最強世代と呼ばれたこの世代も、あまりにハイレベル過ぎて故障馬続出。それでも、燦然と輝くダービー馬ジャングルポケット。菊花賞はスローに泣かされ、それでも最後伸びている様に力は見せた。ノビノビ走れる東京でハイペース、しかも55kgで闘える。例えテイエムオペラオーが相手といえども、並ぶ間も無く差し切るシーンを。
相手はそのテイエムオペラオー。やはり勝負事には運がつきものなのか、宝塚記念、天皇賞とツキの無さで敗れた印象。ここも僅かな運の助けで勝ち負けだが、今季はデキが足らない点と、相手は最強世代のダービー馬。今年は勢いを欠き、上昇度に欠ける点が。
前走はハナ切らされて自滅のメイショウドトウ。また内枠だがここは外国招待馬が引っ張ってくれそうで、前走の心配はしなくて良さそう。前走も見た目には出来ていたが、馬が気負った分が休み明け。今回こそは折り合って、インから抜け出すシーンを。
今回は真ん中の枠で外を回って来れるステイゴールド。まともに走れさえすればいった印象で、少なくとも天皇賞よりはまともに走る可能性が高い。この中間は左だけブリンカーを着けての調整。同じ過ちは二度繰り返さない武豊騎乗で、大逆転まで。
スピードが違うというよりは圧倒的パワーの違いで、ダートを全く苦にせず芝並の時計を叩き出す次世代のダート馬、クロフネがここもノンストップ。少なくとも東京ならば負けられないところで、もう距離云々を論じている場合では無いだろう。この馬にとってここはまだステップの段階。勝って来年も「夢のつづき」を。
ブリーダーズカップクラシック二連覇のティズナウまで負かしてきたリドパレスは、成績安定している点も魅力。この中間、熱発が有ってそれが嫌われている向きも有る様だが、来日後の状態を見る限りにおいては問題は無さそう。「アメリカで一番強い」のコメント通りの走りを期待。
JBCクラシック初代チャンプの肩書を持つレギュラーメンバーだが、如何せん相手が弱過ぎたのと、逃げ馬有利の大井の馬場では負け様が無かった。リドパレスとクロフネの仕掛けが鍵だが、昨年は猛ラップで飛ばし、あの敗戦を糧にした結果が統一GⅠ2勝の実績だ。ここで改めて真を。
そして昨年の覇者ウイングアロー。今年はドバイへ使えなかった一件で、順調に使えなかったのだが、旭川でブリーダーズゴールドカップを圧勝した内容が圧巻。馬体が減る事自体は問題無くとも、中間の過程が悪く敗れてしまった南部杯は仕方が無い。馬体増えてこない可能性も有るが、今回は中身が違う。
昨年はデキと仕掛けのタイミングで敗れたエイシンプレストン。あれから1年、今年後半のパフォーマンスは素晴らしく、今年は人馬とも絶好調で大舞台へ臨む。前々走、前走と時計勝負もクリア。ゲートの心配もほぼ消滅。枠はもうちょっと外目の方が良かった気もしないでも無いが、天皇賞除外のウップン晴らしを。
相手はダイタクリーヴァ。ダンスインザダークのダービーが象徴的で、橋口弘次郎厩舎、何故かGⅠとなると必ず何かにやられるのだが、この馬もそんな厩舎の運に泣かされた一頭。前走内容は不満だが、昨年もそんな感じでキッチリ変わってきた。外枠は有り難いが、昔からゲート難が有るだけに、奇数番枠は痛い。エイシンプレストンとはその分の差。
3番手評価というよりは単穴といった趣きがピッタリのトロットスター。前走はプライドの為せる業。逆にいえば、デキが足らない中での激走だけに反動も案ずるのだが、間隔がこれだけ開いているだけに問題は無く、少なくともガレて競馬にならなかった安田記念の様な事は無いだろう。マイルは本格化以前のデータだけに不安とも思えるが、昨年の富士ステークス2着は捨てたものでは無い。叩き合いに持ち込めれば、持ち前の根性発揮のシーン。
