一昨年暮れに「5年に1頭レベルの馬」と述べたヴィクトワールピサ。その後の活躍はそれ以上、海外でグループレースを勝つ場面は当時でも充分考えられたとはいえ、ドバイワールドカップ迄勝てるとは思わなかったが、デビュー戦から見せていたトビの高さは今でも鮮烈だ。昨年3着で、2400mは少し距離が長い印象も有るのだが、ずっと本命に推している手前、最後迄本命に。
相手がブエナビスタ。前走は休み明けの影響だけではなく、内の狭いところへ突っ込んでしまい、3度程モタつく場面。力は見せた。一度使った効果というより、昨年落としたこのレースへ向けてこの中間は猛調教を課して来た。陣営の気合に期待する手も。
3番手がエイシンフラッシュ。前走はハイペースをマトモに追い掛けて坂下で先頭。正攻法過ぎた。このメンバーなら再度のハイペースは考え辛く、ダービー制した舞台で、巻き返し必至。ただ、内で一瞬の脚を活かすのが身上の馬。この外枠はどうか。
デインドリームは走ってみないと何とも言えぬ。ただ、日本調教馬が欧州で走ったケースはむしろ時計が掛かる馬場状態が多く、時計勝負では苦戦目立つのが実情。裏を返せば今年の凱旋門賞は時計が速く、欧州馬にとってはむしろ裏目に出る可能性も。
馬場状態が今年は特殊。パワー最優先と見てワンカラットに期待。前走は内有利の馬場でもう少し何とかしたかったところだが、引っ掛かった影響も大きかった。一叩きして、1200mならば。
相手がジョーカプチーノ。中山戦が使えず、実質休み明けの前走だったが、状態面が完璧ではなかったのは確か。ただ、現状は1200m戦での出脚が怪しく、ナイアードが行っての2番手は競馬し易い筈。
人気になりそうなロードカナロアは過信禁物。前走の上がり時計が妙に強調されているが、結局スローだから上がりが速くなっただけの話。テンの3Fを33秒台で行ったのは新馬戦一度切り。ここはそれ程速くならない気もするのだが、少しでも早くなった時に対応出来るかどうかがカギに。
グランプリエンゼルは今年好調。疲れが出た時期も有ったが、一息入れた今季はそれなりの状態が維持出来ている。前走新潟戦も前が詰まってしまっただけで、ほぼ勝っていた競馬。これも牝馬にしてはパワーの有るタイプで、今の馬場もこなせる筈。
前走東京戦は57s背負って好内容、リアルインパクトが主軸。前に馬が居なくても折り合いも付き、競馬に行っての注文が付かないのが長所。その前走は、少し早仕掛けしてダークシャドウに捕まったが、この相手なら押し切れる。
春シーズンに前述リアルインパクトを負かしたグランプリボスが対抗格。前走があまりにダラしなくどうかとも思うのだが、トライアルで負けたのは春シーズンも同様。当時は外がサッパリの馬場状態でも有った。道悪も折り合い面では悪くない筈で、あとは適性の問題。
一発期待ならシルポート。前走東京戦の玉砕は、最初からここ目標にしてのペースだとすれば悪い逃げではなかった。距離短縮して、直線も平坦な京都。力不足は明白、馬場状態も内が悪過ぎるのだが、狙う手は有る。
穴はエーシンフォワード。デキに関して問題がない昨年の覇者がこの人気なら手を出さない手はない。ただ、昨年は内が利く馬場状態を活かしての勝利。昨年よりは相手も強くなっており、当然上手く立ち回らないと厳しいが。
土砂降りという予報も有る様だが、クラレントの前走京都戦は稍重。当時、休み明けで少し馬体が緩かった様な印象も有り、叩いた今回は更なる上積みも見込めるだけに中心に。折り合いも問題無く、1800mに伸びるのもむしろ良さそう。
相手はディープブリランテ。1戦1勝の馬だが、ディープインパンクトらしい決め手は確か。コーナーでの行き振りや直線の伸び、文句のない勝ち振りだった。ただ、前述の通り道悪が予想される。決め手が鈍る危険も。
3番手がマイネルロブスト。馬場状態の関係で時計平凡だったが、前走勝ったグランデッツァは例年以上の馬、それを外からマクりに行っての3着は仕方がなかろう。ただ、折り合い面は少し課題。東京の外枠が裏目に出る危険も。
前走は不得意な京都内回りをこなしたアヴェンチュラ。内回りの競馬なら対ホエールキャプチャで少し分が良い程度の馬だが、大トビで外回りなら話は別。札幌でアクシオンに辛勝だった同じジャングルポケット産駒トーセンジョーダンと同レベルの変わり身は期待して良い。ただ、先週から内が伸び切れないケースが多く、最内枠は懸念材料。
