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競馬予想 2003年2回阪神・4回中山・1回福島

皐月賞(GⅠ)

前走はアクシデントに泣いたザッツザプレンティ、今回はマトモなら巻き返す筈でここは安藤騎手へ初クラシックをプレゼントするシーンが確実。以前は全く稽古駆けしなかった馬が稽古駆けする様になって本格化。とにかく賢い馬でレースセンスは抜群で、この点は中山2000mで圧倒的に有利。無論ラジオたんぱ杯2歳Sの内容から道悪になれば絶対に負け様が無いが、弥生賞が不利に泣いたことを証明する為にも良馬場で力が違うところを。

相手は競馬を覚えたサイレントディール。萩ステークスや朝日杯フューチュリティSを見る限りでは如何にも気性が若い印象だったが、折り合いを覚えたシンザン記念、馬群を捌いたきさらぎ賞と一つ一つ課題をクリア。きさらぎ賞でネオユニヴァースに負けた形になるとはいえ、あの時は前が開かなかったのに加えて、道悪というネガティヴファクターも有った。良馬場ならネオユニヴァースとの差は逆転出来る筈で、あとは一息入った影響が無ければ。

サイレントディールと差が無いならば、当然ネオユニヴァースもここでは上位の性能。前走でサクラプレジデントには決定的差を付け、今年はきさらぎ賞組が強いことを証明。左回りはインにモタれるだけに、皐月賞こそが目標。ただ、まだ馬体が如何にも若い印象で、本格化はまだ先の器。一戦毎の消耗度も高そうで、反動を案ずるのだが...。

大穴だが、強いきらさぎ賞組ホシコマンダーを押さえておきたい。前走は負けた相手が牝馬のアドマイヤグルーヴというのが非常に不満だが、とはいえ大外へブン回して上がり34.0で突っ込んでいるのだから、単純な力負けではない。ネオユニヴァースが苦手の左回りだったとはいえ、とにかくメンバー中唯一負かした馬、中山で突っ込み切れるかどうかの不安は有るが、上がりが掛かれば出番は有る筈。

馬単
11-12 11-3 11-18

読売マイラーズカップ(GⅡ)

意外に難解だが、一応の中心はローエングリン。桜花賞をみても、今の馬場で後方一気はかなり厳しい印象、この馬自身にとってマイルは短過ぎる嫌いもあるのだが、それでも堅実さではこの馬がNo.1。最内枠で遮眼革着用のレギュラーメンバーの出方如何ではあるが、かなりの確率で単騎で行けそうなメンバー構成、逃げ切り濃厚。

流石にテイエムオーシャンをアタマで狙うのは怖い印象。ただ、気性の勝ったタイプで、むしろ休み明けの方が狙い目。とにかく阪神マイルは3戦3勝。札幌記念の気配で出てくるのが理想的だが、あの気配で出てこれさえすればまず勝ち負け。

下見次第も、穴でスカイアンドリュウを狙ってみたい。昨年一度復帰のメドも立ったのだが、結局2年弱の休養。とはいえ、2年前の京王杯スプリングカップはブラックホークに真っ向勝負を挑んで押さえ込んだ。あの時は気力体力共に充実していて、そこまでのデキは望めないだろうが、現在のマイル路線より当時の方がレベルが高かった印象、仕上がりさえすればブランクも克服出来る筈。

ダンツフレームは昨秋のデキが酷過ぎた。まあ、山内研二厩舎、2歳戦を除いて秋にはサッパリという馬が多いのだが、この馬は特にそういう傾向が強い印象。従って春こそは行きたいところだが、叩き良化型でこの点が微妙。阪神走る点に期待したいところだが...。

逆に阪神走らないのがリキアイタイカン。しかし、昨秋からの地力強化振りはこの路線随一だろう。前走も前圧倒的有利な馬場状態を力で差し込んでくる内容。本質は左回りで、東京戦でこその印象も有るが、阪神コースさえ克服出来れば大逆転まで。

重賞初挑戦がいきなりGⅡの別定戦というのは些か可哀相な印象だが、キスミーテンダーを押さえておきたい。スカイアンドリュウの京王杯スプリングカップではないが、ここも休み明けの馬が多い印象で、格下でも勢いの有る馬に魅力。

馬単
8=10 8=13 8=2 8=9 8=5

桜花賞(GⅠ)

有力どころが外枠へ行ってしまい、混戦ムードだが、絶好枠を引いたチューニーを本命。インで我慢させたら上手いデムーロ騎手は適役で、クイーンカップ同様のイン抜け出し策が出来る筈。とにかく外全滅の馬場状態で、望み通りの良馬場。関東馬は輸送の分が不利で、その結果がメジロラモーヌ以来16連敗中だが、早目に栗東へ入厩し、対策も取った。折り合い面に不安が無い点も強調材料。