橋口弘次郎厩舎2頭使いの片割れ、ロサードも怖い。前走は、道悪で馬が気負って全く競馬にならず。ガサの無い馬だけに中2週が続くのはキツいのだが、天皇賞は殆ど競馬をしていないだけにダメージは少ないだろう。斤量57kg、距離短縮はこの馬にはプラス。毎日王冠で東京をこなした成長の跡、改めて見直し。
ロサード同様に追い込み一辺倒なのだが、ロサードと違って何故か不利の多いメイショウオウドウは、昨年このレース3着、そして今年の安田記念も3着。ただ、追い込みだけに多少の不利は有って当然だと思うのだが、その多少の不利で馬が競馬を止めてしまうのがネック。ここは最内枠だけに、最後方から大外ブン回すしかないだろう。その意味から逆に怖さは出てきた。
前走面白い競馬をしていたが、恐らくここは逃げるであろうクリスザブレイヴは単騎を見込めるのが魅力。ダイタクリーヴァ辺りがまた出遅れてくれると更に願ったり適ったりの展開。長期休養明け以降、間隔を開けて使われているとはいえ、既に4走目。京都の馬場も荒れてきていて、脚元に爆弾を抱えた馬だけに、その辺りは疑問の余地を残して。
ヤマノブリザードやカイトヒルウインド辺りと好勝負のマチカネアカツキは、サンデーサイレンス産駒らしいセンスの高さが魅力。若干内目の馬場が荒れてきたとはいえ、インを折り合って抜け出せる絶好の最内枠。前走で左回りも大丈夫なのを証明。1F延長で真価発揮。
輸送でイレ込まないかが不安とはいえ、タガノマイバッハを相手に。前走は出遅れた挙句に、気合を付けたら引っ掛かってしまったのが敗因。逆に言えば、良く0.2秒差にまで残した。東京1800mで外枠。この馬としては流れに乗り易い筈で。
素質馬揃いの中で、ローエングリンもセンスを見せ付けてきた一頭。とはいえ、逃げて更に突き放す内容こそ素晴らしいものの、道悪での勝利というのがネック。前々走の内容からはこれ以上評価も落とせないのだが。
前走本命に推したが、伸び切れなかったトーセンサクシードは馬体減が全て。この中間は既に馬体回復していて、府中ならばその心配も無いだろう。センスの高さ、改めて見直し。
裏開催とはいえ、新潟2勝のメジロアービン。今年トレンドの追ってしっかりした脚が使える馬、ただここまで使い詰めだった為、上がり目で見劣る点と、ここはハイペースが見込めるメンバー。馬が戸惑わねば。
一応押さえに、距離に課題を残してはいてもイチロースワン。ここは行き切って単騎が確実なメンバー。折り合いは付くだろうから、あとは一辛抱利くかどうかだけ。
関西圏では無敗のテイエムオーシャン。イレ込み対策の終い重点の稽古がどう出るかだが、少なくとも昨日を見る限りにおいては、インの馬場状態もそれなりに良好。前走は相当に自信を深めた内容、もう距離延長に戸惑わないと思いたいが。
相手はインを虎視眈々と狙うローズバド。前走はあれしか無いといった騎乗で、2着を死守。今秋は関西での競馬が続き、輸送の心配が少ないのも有り難い。望みの良馬場。馬群の中でも怯まぬ気性。前が開けば突き抜けるシーンまで。
秋華賞以降の成績は物足りないのだが、それでもティコティコタックが怖い。他の人気馬は別のレースに目標が有ったが、この馬は最初からここが目標。前走は仕掛けが早かった分、マルカキャンディに差されたが、試走としては上々。使った強みが有りながら、消耗度も少ないという観点からはこの馬。
似た様な存在がメジロサンドラ。前走も良く出来ていたが、この中間は更に良化。距離延長はいうまでも無くプラス。重賞では一息の競馬が続くのだが、生涯最高のデキだけに、この相手でも大逆転を見込んで。
どっちにしても出遅れるタフネススター。大外に回されたが、あまり関係ないのだろう。GⅠのペースで戸惑わねば、というエクスキューズはつくが、凄まじい決め手を誇るだけに、侮れないのは確か。馬体減を心配していたが、今週の稽古内容を見る限りそれも杞憂に終わりそうで。
トゥザヴィクトリーは押さえ程度に。昨年のこのレースは、イレ込んでレース前に終わっていたので、その辺りは課題。今週目一杯にやった分、絞れてはいるのだろうが。