相手がアパパネ。年齢を経てトライアルでの負け方が酷くなるのは良く有る傾向。というよりこの馬の休み明けは元々大概。特に前走東京戦はかなり太い状態だった事を思えば当然の結果ともいえる。牝馬にしてはパワーが有り、少し時計の掛かる馬場も歓迎。-10kgを条件にアタマから狙う手も。
単穴がレーヴディソール。走ってみないと良く分からないのが正直なところだが、攻め馬はマトモに動いていた。ただ、メンバー構成的にもそうだが、このレース自体がスローが多い傾向。休み明けの馬という点でスローペースは悪くないが、何せマイル迄しか走っていない馬。この点はどうか。
昨年の覇者スノーフェアリーは評価を手控えたい。幾ら外が伸びるとはいえ、大外枠は歓迎出来る材料ではなく、また昨年と違い今年は強行軍。何より、外国調教馬が2年連続で同じレース遠征して前年より着順が良くなるケースは極めて稀。日本馬が遠征するケースもそうだが、若い馬の方が環境の変化に強い。
押さえが逃げるダンシングレイン。このレースは今に始まった事ではないが、逃げ馬が不在。スンナリ行ける組み合わせになった。ただ、欧州競馬は出脚争いで逃げる訳ではなく、この枠で少しでも競られる様だと自分の力を出し切れない可能性は高い。また、これも中間一頓挫有ったクチ。
何時もならセコく立ち回る内枠の先行馬に期待するところだが、今の東京で先行馬狙い辛く、外から差すネオヴァンクルに期待。毎度良く見せるフレンチデピュティ産駒だが、中々の馬振り。前走阪神戦も着差こそ僅かだが、直線一瞬狭い場面が有り、そこを開く迄待って差し込む形。何より勝負強さを評価出来る。同レース出走したメイショウハガクレとの比較からゲンテンとは人気程の能力差はない筈。
相手は前述のゲンテン。前走京都戦は控える競馬を教えようとしたところ、引っ掛かってしまいハナへ。それで3着だから能力は有るが、課題は多い。ただ、ここは1400mに短縮しての一戦。そもそも来週の1800m戦ではなく、今週使って来るのは当面控える競馬を諦めたという事だろう。最初からハナなら。
新潟戦の覇者モンストールは走ってみないと何とも言えぬ面が。毎年東京ならとは思うのだが、これが案外上手く行かないのが新潟組。ただ、今年は新潟戦組に新馬勝ちの馬が多く、未勝利勝ちで除外濃厚だったエピセアロームが出走諦めざるを得ない程の事態。レベルは低くない筈。
落ち目のダート馬は案外危険だが、この相手ならエスポワールシチーで仕方がなさそう。単に闘って来た相手が違うというだけではなく、前走東京戦で行き切った点が評価出来る。ここも先手取って押し切るのみ。
相手がゴルトブリッツ。前々走は外枠で出遅れ、無理に先行したのが応えただけ。ダートではまだ底を見せていない。一息入った影響がどうかだが、スムーズなら巻き返して当然。
ハイペース必至で昨年の3着馬サクラロミオが3番手。差し馬という点ではインバルコでも良かったが、雨で馬場が渋るなら瞬発力の有るこの馬の方が良いだろう。差し馬の割に鉄砲も利き、この点も強調材料。
当然ワンダーアキュートも怖いのだが、雨を歓迎しないタイプで、前走はマクり合戦を上手く内で立ち回った面が有った。京都は基本的に得意ではない馬。ただ、エスポーワルシチーやゴルトブリッツの外というのは競馬がし易い。上手く内に潜れるなら。
昨年は休み明けで惨敗したが、今年のダイシンオレンジはここ目標の調整。こちらは雨も悪くない筈。京都1800mはベストの条件なのも承知の通りだろう。ただ、あまり根性の有る馬ではなく、4角先頭にならぬと脆い面が。エスポワールシチー相手では追っ掛けバテの危険は高い。
前走新潟戦は馬体減の影響も大きかったニコールバローズ。新馬の小倉戦はズブさを見せ、前走で行きたがりと競馬振りにムラは有るが、逆に言えば1400mは現状のベスト。内有利の馬場状態でインをコジ開けた新馬戦の再現に期待。
相手がエイシンキンチェム。前走新潟戦はコーナリングが悲惨だったが、着差以上の楽勝。ラスト1F迄持ったままだった。ただ、新馬の京都戦はスムーズに回れており、右回りなら問題はないのかも。あとはその前走で後方からの競馬に拘っているフシが有るだけに、展開が鍵に。
前有利の馬場で逃げそうなレディーレグネイトが3番手。同じ京都1400mでも、前走は内回りでの逃げ切りだけに、評価が難しいのだが、距離を意識して控えそうな馬も多く、差し引きゼロになる可能性も。前述した様に内有利の馬場で、Bコース替わり。一発十分。
器を言えばタガノミュルザンヌ。数字はないが、この厩舎らしいオットリとした牝馬の素質馬。競馬に行っての注文がなく、終いがしっかりしたタイプ。あとは展開だけ。