いていた。ベストはハナの馬で、出脚も一番速かった位だが、アウスヴァールとは喧嘩せず、2番手でガッチリ抑える形。序盤は結構力んでいた。向正面に入って、前との距離を取り、そこで何とか馬も納得した様で、暫く脚を矯めて、4角手前からの追い出し。ラスト200mで先頭に立ち、あとは独走だった。馬が強いのは勿論だが、今日は戦前の作戦を完璧にこなした鞍上の手腕も光る。2番手で宥め切れなければ、終いの脚はなかった。この鞍上だけに、手が替わると動かないことが多く、次走も鞍上次第。

グランディア

前後肢にバンテージ。初コースの分、少し物見はしていたが、皮膚を薄く見せて、デキ自体は良さそう。歩様も悪くない。ゲートで外へヨレて、出脚が鈍り、中段から。只管インで脚を矯め、直線迄待ってからの追い出し。頭が高く、いい脚が長く続かないのだろうが、それを踏まえて一瞬の脚を生かす競馬が出来た。ただ、今日はそれ以上でもそれ以下でもない。内枠を引けたこと、脚を使わず4角を捌けたのが大きく、再度この策がハマるとは思えない。次走は人気に関係なく嫌ってみたい。

アウスヴァール

オーストラリアンブリンカー。+10kg。数字分だけ腹回りがボテッと映る。前走阪神戦の方がキビキビ感が有って、明らかに良かった。出脚自体はホウオウビスケッツの方が速いのだろうが、押してハナ。そのホウオウビスケッツがガツンと抑えたことで、1000m通過59.6秒とスローに近いペース。直線に向く迄、可愛がって貰えたのが大きかった。それだけに2着は確保したかったところ。絞れればもう少し違うかも知れないが、過去の戦績が示す通り、重賞ではワンパンチ足りない。

サヴォーナ

腹回りを見る限り、もう少し絞った方が良さそう。気配に乏しいのは仕方がないとしても、動き自体も重苦しい。オニャンコポンに出脚で叩かれ、中段やや後方。最初から外へ持ち出したかったよう様だが、内外前に馬が居て、中々思った様に乗れなかった。外に馬が居ない状態になったのは3角過ぎ。そこからマクる様に追い上げたが、今日は前が楽をしている展開で、差して来たのは競馬が終わった後だった。トビが大きいタイプで、小回りでも力任せの競馬が出来ればまだいいが、今日は内枠が余計だった。広いコースで改めて。

プラチナトレジャー

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。スカッと見せて、馬は良く見せた。歩様も悪くない。ゲートを真っ直ぐ出ず、出脚が鈍り、後方から。道中はリズム良く走れていた。インに居て、グランディアの後を追う形。グランディア同様、頭が高く、手応え程の脚は使えていない。これも重賞では足りないと見るのが妥当。次走は札幌2600m戦とのことだが、距離延長もあまり歓迎しない。

チャックネイト

遮眼革。毛ヅヤが冴えて、デキは良く見せたが...。迫力が有るタイプではないが、柔軟性を感じさせる馬体は如何にも小回り向き。斤量を背負っている分も有るのか、出脚は鈍かったが、押して中段。行き脚が付いてからの行き振りは悪くなかったが、3角からの手応えが案外で、置かれそうになっていた。直線に向いてからは多少なりとも巻き返しているのだが、今日の展開ではどうしようもなかった。本来は器用なタイプだけに、意外な内容。ハンデが応えた?

トップナイフ

下見所の外をキビキビと周回。今日は気配が良かった。緩んだところは一切なく、トモの甘さもマシになった。最近のこの馬としては、ゲートを出た方で、出脚も有って好位から。道中は悪くなかったが、4角手前辺りから付いて行けなくなり、直線もサッパリ。下見は良かったが、これも少しハンデが見込まれていたか。

第56回函館2歳ステークス(GⅢ)

サトノカルナバル

新馬の東京戦からソコソコ出来ていた。大物感の有るタイプではないが、歩様にもブレがなく、完成度も高い。落ち着いていた点も好材料。ゲートの態勢が悪く、スムーズに出られた訳ではないのだが、出脚で立て直して好位。上手く流れに乗れていた。流石にコーナーでは、少しオッツケ気味で、4角の段階では少し苦しい様にも見えたが、直線に向いてからは地力の違いで伸びて来た。陣営は短距離向きと判断して参戦して来たが、今日の内容だけをいえば、絶対能力で押し切った感が強い。最近はレースの選択肢が無数に有って、何処を使うのか分からないが、相手が強くなることだけは間違いなく、次走は試金石。