相手にはスティルインラブ。前走は不利が全てだが、牝馬にとっての桜花賞は牡馬のダービー以上に一発勝負といった感が強く、陣営は良くそのまま乗せたという印象。逆にいえば幸騎手はここで結果を出さなければ、この馬だけではなく他の馬に関しても次が無くなってしまう危機感が有る筈。馬体細化傾向も、2週続けての猛調教。かなり確率の低いギャンブルだが、これが当たれば突き抜けるシーンも。

ヤマカツリリーは距離に一抹の不安が有るとはいえ、性能は最上位。道中折り合いを欠きかけた点が安藤騎手は不満だという話で、今度こそという思いが有る様だが、メンコ外せば折り合いは付く筈。ただ、モンパルナスの内に入ってしまい、ちょっと競馬が難しくなった点が微妙。加えてこの馬も馬体細化傾向で、当日の馬体重に注意。

これらを纏めて面倒見そうな程、トーホウアスカには一発の魅力。スティルインラブのギャンブル的猛調教とは違って、前走は明らかに太目残りだっただけに、こちらの猛調教は確率が高い。ファンタジーSは出遅れ、阪神ジュベナイルフィリーズは引っ掛かりと、中々運に恵まれないが、逆にいえば消耗度の少なさが魅力。枠順も恵まれ、岩田騎手の手腕で折り合いが付けば。

馬場良いだけにモンパルナスにも注意。戦前は逃げ宣言という話も有ったが、ヤマカツリリーの外に入ったことで、恐らく2番手からだろう。今回はスローが予想されるだけに、前を深追い気味になった前走の轍は踏まない筈。決め手の無さが良馬場でどうかだが、どこかで抜け切ることが出来れば粘り込むシーンが有っても。

馬単
4=9 4=7 4=10 4=8 9=7 9=10 9=8 7=10 7=8 10=8

ニュージーランドトロフィー(GⅡ)

「また道悪」というのが正直な印象。馬場状態如何で結果はどうにでもなってしまいそうだが、一応の期待はギャラントアロー。同じ条件で施行されたダービー卿チャレンジTはかなり枠順がモノをいっていただけに、内枠から逃げるこの馬に分が有る筈。トーセンオリオンが同型ということで多少これが目障りだが、この馬も距離に不安の有るタイプ、マグナーテンを2着に残した安藤騎手でもあり、そうムチャクチャコスりに来ることは無いだろう。スプリントでテンからガンガン行くよりは、マイルでマイペースで運んだ方が向いている様に思えるだけに、むしろこの距離で真価を。

相手が前述のトーセンオリオン。要するに折り合いがつくかどうかが鍵になる訳だが、毎回述べている通り、こういう時の安藤騎手は他の騎手とは役者が違い過ぎる印象で、先週のマイネアイルの様な競馬が出来れば距離は克服出来る筈。またこの馬自身も道悪も中山も得意だ。

クリスタルカップ組が続くが、ニシノシタンも面白い。トモが甘い現状、従ってスプリント戦の前走では前半置かれしまった分が届かなかったが、マイルならジワッと行けるだろう。まあ、先週グラスワールドが外枠に泣いただけに、多少乗り難しいところは有るが、この馬も道悪を得意とする1頭で、上手くインに潜り込めれば逆転まで有りそう。

ゴールデンキャストの取捨選択が微妙。使っての良化度を見込めば逆転まで見込めそうだが、如何せん道悪。中山マイルとはいえ追い込み馬の内枠ということも問題で、これ以上評価を上げるのは辛い。

当然全く同じことはワンダフルデイズにも言える。前走の勝因が距離短縮にあったのは明白で、だとすれば距離延長の今回は危険ということになる訳だが、ただここはいくら何でも相手に恵まれ過ぎた印象。道悪も上手く、一応押さえには残しておきたいところ。

馬単
5=2 5=15 5=3 5=9 2=15 2=3 2=9 15=3 15=9

産経大阪杯(GⅡ)

逃げ馬と追い込み馬、どちらを有利と判断するかが勝負の分かれ目になりそうだが、追い込み有利とみてツルマルボーイに期待。この馬が一番センセーションを与えたのは、宝塚記念2着ではなく、道悪を全く苦にしなかったメトロポリタンSだと考えているのだが、出世が遅れた理由はトモの甘さ以外の何モノでもなかっただけに、如何にも本格化を象徴する勝利だった。まあ、天皇賞で追っ付け通しになった2000mということで些か不安もあるのだが、目下の充実度と先行馬揃いのメンバー、そしてこの血統の勢いで。

