昨年の覇者、スティンガーがその時と同じ17番枠。がしかし、昨年は天候不順で馬場状態に問題が有って差し馬有利な馬場だったし、展開そのものがズバり嵌った。今年は絶好のパンパン馬場。最近多いスローでこその差し馬だけに、これだけ先行馬が揃ったのも悪材料。ただ、昨年このレースの回顧で述べた「東京7F戦はコース形態から速くなりようがない」のは確かで、ハイペースにはならないかも知れない。それでも、少なくとも息の入らない流れは予想され、そうなってしまえばこの馬にはキツい。▲止まり。
逆に、◎馬には勢いを買ってスカイアンドリュウ。正直、まだこの馬には、この限りなくGⅠに近いGⅡで通用するだけの破壊力が有るとは思えないのだが、しかしながら東京の我慢比べに絶好の攻め内容で気力充実、有力処が不安材料を相当に抱えていて、我慢が利かない可能性が高いだけに、この馬をクローズアップしたい。
対抗には比較的死角は少ないブラックホーク。とはいえ、やはり過去の遺産で闘う馬、狡猾さでどこまで誤魔化すかだが、破壊力に欠ける印象は否めないだろう。ポン駆けも利き、デキだけを言えば1,2だが。
昨年3着のタイキブライドルも侮れない。郷原騎手がどう我慢するかがポイントになってくるが、常識的には昨年同様にインで立ち回る策だろう。調教量万全、加えて元来鉄砲も利くタイプだが、これもブラックホーク同様に騙し騙し乗るタイプの馬、休み明けは勢いが無いだけに辛い。
エイシンプレストンは前走でキッカケを掴んだが、その前走はあまりに相手が弱かった。ここは一気の相手強化、何故か相手が一線級になるとデキが悪くなる不思議な馬だが、今回に限ってはそんな事も無いだろう。とはいえ、やはり今まで一線級の力を証明した事は無い訳で、追試は続く。
テスタロッサは結果が良ければ安田記念だそうだが、輸送と東京の時計勝負が鍵。トラックバイアスを生かして流れに乗り切れれば台頭のシーンだが。
大穴にはインで矯めて切れるジョンカラノテガミ。
安藤勝己騎手が乗って(4,1,1,0)のクルーピアスターだが、現実的に考えてスタート下手な安藤騎手に出負けの多いこの馬、果たして...の感が強い。それでも、安藤騎手で2戦2勝のこのコース、巡り合せの良さに乗っかる手も有ろうが、やはり常識的にはスタートが鍵。その分、一枚割り引きたい。
逆にこの距離堅実なオカノスピカ。今週からDコース使用でペースも落ち着きそう。甘い事は甘いが、準オープンでこの距離にして、12頭立てで済んだケースも珍しい。千載一遇とまで言い切れるかどうかは微妙だが、かなり条件揃った印象でこれを◎。
どうもあと一押しが足らないタイキリメンバーだが、如何せん非力で、パンパンの良馬場でないと力が出せない。加えて早めに動いてしまうと伸び切れない面も有り、その意味からこのハンデは多いに疑問だが、あと一歩で負けた馬の名前には重賞級がズラリ。
力は準オープンでも通用する筈、それ故これだけのハンデになった訳だが、あまりにハンデ見込まれた印象のマヤノトライミーは、時計勝負に疑問符が付く。それならば、1F延長が鍵も、切れるラパシオンを。
前々日の前売り単勝オッズが1.2倍。果たしてそこまで堅いかとなるとエクスキューズが付くが、それでも一応クロフネの力を信頼。超ハイペースに巻き込まれた時、左回り、そしてストライドが大きいだけに内枠で揉まれ込んだ時、というのが主な不安材料だが、このメンバーならばそれ程速くはならず、ある程度自在に動く事も可能なのと、広い東京A1コースが相殺してくれるので、比較的不安材料としては薄い。正直何かにやられそうな気もするのだが、一応の中心馬。
相手も一応順当にネイティヴハート。しかし、前走は勝てるレースを落とした形だが、それだけに菅原勲騎手はこの馬の能力を良く理解出来ていた筈。従って、この乗り替わりは決してプラスに出るとは思えないのだが、それでもこの世代屈指のマイラー。柴田善臣騎手、このスローを矯めるだけ矯め込めば勝機も。
まだまだ気性の若いシャワーパーティーだが、東京マイルのGⅠで、例えスローでも息の入り難い流れになれば、逆に折り合って、チャンスも見えて来よう。その意味では今回の内枠は非常に有り難い。ハミを替えた効果と江田照男マジック炸裂に期待。
