「東京ダートGⅠ」この条件に全てを託すウイングアロー。ただ、本来マイルは置かれる心配が有り、しかも東京独特のコース形態に内枠で更に不安倍増。加えて今回は休み明け。元々太目の残り易い体質でドバイへの叩き台という側面も有る。流石にここまで不利な条件が揃うとどうかとも思うが、「東京ダートGⅠ」に相応しい馬はこの馬だけだ。
「東京ダートGⅠ」のGⅠの部分で若干劣るだけのサンフォードシチー。とは言ってもGⅠの部分が占めるウェイトは途方も無く大きいのだが、昨秋から今季に掛けて折り合いに進境、距離も自在。東京で5戦して1回も連を外さなかった巡り合わせに賭ける手も。
ここは目先を変えてきたトゥザヴィクトリー。この手のダート挑戦は得てして失敗に終わるモノだが、過去敗れ去った馬達は何故か差し馬の内枠ばかり。今回は先行馬の大外、しかも逃げ馬不在の展開予想。これなら芝の部分でアドバンテージを奪ってしまえば一人旅も可能。圧勝か惨敗のどちらかだろうが、レースを俄然面白くする存在になってきた。
ファストフレンドが昨年と同じ最内枠。昨年の場合、結局置かれてしまって枠順は関係無かった。今年もそんな展開ならば台頭のシーンも有り得るが、昨年はキョウエイマーチの逃げをメイセイオペラが潰しに行ってとかなり激しい展開。今年はそこまでは期待出来ないだけに。
昨年2着のゴールドティアラ。前走は落鉄も有ったらしいが、要は早目の競馬が裏目。馬はフレッシュそうで、今回は55kgだけに一応一角崩しまで。
昨年の覇者ペリエの乗るノボトゥルー。東京ダートでペリエが乗るとどんな馬でも圏内に持って来る怖さが有るだけに、力は足らない筈でも押さえには。
ここまで相手が弱くなればナリタトップロードで勝てる。あまり荒れた馬場はどうかと思うが、実績の有る京都で外枠。空き巣狙いと揶揄されるのは百も承知だろうし、また事実そうだろう。だからこそここで負けていては話にならない。
相手にも無論ダービー馬アグネスフライト。前走JCは全く競馬にならなかったが、やはり菊花賞も含めてデキに問題が有ったと見て良さそう。このカテゴリーの4歳馬が尽く古馬相手に分が悪いので、この馬とて例外で無い可能性も有るのだが、とは言ってもナリタトップロード以外は誰もいなくなったGⅡ。無様な競馬をする訳にも。
この2頭が大本線で以下は押さえに、距離延長は歓迎、矯めるだけ矯め込んでグレイスナムラ。逃げてタガジョーノーブル。
何れも僅差勝ちだが、デビュー以来3戦3勝。通常は競走センスの高さと表現される処だが、レース内容はどうも荒っぽいシャワーパーティー。それだけに逆に潜在能力の高さが窺える。ここは一気の相手強化の感も有るが、馬体だけは並のGⅠ馬でも霞む位だけにそこまでの奥行きを見込んで◎。
そしてあとは相手探し。恐らく競走センスでは◎馬より上のアグネスゴールドだが、前走はダイイチダンヒル徹底マークが功を奏した形。とはいえ、この時期にそんな競馬が出来るのは大したモノ。課題は過去2戦がスロー。ここは多少速めの流れが予想されるだけにペースに対応出来るかどうか。
京都2戦2勝のタイムトゥチェンジの前走は外枠で後手を踏んで流れに乗り損ねた印象。得意の京都で内枠、瞬発力を生かせそうだが、ただ秋とは違って京都もかなり馬場が痛んできた。見た目には非力な印象も有るだけに、荒れ馬場の適性如何。
そういう馬場が上手そうなのはマイネルカーネギーとダービーレグノの2騎。特にマイネルはこの長距離輸送が良い方に出る気もしないでも無いだけに。
内枠引いてしまった故ゲートが鍵になるが、スタートには定評の有るデムーロ。逆に根岸Sで上手く立ち回った内容を高く評価して、ここはノボジャックに期待。前走は力負けの内容だが、カネツフルーヴ回避で人気馬が何れも差し・追い込みタイプ。1F延長は問題無さそうだけに、ここはチャンス。
相手には初ダートもエイシンルーデンス。ここはただでさえ単騎濃厚な組合せ。加えて、スタートして直ぐの芝の部分で上手くアドバンテージを奪えれば、楽逃げの展開も可能だ。この距離短縮も良い方に出ると信じたい。
従って、一番人気が予想されるヒダカクラフティーもこの評価。前走負かしたハギノハイグレイドが重賞で勝ち負けしていただけに、オープン特別ではといった感も有るのだが、この距離短縮に加えて、この枠で意外にスタート上手くない安藤勝己騎手。捌き損ねる心配も有って、その分が割引。
逆にメイショウタツジンのこの枠は有り難い。準オープンとはいえ、同じ京都7F戦を勝ってきたのは魅力。ただ、あのメンバーでハンデ54kgだったのに対して今回53kg。若干ハンデが見込まれた気がするのは気の所為か?