無論相手は逃げ馬マグナーテン。調教技術の進歩で馬へのダメージが減ってきた今、強かさを売り物にした高齢馬が活躍するのは当然の帰結。この馬の場合は、ツルマルボーイの様に身体的理由ではなく、道中力を抜いて走れる様になって、つまり気性の問題がクリアになって本格化という訳だが、ただここはアウェイの地、阪神競馬場。コスりに来る馬が数頭いそうなだけに、この分をどうやり過ごすかが課題。

3番手以降にどの馬を持ってくるかが難しいが、実績を買ってロサード。前に述べた通り、58kg自体がダメなのではなく、58kgを背負うとこの馬には尽く運が逃げていく傾向で、マトモならばという感も。この馬もツルマルボーイ同様にトモが実が入って本格化、実績が無いコースをこなす様になっているので、阪神コースも全く気にならない。あとはどれだけ馬場が乾いてくれるかが鍵。

叩いて変わってきそうなのがトップコマンダー。道悪良くないタイプだし、あの前走は良く走ったといえる部類。絞れて来れば日経新春杯勝ちの力が発揮出来る筈で、展開不問なのが魅力。まあ、もっと上位に推しても良いのだが、休養明けでデキが把握し辛いだけに一応押さえ止まりで。

穴っぽいところではエイシンスペンサーが実力が不当評価されていて狙い目。前走は距離を気にしてタメて乗った分が裏目で論外、前々走も後藤騎手が大事に乗り過ぎた印象だが、その後藤騎手が再び乗る以上は同じ過ちを繰り返す筈が無い。今度こそ4角先頭の競馬をしてくれる筈で、持ち前の渋太さを生かせばここでも互角以上。粘り込むシーンは充分。

あくまで超大穴といった扱いだが、ビッグゴールドを残しておきたい。カシオペアSで攻め手控えて快勝した実績があり、今回も同様に攻め馬手控えてきた。まあ、ワンラップで走ってくる馬だけに、展開で全て決まってしまう印象もあるのだが、ただここは前が崩れそうなメンバー構成。上がりが掛かれば突っ込んでくるシーンも。

馬単
13=4 13=9 13=14 13=11 13=5

コーラルステークス

不凍液を撒かなくなっての雨ということで時計が速くなりそうだが、目下の勢いと距離実績を買ってツルマルファイターが本命。オープンに上がってからは勝ち切れないとはいえ、相手がビワシンセイキのギャラクシーSに、出遅れたすばるSとそれぞれに敗因は有る。スタート五分、外枠で引っ掛からねばという条件付きだが、とにかく手堅いだけに。

相手は凄まじく難解。エンゲルグレーセは、ハンデ戦ということで何処か叩かないと使えないアンタレスステークスへの叩き台なのは間違いないのだが、それでも実績が実績。今年のダート路線というのは実は至極単純、イーグルカフェを基準にして、クロフネの0.9秒差の争いになっているだけの話なのだが、この馬はそこから0.8秒差の馬。まあこのメンバー、イーグルカフェから1.5秒以上離されるであろう馬の争いだから、1年半のブランクが0.7秒を埋め切るかどうかということだが、攻め馬の本数だけ足りている印象。休養明けということで距離短縮はむしろプラス、いきなりからでも。

エイシンダンズビルは成績が安定しない点がこの厩舎らしいところだが、それでも能力は相当。まあ、前走の言い訳は色々有るだろうが、究極的にはすばるSのデキが無さ過ぎたのに激走したことに尽きる印象で、一言で片付ければ2走目の反動ということ。一応極端に時計が速くなった時が課題なのだが、デキがマトモで得意のダート1400m、当然チャンスは充分。

シャドウスケイプは折り合いが課題。とはいえ、古馬相手のオープンの方がペースが速くなるだけに、折り合いがつき易くことも充分有り得るし、事実ここはどんなに遅くても前半3F35秒台にはならないメンバー構成。この馬にとって1200mは追走に骨が折れるのは見た目に明らかで、競馬を投げなければ1400mの方が合うのは間違いないところ。先週のビリーヴではないが、とにかく気を抜かさせずに乗ってくれれば。

気を抜かせずに乗って欲しいという意味では、トーホウダイオーもその1頭。イーグルカフェから2.2秒差の馬ということで、ギリギリ圏内といった印象だが、休養前は掛かっていただけに、距離短縮はプラスに出る筈。

一応単騎で行けた時のタニノゴードンを押さえるが、1800mを使った意図がちょっと解らない。エーピーサルートに内からコスられる展開になれば、当然馬は戸惑う筈で、行き切らないと脆いこの馬にとっては苦しい。枠が枠だけに行く以外に手が無いので、このレースに関しては疑問が残る。