あのレース振りはどうかと思うが、内枠と距離短縮でホーマンウイナーを推す。東京で粘り切れない不安も有るには有るが、とはいえ2歳のこの時期に直線一気も坂の有る東京では中々出来る芸当では無いだろう。前走素晴らしく良く見えただけに、あのデキを信じて。
相手は函館2歳Sの覇者、サダムブルースカイ。函館組のレベルが微妙なのだが、遊び遊び走るレース振りからは距離延長と広い東京はプラス。イレ込む馬では無いだけに、輸送は問題無い筈だが...。
前走圧勝で、アグネスソニックも注目の一頭。ただ、どうもイレ込み癖がネック。前走負かした相手も、いくら強い新潟組とはいえ、所詮ステークス6着馬。まずは落ち着いている事が第一条件だが、まともでも相手は強力なだけに。
ダイワファルコンの前走は早仕掛けが仇。一瞬の決め手は有るが、まだ馬がパンとしていないのか、良い脚が長く続かない印象。ジョッキーが乗っていたとはいえ、今週坂路4F51.9秒は出色なのだが。
前走は一息入っていた上、不利に泣いたテイエムマズルカを押さえ。
前日の雨がどう影響するかが問題だが、速力最上位カロスキューマを支持。今年の2歳戦は牡牝とも差し一辺倒で、前半3Fを33秒台で行ける様なダッシュ力の有る馬はあまり目立たなくなっている。ここもそんな感じのメンバー構成で、人気どころが差しに回る。逆に言えば、この馬のスピードを持ってすれば、前で意外と楽出来る筈。アッサリ逃げ切るシーン濃厚。
仮に馬場が渋って浮上するのは、小倉3歳Sの覇者タムロチェリー。あの時は、内外で全く違う馬場になっていて、人気薄で気楽に外に出したらハマった、といった感じだったが、今回も外枠で外には出し易い。馬場が乾いて上がりが速くなった時が課題だが、少々置かれても、追って確実な脚が使えるのは魅力。
前走はゲート後手が最後まで応えたキタサンオウシャンも、まともならばこの相手でもの感。ただ、勝ったブルーリッジリバーは相当余裕が有った上、4回阪神デビュー組は今年あまり目立たないだけに、果たしてその辺の性能差が有るのかどうか。
外へ逃げる癖が有るヘルスウォールだが、前走はそれ程でも無く、恐らく馬群を嫌うのだろう。その意味からは外枠と広い京都外回りはプラス。ただ、攻め内容は不満。
中間一頓挫も、メイショウケリーは新馬の内容が良く、これを押さえに。
まだ気性が若く、イレ込んだり折り合いを欠く面も有るが、ここは先行馬がいて、折り合いの心配はあまり無いメイショウラムセスに期待。加えて前走は、馬格が無く非力なので、荒れ馬場も応えた感。連続開催とはいえ、広い京都外回りならば、好きに馬場を選んで来れる。ただ、あまり強くやるとイレ込むのかも知れないが、目一杯に追い切った稽古が無くて...。
相手は同馬主メイショウキオウ。これも◎馬同様にイレ込み癖がネックで、しかもこちらは、本数、内容ともに不満のこの中間の攻め過程。しかし、マイラーズCでの、メイショウオウドウと同タイム3着の実績は断然。加えて、入れ込む気性だけ気力で走る可能性も有り、京都1800mは得意条件に思えて。
追い込み一本に徹し、一時期の不振は脱したオースミブライトは、とにかくGⅡ勝ちの実績。前走はスローに泣かされ3着止まりだったが、外回りで直線の長さを生かせば、台頭のシーンも有るだろう。ただ、58kgを背負うと極端に信頼性が落ちる。その点は不安。
逆に重斤にも強いアンブラスモアにも注意。隣枠のタマモヒビキに黙っていて欲しいところだが、これに擦られると末保たない可能性も高い。攻め量不満でも、とにかく単騎で行けさえすれば強いのだが。
あまりに休養期間が長いだけに評価は手控えるが、能力有るロードサクセサーを押さえに。ファンタストで相当乗り込んできたらしいのと、これも非力なタイプで良馬場でこその馬で、いきなりからの期待。