ニシノラヴァンダ

前後肢にバンテージ。数字の割には馬体が纏まっていて、良く出来た馬。ただ、歩様も新馬の時は明らかに甘かったが、幾らかマシになった。ゲートは少し分が悪い位だったが、行き脚が付いてからが速く、1F手前でハナ。前半600m34.0秒だから、平均ペース。単騎で行けた利は大きかった。サトノカルナバルがコーナーでモタついていたことも有り、だからこそ今日は勝たなければいけない一戦。速いことは確かだが、踏ん張り切れなかったのは頂けない。尤も、サトノカルナバルは例年なら居ないレベルの馬。実質的な勝ち馬ということもいえるのだが...。これも違う意味で、次走が試金石。

エンドレスサマー

+8kg。新馬が明らかに緩い状態での馬体増は歓迎しない。見た目にも全体に厚ぼったく映る。その分、歩様にもキレがない。ゲートは後手に回ったが、出脚と枠の利で好位から。新馬は逃げる形だったが、この形でもスムーズに走れていた。4角の手応えも悪くなかったが、直線に向いて前が開いてからの加速が鈍く、ニシノラヴァンダが捕まりそうで捕まらなかった。ただ、反応の悪さが太い分なのか、この形に経験がなかった影響なのか、何とも言えない。馬体を絞って改めて。

ヤンキーバローズ

2人曳き。寸の詰まった体型。トモのボリューム感は有るが、前肢が負け気味で、まだ馬は若い。気配はギリギリ。現状だと集中して歩けていたということにはなるが、テンションはこれ以上、上がらない方がいい。ゲートは五分に出たが、進んで行かず後方に近い位置。3〜4角中間から押し上げて行ったが、中々前に追い付かず、伸び出したのは直線に向いてから。良く伸びているが、前が残る展開で、これでは厳しい。もう少し距離が有った方がいい。

カルプスペルシュ

前後肢にバンテージ。緩んだところもなく、スカッと見せていた。ただ、未だ歩様や所作に力が付き切っていない感は有る。出脚は速い方ではなく、何とか中段。インへ上手く潜ってセコい競馬は出来た。早い段階で相手をサトノカルナバルと決めていた様で、上手く付いて行く形に持ち込めたが、直線に向いて直ぐの脚が違っていた。競馬は上手く行っただけに完敗。競馬は上手いので500万は何とかなると思うが、まずは成長が欲しい。

サマー2000シリーズ第1戦 第60回七夕賞(GⅢ)

レッドランディエス

前肢にバンテージ。-8kg。皮膚を薄く見せて、今日に関しては目一杯仕上げたという評価でいいが、少し細い位の仕上がり。気配も良かった。ゲート五分。行こうと思えばもう少し行ける出脚が有った筈だが、あまり行く気なく、中段やや後方から。バビットが引っ張って、それに好位勢も有る程度、付いて行ったことで、1000m通過57.4秒とハイペース。一時は前と15馬身以上の差が有った。3角過ぎから前は追っていても、4角でもまだ前とは5馬身程の差が有ったが、1頭違う脚で真っ直ぐに駆け抜けた。故障がちの馬だが、これで2戦目の未勝利から11戦連続馬券圏内。単純に強いということもいえるが、競馬が上手いのが何より。

キングズパレス

前肢にバンテージ。シープスキンノーズバンド。馬体にメリハリが有って、前走新潟戦の状態を維持。しっかり踏めていて、集中して歩けていた点も好印象。この馬自身の出脚も速くないが、両サイドから締められそうになり、一旦引いて後方から。レッドランディエスを追う形で乗られた。今日のハイペースならこれでいいのだが、道中は少し内へモタれていた様にも見えた。コーナーでも必死に前を追っていたが、ステッキが飛んで手応えがもうひとつ。直線も内にモタれるのを矯正しながら伸びているが、レッドランディエスに並び掛ける迄には至らなかった。右回りでも走れるが、癖がないのは左回り。新潟戦か中京戦に出て来る様なら狙い目に。