昨年は道悪を利して2着のトロットスター。あれから一年、地力強化目覚ましく、目下連勝中。右回り云々は脚元に不安が有るという訳でも無いので、その点は心配無し。スプリント界の世代交代の旗手と言える存在だけに、こんなところでは負けられない。
相手にはイマイチ波に乗り切れないものの、実力は持っている筈のタイキトレジャー。前走は挟まる形で位置取りが悪くなりその分届かなかったが、逆に言えば4着まで押し上げてきたのが実力の証。調教が例の藤沢流だけにデキの判断し辛いのだが、それでも本数だけは整えてきた。トロットスターはともかく、それ以外とは力量差認めて。
一応上記2頭が大本線となるが、前走は変について行って失速の形、今回は追い込みに全てを託すゲイリーフラッシュの突っ込みに警戒。人気のタイキとトロットがかなり早目の競馬になりそうなだけに、それを利用して差す有利さが有る。
あとは押さえで、地力強化したバーガンディレッド、競走除外の淀短距離S辺りから復調の兆しジョープロテクター、単騎のテネシーガール。
良馬場発表でもインコースの悪い馬場状態、何処を通ってくるかが焦点になりそうだが、その意味では外枠引いたメイショウキオウに期待。本来使いたかった羅生門Sの影響は、攻め馬を見る限りにおいては無い。前走の新春Sで先着されたグレイスナムラは重賞まで持っていってしまった。ここはそこまでの器の馬はいないだけに。
対抗格にはタイキリメンバー。本来1F短い前走でも3着に突っ込んできた辺りに自力強化の跡が窺える。今回は適距離のマイルで斤量も1kg減。◎に最も相応しい馬とは思うが、この枠順がどうか。
同じ内枠でも追い込みに徹すればオルカインパルスは枠順の心配はいらないだろう。マイルでもそれなりに駆けているが、正直デキに疑問も有って...。
大穴だが、サンライズマーチの突っ込みに警戒。ダートを連勝中でも、芝は未勝利だが、ソコソコには来ている。実は距離面にも不安は有るのだが、目下絶好調だけにこの勢いで。
前走に好感を覚え、そして道悪。ここはタイキダイヤに期待。元々スプリンターの印象だが、前走はトゥザヴィクトリーに相当早めに来られながらのあの頑張り。昨日の傾向は後ろの馬が伸びそうで伸び切れない競馬が目立っていただけに、この脚質も好都合。
逃げ馬エイシンルーデンスに要注意。◎馬の項で述べた通り、ここまで馬場が悪くなると先行しなくては勝ち負けには加われない。前走は相手も強すぎた事だし、下手な逃げを打ってしまった事も影響している。この相手も結構骨っぽい気もするが、それでも前走の事を思えばかなり相手は弱化した。◎−○の「行った行った」の線がかなり濃厚。
以下は押さえ程度に、あまりこの馬場苦にしなさそうなハギノスプレンダー、エンゼルカロの2頭を。
松田国英厩舎、看板馬2頭使いだが、中でもやはり次元の違う末脚ブロードアピールに注目。前走はただ単に手前の問題で気にしなくても良い。この馬にとって東京7F戦は芝コースだと若干直線が長すぎる印象も有るのだが、少しでも直線の短いダートならばそれも大丈夫だろう。ここはこの馬の瞬発力を拝見するレース。
相手にも同じ松田国英厩舎、ゴールドティアラ。前走は放馬で競走除外だが、恐らく押せ押せだっただけに何処か苦しい所が有ったのは想像に難くない。ここは仕切り直しの一戦で、4戦4勝の1400m。とはいえリフレッシュされたのは確かでも、やはり休み明けの分、割り引いて。
3番手評価にトキオパーフェクト。昨年のこの時期、この条件で、岡部騎手に「競馬は面白いよね」とまで言わせた、60kgを背負いながら圧勝したシーンが強烈。今回はあれ以来のダート、攻め動いて当時と同じ岡部騎手だけに穴で一考。
サンフォードシチーは距離延長が心配されたJCダートで、矯めるだけ矯める競馬が功を奏して2着。マイルベストの馬だが、この距離(3,2,1,1)だけに、少なくとも前走よりは条件が好転した。東京良績の馬だけにここは人気になりそうだが、どうもデキに疑問符が付く。
ビーマイナカヤマの前走はコース相性だけで勝った様な語られ方だが、一昨年はともかく、昨年は東京(しかもGⅠで)でもそれなりに駆けていた。ここは人気の盲点になりそうなだけに怖さが。
押さえに力不足を承知で、東京ダートコースの鬼ペリエ騎乗のノボトゥルー。