難解な一戦だが、一応の中心は香港の仇を中山で討つデュランダル。昨年は道悪で前に逃げ切られたが、良馬場ならば決め手は現役No.1。ただ、一昨年はこのレースとしては有り得ない程のスロー。前が速くならないか、時計が掛かるか、条件付なのは確かだろう。今年は馬場が良過ぎるだけに余計に気になるところ。
相手はシーイズトウショウ。前々走の中京戦ではハナ切って時計勝負の形も、前走の函館戦では好位から自力勝負と、下見の気配通りここに来て自在性が出て来たのが良い。近年のこのレースにしては珍しく何が何でものタイプが揃っただけに、その意味でも有利だ。
サイレントウィットネスは文字通り単穴評価。右回りが得意か不得意かという問題よりも、過去の例が示す様に中山1200mはあまりに特殊なコース。前走の阪神戦で控える競馬を余儀無くされたギャラントアローが今回死ぬ気で行く筈で、これが外に居るのも厄介だろう。勝たれたら仕方が無いが、常識的には不利。
素質馬揃った印象だが、狙いはナイトレセプション。前走は短期放牧明けで-16kgだったが、馬体削っても見栄えする造り。競馬内容も、3〜4角中間から一気に脚を使ったにも関わらず、決勝線過ぎても更に伸びていると思わせた程の全く乱れぬフォーム。馬体の良さ,レースでのパフォーマンス、各々の要素では上が居るのだが、実戦で変な癖が全く無いのが何よりの魅力。
相手は福島から転戦フラムドパシオン。その前走は最内枠で窮屈な競馬を強いられて、前半行きたがっていたが、直線で外へ出してからは父クロフネ譲りのダイナミックなフォーム。あのフォームは東京でこその印象で、前走で小回りこなしたとはいえ、相手が強くなってボロが出る可能性も有るのだが、前走使った脚は実質1F。想像以上に能力秘めている場合も。
人気のアドマイヤムーンは評価を手控えたい。エンドスウィープ産駒らしく、破壊力は凄まじいのだが、出遅れて大外ブン回しと、如何せん競馬が雑。相手弱い前走でハナ差だから相手強化の今回、届かない可能性は充分に有る。
今季好調アグネスタキオン産駒ニシノロドリゲスは未知の魅力がタップリ。多少頭の高い走法なのと、前走内を捌いているだけに、上位3頭の様に外から差し切ったインパクトと比較すると見劣る嫌いが。ただ、馬体の良さはここでも最上位。まだ重い印象が有ったのも確かで、絞れて来れば更なる前進も。
押さえがモエレジーニアス。前走の函館戦は他馬に動かされる展開を凌ぎ切る強い内容。歩様の柔らかさが特筆モノで、距離延長は大丈夫だとは思うが、前々走1200mで引っ掛かった点がどうか。当時とはデキが違うのかも知れないが、常識的には割り引きたい。
前走の東京戦で58kgを背負いながら圧倒的強さを見せたストーミーカフェ。前々走の中山戦の様にムキになる事無く、スムーズに折り合えたのが収穫だ。ほぼ当確だった皐月賞は儚くも散ってしまったが、今回は雪辱のチャンス。
相手は仕方無しでディープインパクト。ダービーで2着馬を0.8秒チギった無敗の2冠馬だから弱い筈が無いのだが、ストーミーカフェが消えたのは相当に大きかっただろう。徐々に下見で気負う様になって来たのも宜しくない材料。逃げ馬の休み明けは狙い目だが、追い込み馬の休み明けは評価を下げて。
予定の連闘バアゼルキングが狙い目。前走の中山戦は、ウインデュエル相手に打ったトーセンブライトの奇襲に急かされる形。前とは決定的な差だったが、中山1800mの外枠から、しかもオープンでスッと好位が取れる先行力は馬鹿に出来るモノでは無いだろう。1000万条件からの昇級馬がやたら見込まれた中、別定戦のオープン4着馬がハンデ54kgというのも単純に有利。ここ迄恵まれた競馬中々無い。
相手にツムジカゼ。気性面の問題から時々競馬を投げてファンを困らせているが、力量はここでも当然上位。内枠よりは外枠の方が良く、多頭数よりは少頭数の方が良いタイプで、ここは条件揃った印象。あとは馬が真面目に走るのを祈るだけ。
関東馬トラストジュゲムは前走の新潟戦が圧勝。時計的にも優秀なのも良い。ただ割と左手前で走りたがる癖が有って、これが右回りに替わってどうか。その前走、歩様が硬くなって来た嫌いが有って、これも良くない傾向。
重賞となると力量差有るスパルタクスだが、自己条件なら上位の存在だろう。マイルは実績上1F短い様だが、阪神マイルで前が速くなる事は有り得ず、流れには乗れるだろう。あとは良馬場の決め手勝負で、決め手の差に泣かなければ。
相手にはヒューマ。3走前の阪神戦で後に皐月賞馬を負かすサイドワインダーに先着。勿論、雨の助けが有ってこそなのだが、そうはいっても準オープンなら力量上位。最近スプリントで追走に骨を折る様になっているだけに、今ならマイルでこそ。
