同一GⅠ3連覇が中々叶わないのは展開が毎年変わるのと、年齢を経て馬の個性も変わるから。特に後者の影響は大きい。しかし、コパノリッキーはここ2走負けているが、内容はむしろ東京マイルへの適性を示したともいえそう。ダートでの出脚の鈍さや距離面がそれだ。今回、雨が降って前が止まらない馬場になったのは好都合。スプリンタータイプが多く、ジックリ乗られそうな馬が多いのも有利に働く。
対抗はノンコノユメ。前走中京戦は内からの追い込みで2着。スペースにそれ程余裕が有った訳ではなく、脚がなければ出来る芸当ではない。東京1600mは58kgで勝っているベストコース。ダートの場合、唯でさえ3歳馬は苦戦するケースが多く、このメンバーでも役者は一枚違うだろう。あとは前述した様に馬場状態。
ロワジャルダンはこの雨が恵まれたといえそう。ダートにしては馬の造りが軽く、明らかに軽い馬場向き。前走中京戦は道中で少し掛かった影響で、勝負どころで大事に乗ってしまい、前を逃がす形の3着。ただ、この時は浜中騎手から横山和生騎手へ、急遽の乗り替わりも有った。父・横山典弘騎手が前走の穴埋めする場面も有って良い。
押さえがモーニン。前走はタールタンが2着だから多少相手に恵まれた感も有るのだが、早目に動いて押し切っており、内容的には完勝だった。マイルも条件時代に勝っており、問題はないが、前走も含めてコーナーで動いてしまう場面が多い。このメンバーでそれでも勝ち切れるかどうか。対ノンコノユメからそこ迄でもない気もするのだが。
このメンバーに入ればクイーンズリングの地力が一枚抜けている。近走は長いところを使われているのがどうかだが、1400mも阪神で重賞を勝っている。昨春に馬体細化で苦しんだが、歯止めが掛かったのも何よりだろう。あとは馬場状態と枠順との兼ね合い。先週が極悪馬場で、外枠は状態次第ではプラスにもマイナスにも働く。
対抗はウリウリ。良い脚が一瞬しかなく、内枠の方が好走率が高いタイプだが、前述した様に馬場状態が微妙。ただ、1400mはベスト。昨秋中山戦から輸送に難が有る様で、ホームの京都で走れるのも好材料。馬場さえフラットなら突き抜けて良い。
3番手がウインプリメーラ。前走牡馬相手に重賞を勝った点は評価出来るものの、前とインが有利な展開が向いた点は否めない。器用さが有るのが武器になっているが、今回は自身初の1400mとなる点と、何度も繰り返している通り馬場状態が微妙。持ち味が活きない可能性も高い。
穴はディープジュエリー。前走中山戦は6着。僅差だったが、それ以上に少し力んでいただけに距離短縮が有利に働きそう。ちなみに昨秋の2走も同じ様に引っ掛かっていた。初の1400mで新味に期待。
松田博資厩舎にとって、勝ち負けが狙えるという意味では事実上最後の重賞チャレンジとなるレーヴミストラル。GⅡクラスでは瞬発力が一枚抜けている。ただ、基本的に距離が延びた方が良いタイプ。2200m有ればとも思うが、2400mからの短縮だけに。
対抗はアドマイヤデウス。昨秋はGⅠで外枠が2回続いたことで話題を呼んだが、内枠だった前走中山戦が7着。位置取りも有ったが、GⅠだと少し壁が有りそうな印象も有った。とはいえ、ここは相手が明らかに軽化した。再度の内枠でも有り、前進必至。
牝馬のタッチングスピーチが3番手。同条件だった前走は細かい展開の不利が有ったが、それ以上にこの馬自身が不器用なところが有る。それでも、18頭から15頭に減ったのはかなり競馬がし易くなる筈。斤量面での恩恵も大きい。