ノッキングポイント

-8kg。数字分だけトモの張りが落ちた気もしないでもないが、少し煩いのは元々。ただ、今日は少し歩様が硬い。ゲート五分。この馬の出脚なら楽に好位に取り付けられた筈だが、一瞬引っ掛かりそうになり、出脚を使わず中段から。今日はこれで結果的に正解だったか。ただ、4角の手応えは決して悪そうには見えなかったにも関わらず、直線に向いてからの加速が鈍く、一旦呑まれてから巻き返しての3着。基本的には広いコースの方がいい馬だが、小回りで走れたのは復調しているということなのだろう。これも次走新潟なら面白い存在だが、残念ながら故障が判明。

ダンディズム

スカッとした造りだが、これも少し歩様が硬いのは気になった。馬体にも少ししなやかさがなくなった感が有る。出遅れ1馬身不利も、出して行って好位。出して行った割にはリズム良く走れていた。勝負どころの手応えも有り、4角手前から積極的に前を追って、自力で勝ちに行く形。決め手がないが故の積極策だが、流石に早過ぎた感も。ラスト100mで先頭に立たんかのところで止まってしまった。とはいえ、2月の小倉戦の様に早目進出がハマる時も有り、鞍上は責められない。あの機動力は武器になる。

リフレーミング

少し脚が短いタイプの馬だが、胴長でしっかり踏めていた。馬体の張りだけでいえば、前走新潟戦よりも良かった。出遅れ1馬身不利。そのまま後方からジックリと。序盤は少し力んでいた様にも見えた。3角の段階では内目を突くつもりだったのだろうが、3〜4角中間でキングズパレスに内からパスされてワンテンポ待たされている間に、内目の進路がなくなり、結局は外へ。最後は伸びて来ているが、勝負どころでのロスが痛かった。これは騎乗ミスといわれても仕方がないところ。馬は責められない。

JRA70周年記念 第29回プロキオンステークス(GⅢ)

ヤマニンウルス

前走京都戦は少し馬が緩い様にも見えたが、今日の方が馬は張っている。これだけの大型馬だけに、中々キッチリ仕上げるのは難しいのだろうが、良く出来ていた。歩様に硬さがないのもいい。ゲート五分。外からブルーサンに叩かれる形にはなったが、急かさずとも上手く立て直して好位を確保。前がバラける展開となり、リズム良く走れていた。4角手前から後続を待たずに動いて、4角で先頭。直線は独走だった。これで初重賞制覇。次はGⅠということになるのだろうが、右手前のままだったとはいえ、4角の手応えを考えると、もっと突き放してくれても良かった。まだ本気で走っていないのかも。揉まれていない点も、今後どう出るか...。

スレイマン

遮眼革。前後肢にバンテージ。腹回りは少しボテッと映るが、これでもまだマシな方。それでも、緩い印象はなく、歩様も力強い。好発。鞍上は最初から外を見て走っており、決め打ちでヤマニンウルスをマーク。3角で少し前との差を詰めて行ったが、被せるだけの脚がなく、直線は雪崩れ込んだだけだった。完敗の2着。ただ、これも右手前のまま。今日は相手も悪かったが、重賞で勝ち切るにはもうワンパンチ欲しい。

マリオロード

遮眼革。-12kg。明らかに腹回りボッテリ感がなくなった。歩様にも軽やかさが出て、前走阪神戦とは別馬。ゲートは五分に出ているが、出脚がなく後方のイン。1000m通過58.7秒と、ソコソコ流れたことも有るが、前がバラバラの展開。然程、砂を被らずに回って来れた。4角で馬群が固まって、少し待たされたのは痛かったが、直線に向いて内目から脚を使って3着。スレイマンとは3/4馬身差だから惜しい内容。最内枠を生かせる展開になったことと、デキが良くなっていたことが大きい。

ハピ

前後肢にバンテージ。馬振りは例に依って目立つ。ちょっと歩様が硬い気もしないでもないが手先のスナップは利いていて、問題ない範囲。ゲートで微妙に後手に回ったことも有るが、行く気もなく後方に近い位置。早目に外へ持ち出して、何時でも動ける態勢に。3角辺りから前を追って動いて行ったが、ステッキを入れて付いて行くのがやっと。外を回されたことも有り、直線も中々前に追い付かず、最後は脚色が一緒だった。小回り不向きは最初から分かっていたことで、もう少し初手から前で闘っても良かったか。能力は高い馬だが、勿体ない。