この相手ならカゼニフカレテも連圏内。父内国産限定重賞とはいえ、重賞勝ちの実績から人気になるのだが、如何せんトモの甘さがネック。ただ、メンバー弱化で怖さも出て来た。配当と相談になるだろうが、妙味有るなら。
完璧な競馬をしてもシーザリオには適わなかったエアメサイア。ただ、距離延長での器用さはこの馬が一枚上。3歳牝馬の休み明けがアテに出来る訳では無いが、ここは他馬も条件似た様なモノで一応の中心馬。
相手は当然ラインクラフト。NHKマイルカップで牡馬を完封したが、スローで上がりの競馬になったのを好位のインで受ける絶好の展開。休み明けで距離延長。一回叩いていれば話は別だが、今回はエアメサイアに分が有りそうだ。
この一騎打ちで仕方無さそうだが、逃げるエイシンテンダーが怖い。以前は手前替えるのが下手だったが、右回りだけは取り敢えずスムーズに。単騎ミエミエのメンバー構成で、この内枠なら。
前走、札幌で1000万条件を圧勝のトーセンブライト。昨秋は金沢で交流重賞を勝ち、今春の京都戦でも外々回されながらソコソコの競馬。形は格上挑戦だが、オープンでも当然通用の性能と実績。ベストは東京マイルでも、この相手なら。
相手にはウインデュエル。歩様がネックの馬で、何処かで天井にブチ当たるかと思っていたが、天井がパーソナルラッシュなら結構高い方だろう。休み明けでデキが問題だが、過去は休み明けでもソコソコ駆けている。あとは相手関係だけ。
シンメイレグルスは前走の新潟戦でも発汗目立っていたし、相変わらず完歩の小さい歩様。それでもかなりマシにはなっているのだが、現状では1800mは1F長い嫌いが。一応斤量面から無視は出来ないのだが...。
押さえがイサオヒート。今年に入ってからの3走はそれぞれに言い訳が有り、仕方の無いところ。中山1800mは実績有る条件で、ここはオープンにしてはメンバーが手薄。力関係からも怖さが。
上昇馬をとも思ったが、今春にも期待したナイキアヘッドを再度狙う。前走の福島戦にしても、馬場状態に泣いているだけで、今年はコズミも無く、デキは絶好。時計勝負にも滅法強く、坂の有るコースも得意。ここは初重賞制覇のチャンス。
相手にキーンランドスワン。海外遠征の2走は別にして、今春の阪神戦で坂をこなしたのが今年のハイライト。とはいっても、本質的に坂が得意な訳では無く、次走の中山戦は見送りだが、この相手なら能力で克服のシーンも。
上昇馬ホーマンテキーラも当然怖さが。歩様の柔らか味が特筆モノで、まだ多少太い分も有って、レースで示したパフォーマンス以上の能力が有りそうだが、そのパフォーマンスが不満。前走の小倉戦にしても、スローで逃げるギャラントアローを捕まえただけの競馬で、ここは今迄以上のパフォーマンス無ければ。
マルカキセキもホーマンテキーラと似た様な感じの扱い。前走の小倉戦も、ホーマンテキーラ同様に内容が薄く、前3頭でやり合う中を差しただけの競馬。頭の高い走法で、阪神の坂も課題で、人気になるなら嫌ってこそ。
昨年の覇者ゴールデンキャスト迄は押さえて。ただ、今年はデキが薄い印象。ただ、毛ヅヤは相変わらずだとしても、前走の小倉戦から歩様に良化の兆しが。小倉戦2走共展開に泣いた面も有って、もう少し良化有れば前進有って良い。
そろそろ賞金の無さが気になって来たボーンキング。今春の2走はデキが有って動けない状態で、不満の残る内容だったが、好い加減目覚めないとわざわざ復帰させた意味が無い。開幕週で56kgも有利に働く筈。
相手は実績からサクラセンチュリー。ここは行く馬が少なく、スローになりそうなメンバー構成。昨年暮れの同条件の重賞もハンデ54kg生かした奇襲戦法がハマッただけで、2000mがまず短い感。前走にしても一瞬置かれ掛けたし、58kgの今回、人気程の信頼は。
一発はワンモアチャッター。前走の小倉戦は小回りのハイペースで救われた力みながらの追走が、阪神のスローで不安だが、今のデキなら堪えてくれる可能性も少なくは無いだろう。能力的にはここでも通用で、折り合い一つ。
展開的にはビッグプラネットに利が。2000mは中山で止まったが、マイネルレコルトに早目に来られた面も。ゲートで煩いのも前述の中山戦時はマシになっていたし、今回開幕週の馬場を得て、53kgなら逃げ切っても不思議は無い。
セフティーエンペラも押さえておきたい。前走の小倉戦は荒れ馬場を内で立ち回る羽目になった分も有るのだが、小回りで一瞬の決め手の無さが出た形。今回スローでどうかだが、前々で立ち回れるなら粘り込むシーン有っても。