昨年2着のスズカデヴィアスが押さえ。昨年よりは明らかに相手が軽くなった。人気どころに差し馬が多いのも恵まれたといえるだろう。尤も、その一方で昨年より条件悪化した部分も有る。頭数が増えたのと外枠がネック。出脚のロスをどれだけ少なく出来るかがカギ。
先行争いに多少の怪しさも有るのだが、本命は常識的に考えてメジャーエンブレム。少なくとも折り合い面は全く問題がない。東京は天気が保ってくれそうなのも不確定要素が減るという意味で良かっただろう。何かに決め手でやられることは有っても、連は外さない筈。
対抗がラブリーアモン。前走中山戦は先行決着で参考外。上位5頭の内、2,3枠が4頭を占めており、どうしようもなかったが、その中での6着は評価出来る。しかもメンバー中最速の脚を使っている。今の東京は少し時計が掛かっており、馬格が有るのも強み。
穴はフロンテアクイーン。前走中山戦は少し前も速くなったが、外から差しており、東京でそれ以上を期待するのは当然。内枠を引けたのは好材料でも、その前走は少し出負け気味。五分に出る時も有るのだが、この乗り役でも有り、その不安は少し残る。
押さえがペルソナリテ。前走阪神戦はGⅠでそれなりに追い込んでいるが、流石に最後方からの4角大外では厳しかった。馬格がないので、今の馬場がネックになるが、これも良馬場で出来るのはせめてもの救い。決め手そのものは上位。
高額馬が人気になっているが、決して馬が負けているとは思えないレプランシュ。前走阪神戦も上がり33.1秒と出色の数字だ。前々走東京戦だけ失敗したが、出遅れて引っ掛かったのが応えただけで、7着でも大きく負けた訳ではない。この頭数で折り合えば。
対抗はサトノダイヤモンド。陣営が優等生振りを強調する通り、競馬に行って変な癖がないのはセールスポイント。沈み込む様な走法もディープインパクトらしい。ただ、2走共道悪。良馬場で走っておらず、特に今の硬い京都は課題となる。
逃げそうなロワアブソリューも馬券的に面白い存在。新馬の前走阪神戦は出脚で速い馬も居たが、下見からイレ込んで引っ掛かりそうになっており、途中からハナに行って押し切る形。気性面では課題が多いが、最初からハナなら折り合い面も違う筈。
押さえがロイカバード。こちらも小さいながら走法は如何にもディープインパクト。サトノダイヤモンドとは少し差も感じるが、サトノダイヤモンドよりも不器用に見える。京都1800mなら案外差は縮まるのかも。
一昨年、昨年は中間に雨。今年も金曜日に雨と、また微妙な馬場状態となったが、晴雨兼用といえばネロ。前々走は道悪で懸念する向きも有ったが、アッサリ突き抜けてしまった。3歳時を別にすれば、実質初重賞挑戦だが、今のスプリント路線なら充分足りる。あとは枠だけ。
対抗はダンスディレクター。骨折明けだった前走阪神戦では少し掛かりながら2着。能力減がなかったところは充分証明出来た。ただ、これもネロとは別の意味で枠が課題となる。インは突ける馬だが、出遅れ癖が有り、余り後ろからになると捌き損ねるケースも。
ビッグアーサーもソロソロ何とかしたい。前走阪神戦は初めて連対を外したが、初の1400mは一応言い訳になるが、折り合いが付いていた割に案外だった様にも見えた。前走も馬場が悪く、恐らく道悪は向かない。外枠はコース損も有るが、馬場の良い外を走れるのはという見方も出来、この馬にとってはそれ程マイナスとはならない様にも思えるが。
逃げそうなローレルベローチェが押さえ。前走も一瞬で先行争いにケリを付けており、出脚だけなら現役トップクラス。昨年はニザエモンやアンバルブライベンでソコソコのペースになったが、今年はそういった馬が少ない。楽にハナさえ切れれば簡単には止まらない。