ゲンパチルシファー

前走阪神戦が-12kgで、今回はそこから-10kg。シルエット自体がそこ迄、変わった訳ではないが、緩さがなくなった。絞れた分か、歩様にもキビキビさが出て来た。ゲートは出ているが、全く行く気なく後方から。道中はマリオロードの後を追う形。4角でマリオロードの前が詰まった際に、上手く外へ避けて差して来たが、ここ迄。2年前の覇者で、当時より速い時計で走っている点は評価出来る。重賞で勝ち負けとなるとかなり厳しいのが現実だが、この条件は走る。

JRA70周年記念 第73回ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

オフトレイル

+10kg。馬体が増えたのはいい傾向。ただ、寸が詰まったマイラー体型。その分、歩様も窮屈だが、硬さがないのはいい。一完歩目が遅い上に、出脚も鈍く、最後方から。それでも序盤から結構行きたがっていた。3角手前で手綱を緩めて徐々に外を進出。サトノシュトラーセに寄られて余計に外を回されているのだが、それでも差し切った。開幕週に施行する様になって、単なる小回り巧者の活躍が目立つ様になったが、追い込みで勝った点は評価したい。ただ、操縦性は悪そうで、メリハリを付けた競馬は出来そうにない。コース不問で走れる様になるには、気性面の成長が欲しい。

シリウスコルト

前肢にバンテージ。+6kg。目下成長している段階。筋肉の輪郭が浮いて、現状のデキは悪くないが、まだ力が付き切っていない。ゲートは微妙に分が悪かったが、最内枠の利は大きく、中段位置を確保。枠なりに内目を回っていたが、序盤は少し行きたがっていた様にも見えた。3角過ぎから内目を進出。一瞬の反応は悪かったが、行き脚が付いてからは速く、しかも今日は内目1頭分が何故かガラ空きで、直線入口で先頭集団に。逃げたメイショウヨゾラとの併せ馬はラスト100mで競り落として勝ったかの場面だったが、最後にオフトレイルの強襲に遭い2着止まり。惜しい競馬。ただ、最高に運んでいた利は相当。それで勝てないのだから、程度は知れている。

ヤマニンアドホック

パシュファイヤー。+8kg。小ぢんまりとした馬だが、馬体にメリハリが有って、デキはいい。気配も良かった。ゲートは決まったが、最初から行きたがっていて、宥めつつ好位直後。マクりに行った馬も居たが、ワンテンポ待ってからの進出。直線入口で少し置かれていたが、最後に脚を使って3着浮上。これも序盤はもう少し落ち着いて走れる様にならないと厳しい。次走1000万で人気になるならむしろ嫌ってみたい。

メイショウヨゾラ

前後肢にバンテージ。バランスの取れた造りで、一見すると良く見せる。ただ、歩様は少し非力。好発。出脚も速く、ハナへ。1000mn通過58.4秒だから極端に速いという訳ではないが、単騎で行かせて貰えた。開幕週の小回り戦だけに早目に動いて来る馬が居るのは仕方がないところだが、この馬自身が少しペースを上げた程度で、マクられる迄行かなかったのは幸いだった。直線入口で突き放す形も理想通りだが、その割に粘りがなく4着止まり。ハンデも恵まれていただけに案外感が強い。まだこのメンバーでは通用しない。

ショーマンフリート

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。-6kg。緩んだところもなく、スッキリと見せていた。集中力も有って、デキは文句なし。歩様もスムーズ。ゲート五分。出脚にも余裕が有ったが、外枠だけに無理せず、後方に近い位置からジックリと。前が楽をしている展開は困っただろうが、眼前のジュンゴールドが動いてくれて、それに付いて行く形。ただ、トビが大きくて、小回り向きではないのか、直線に向いてからもモタモタ。最後迄止まってはいないが、更に後方に居たオフトレイルには並ぶ間もなくやられていた。現状は広いコースの方がいい。