以下押さえにインから矯めて差すスティーマー、差しに回ったときのエアヴァルジャン、破壊力上位メイショウドウサン。
多少ヒネったが、メイショウラムセスの瞬発力に期待。前走は未勝利戦ながら、上がり3F34.0。ラムタラ×メイショウヤエガキだけに距離延長もプラスに出るだろう。トライアルで展開微妙な面も有るのだが、ラムタラ産駒でダービーに出られそうなのはこの馬だけだけに、何とかしたいところ。
弥生賞3着、皐月賞6着、実績上位のミスキャストだが、内容はどうもイマイチ。ならば、2戦2勝のトレジャーを相手筆頭に。青葉賞こそ5着止まりだが、あのシングンオペラという馬は案外強く、少なくとも皐月賞4着のシンコウカリドには先着出来る能力の器。この相手ならば、勝機も。
押さえに折り合い鍵も力でビッグゴールド、前で折り合うタニノトリビュート、そしてデザーモ騎乗のテキーラショット。
飼い葉食いだけが焦点のテイエムオペラオーだが、それが戻ったとなれば本来の力を発揮。世界最強馬は今年も健在の筈。
相手にはハイペースを利すナリタトップロード。阪神大賞典同様に引っ張る馬がいてくれるのは有り難い。昨年も決してデキが悪かった訳では無いのだが、今年は見た目にも絶好調が伝わってくる。逆転までを見込んで。
メイショウドトウもハイペースを歓迎するクチ。ただ、今週の京都の馬場はあまりに高速。例の癖を出されると、あと一歩が届かない危険も。
前走に気性の成長の跡が窺えたエアシャカールだが、この距離延長の我慢比べでも音を上げないかどうかは微妙。従って、何処かで多少のゴマカシが要るが、果たしてそんな展開になるかどうか。
皐月賞スキップのダイイチダンヒルは前走で素晴らしい瞬発力の持ち主で有る事を証明。あの切れ味は東京で更に真価を発揮するだろう。今まで負けた相手は何れも最強世代のGⅠ級。例年ならばハイレベルだが、ここは今までの事を思えば数段手薄なメンバー。クラシックに毎年有力馬を送り込んで来る伊藤雄二厩舎、今年はこの馬で。
強いのか弱いのかイマイチ良く解らないチアズブライトリーだが、ソコソコに弱いという事に落着きそうだ。がしかし、それも全て相手が悪過ぎただけの話。この相手ならば、何とか足りる筈。中間、熱心に乗り込んできただけにその効果も見込んで。
500万で惜しい競馬の続くシングンオペラだが、やはり共同通信杯のジャングルポケットにコンマ5秒差は光る。恐らくチアズブライトリーとは互角の力量が有るのだろう。ダイイチダンヒルは切れ過ぎる印象も有るだけに、東京で息の長い末脚を生かせば逆転へ。
押さえにスローならば見限れないルゼルを。
前走圧勝の余勢を駆ってタイムフェアレディを推す。やはり距離伸びて真価発揮。スローの瞬発力勝負も前々走で経験済み。賞金的にはともかく、ここで負けたら桜花賞スキップの意味が無くなるだけに、負けられないところ。
相手にはそのフラワーカップの2着馬オイワケヒカリ。何でもこの馬「雨女」だそうで、デビュー以来道悪ばかりだが、何と今回もそうなりそうな空模様。ダンスインザダーク産駒だけに本格化すれば切れる脚も使えるのだろうが、やはり現状は時計が掛かってくれた方が有り難いだろう。
単穴はポイントフラッグ。本来は先行して渋太さを生かすタイプだと思うが、前走は差しに回ろうとしたら、挟まれてアウト。今回は本来の競馬出来そうだし、GⅠの後の中一週でも目一杯攻め馬をやってきた。先行策ならば要注意。
一方、最能力上位のローズバドは不幸にして大外枠。開幕週で差し辛い馬場でも有るだけに、どこまで能力で克服できるか。
イマイチアテに出来ないノブレスオブリッジだが、前々走は出遅れと馬場が応えた。ここでも前々で流れに乗れれば。
例年この開催は時計勝負。開幕週ならば尚更だ。恐らく単純に一番強いのはレガシーハンターだろうが、やはりこの馬場では届かない危険も高い。ならば、前走に復活の兆し見せたヒコーキグモで充分足りるのではないか。坂路で入念にやられた様だし、久々に勝機到来。
流石にあの相手では我慢の利かなかったマイネルブラウが強敵。多少掛かる癖が有るだけに、京都1800mのコース形態が微妙なのだが、ペースは速くなりそう。中京記念の競馬が出来ればここでも勝ち負け。
時計勝負という観点からはドラゴンライトも浮上してくるが、京都の時計勝負は圧倒的に前有利なだけにその点はどうか。