馬単
14=6 14=10 14=13 14=12 14=5

高松宮記念(GⅠ)

高松宮記念に外国調教馬が出走する日が来るとは夢にも思わなかったが、それを迎え撃つのが日本競馬史上最強クラスのスプリンターで1994年最優秀短距離馬サクラバクシンオーの産駒ショウナンカンプというのは中々面白い話。例年ズボズボばかりで決まる筈の中京最終週も、馬場造園課もこの馬に味方したのか、馬場状態も絶好。一応エコーエディの出方が鍵になるが、ダッシュ力の違いで本命。

相手はヒネって、名は体を現すテイエムサウスポー。近走パッとしない競馬が続いているが、右回りはモタれる癖があって伸び切れないだけの話で、あくまで本質は左回り。インで矯める策は京王杯2歳Sで出来ただけにこの枠を無駄にはしない筈で、好位で流れに乗れればチャンスは有る。

同馬主テイエムサンデーに一発の魅力。この枠は差し馬にとって内過ぎる嫌いも有るとはいえ、ここはインの馬に速い馬が揃っただけに、比較的良い位置が取れる筈。あとはこのハイペースで馬が戸惑わないことと、極端に時計が速くならなければ、抜け出してくるシーンが有って不思議はない。

ゴールデンロドリゴもインで矯める策が出来る馬。このコースに実績が有る様に平坦左回りが合うが、前走は坂の有る阪神で度外視出来る。北海道戦同様に今回遮眼革着用で、この効果も見込んで良いだろう。一応、時計の無さが課題だが、セコい競馬をさせたら上手い佐藤哲三騎手なら、上手く持って来れる筈。

リキアイタイカンのシルクロードSは道悪で57.5kgということ。あんな不利な条件は中々有るモノではない。初重賞勝ちとなったCBC賞と同じ舞台だとはいえ、本質的には1400mの馬、1F短い嫌いは有るのだが、マイルチャンピオンシップ3着はここでは大威張り出来る実績。能力上位は疑う余地が無く、展開不利の中を力で差し込んでくるシーンが有っても。

前で流れに乗るカフェボストニアンはまだ実力自体が未知数。CBC賞は休み明け、淀短距離Sは2走目の反動でデキが無く、シルクロードSも目標にされる不利が有ってしかもレース中に外傷を負うアクシデントと、中々スムーズに競馬させて貰えない。この枠はジワッと流れに乗るのには最適な枠、下手に前を深追いしなければ。

一応押さえにディスタービングザピース。能力云々よりも日本のスプリント戦のペースに馬が対応出来るかどうかという点が全てになりそうだが、エコーエディというラビットの存在は大きいだろう。カフェボストニアンの様に外からジワッと行ける展開ならば出番が有るかも。

馬単
2-6 2-4 2-7 2-15 2-12 2-9

毎日杯(GⅢ)

マッキーマックスはきさらぎ賞3着馬。先週ネオユニヴァースがサクラプレジデントを叩きのめし、今年のきさらぎ賞組が強いことを証明。しかし、道悪に泣いただとか色々言い訳は有っても3着は3着で、ここは出走権利を賭けての出走。まあ、あの切れ味は平坦でこそといった印象も有るのだが、それでもここでは地力が一枚上。

相手はスズカドリーム。マッキーマックスとは対照的に既に賞金が足りていて、ここはあくまで叩き台としての出走になるが、それでも京成杯ではテイエムリキサンには完勝。今年は関東で競馬してきた馬がパッとしない印象もあるとはいえ、それでもここへ入れば軽くは扱えない。

面白い存在なのがゲヴァルト。ザッツザプレンティの0.7秒差をどう判断するかは微妙だが、非力な印象もあっただけに、良馬場で出来るのはプラス材料だろう。新馬で負かしたギャラントアローはクリスタルカップ2着馬で、この点はもっとクローズアップされて良いが、前走減っていただけに下見の気配には注意したいところ。

マイジョーカーはきさらぎ賞5着馬。明らかに底が割れた馬ではあるのだが、堅実さと、勝負どころでモタつく癖があるので、阪神コースが向くという点が買える。まあ何だかんだいっても、共同通信杯2着馬よりは余程強い筈で、この相手なら充分連対圏内の実力は持っている筈。

一応押さえにシルクボンバイエ。レースがスロー続きということで、ペースが速くなった時が未知数だが、この相手と阪神コースならばスローになってくれる筈。もうちょっと距離が伸びた方が良いだろうが、素質はここでも通用。

馬単
7=8 7=9 7=6 7=10