サトノシュトラーセ

胴長の馬体。ゆったりとした造りの馬だが、それにしても完成度は低い。歩様にも芯が入っていない印象。ゲートのタイミングは上手く合わせたが、出脚がサッパリで後方から。今日は最初から何処かのタイミングで動くつもりだったか、基本的には外を通って、向正面半ばから動いて行く形。ただ、直線部分はまだしも、コーナーでの脚がサッパリで、競馬にならなかった。馬もまだ若いのだが、ここ迄ダメだと、最早使う方が悪いといわざるを得ないレベル。

サマースプリントシリーズ第2戦 第59回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

ピューロマジック

前後肢にバンテージ。腹回りに牝馬らしい部分も有るが、トモが張って、馬振りは古馬相手でも負けていない。少し歩様にブレは有ったが、気配は前走京都戦と変わらず。ゲート五分も、一瞬の出脚で2馬身近く抜けた。唯一、抵抗しそうな素振りが有ったテイエムスパーダも引いて、単騎逃げの形。パンパンの良馬場ではない中で前半3F32.3秒は中々のラップ。4角手前で突き放したというよりは、最早後続が付いて来れなかった印象。この馬自身も脚が上がっているのだが、ヨシノイースター以外は、それ以上に止まっていた。評価が難しい内容。前走京都戦で述べた様に、出脚が抜群に速い点だけは評価出来るのだが...。

ヨシノイースター

前後肢にバンテージ。-4kg。一息入ったが、馬体にメリハリが出て、馬は良くなっている。ただ、元々気配の薄いタイプにしても、大人しかった。好発。出脚もソコソコ有りそうで、内の出方を窺いながら、ジワッと好位。他の好位勢が4角手前で脱落していく中、唯一ピューロマジックを追い掛ける脚が有り、直線はジリジリ差を詰めていたが、並び掛ける迄には至らず。重賞で勝ち切れる馬ではないだろうが、中々渋太い。過去の戦績から時計には限界が有りそうだが、今後も展開ひとつ。

モズメイメイ

+12kg。数字が増えた分だけトモに張りが出た。常に歩様がネックの馬だが、今日は一息入れた効果か、歩様が良くなった。半馬身程の出負け。ゲートが悪いのは何時ものこと。ただ、意外に出脚が有って、中段位置を確保して流れに乗れたのが大きかった。3〜4角の手応えは流石に渋かったが、他馬はそれ以上で、内目に居た分、最後に脚が残っており、3着浮上。久々の好走だが、デキが良くなっていただけでなく、これも少し時計の掛かる馬場が味方した。

カンチェンジュンガ

+2kg。前走中山戦は妙に腹回りがボテッと映ったが、今日は幾らかマシ。ただ、少しトモが甘い様な歩様は気になった。ゲートは五分も、押してもあまり進んで行かず、徐々に番手が下がっ直て、3角では後方。ただ、今日は上位2頭以外は前崩れの展開。これはこれで脚が矯められていたか。直線に向いて伸びていたが、ラスト100m程で内外を切り替える場面が有ったのが痛かった。それがなければ3着有ったか。違う競馬をした結果なので、能力評価はし辛いが、代打の鞍上は好騎乗。

ショウナンハクラク

前後肢にバンテージ。前走新潟戦より明らかに馬が緩い。しっかり踏めていて、気配も今日の方が良かったが。ゲートは微妙に分が悪い程度。どちらかといえば引っ掛かる位の馬だが、今日はむしろオッツケ気味。ただその分、上位馬と比べると、外を回されてしまった印象も。不利なく回って、直線に向いてからも伸びているが、距離損が有った分、最後に甘くなった。着差通り、3着以下に力量差はなく、今日はデキが甘かったことも有り、今後も展開ひとつ。

バースクライ

+12kg。数字は増えたが、見た目には前走中山戦以上。これ位の方がトモに張りが出ている様に見える。少なくとも下見にケチを付ける部分はない。好発。ジワッと乗られて中段から。序盤のリズムは良かったが、結果的にダラダラ脚を使う形になってしまったか。直線は全く伸びず。今日は参考外。

グランテスト

前後肢にバンテージ。+8kg。前走京都戦が+10kgで、また馬体増。流石に少し緩慢にも映る。手先のスナップが利いて、歩様は悪くないが。ゲート五分。スタート直後から掛かり気味。少し外へ張り気味にも見えた。それでもインに居て、直線に向いた段階では勝負圏内だったが、追って案外。デキが本当ではなかったか...。