相変わらずクジ運の良さは天下一品のキタサンブラック。これが自身4回目の1番枠となった。東京2400mが向いていないのは間違いないのだが、ダービーに関しては外枠の影響も有った筈。雨予報で単騎で運べる利は大きいところで、逃げ切りに期待。
対抗はゴールドアクター。2走前の京都戦が悲惨な競馬だったが、これは外枠が応えたモノ。直線は見どころがなかったにせよ、2周目4角で併せに行ける辺りが底力だろう。前走中山戦は当然の完勝だった。こちらも雨は歓迎。仮に良馬場でも決め手一本の馬場状態ではなさそうで、その点も強調出来る。
サウンズオブアースはキタサンブラックとは対照的に外枠ばかりの馬。今回が19戦目だが、二桁馬番は10回目。明らかに抽選運がない。そんな中でも一線級と互角の闘いを繰り広げており、今年のメンバーなら差はないところだろう。前走京都戦はキタサンブラックが押し切る流れで展開不向き。東京なら差し込める。
もう1頭挙げるならルージュバック。前走が案外では有ったが、他馬に上手くフタをされた分も大きかった。距離が延びるのは基本的に歓迎。今年は馬体が細く映る傾向が有り、決してデキが良いとは思わないのだが、それだけに斤量が1kgでも軽くなる点は良い方に働きそう。
小回りの京都2000mと有って、2歳馬には脚の使いどころが難しい印象も。過去には人気馬が末脚不発というパターンも多かった。そんな中、アダムバローズは今回と同じ京都2000mを逃げて500万特別を快勝。前々走の未勝利は差し切りということで1角では掛かっていたが、その後折り合っていた点も評価出来るところだ。明らかにまだ馬は緩いが、どんな競馬でも出来る強みを生かして。
対抗はプラチナヴォイス。未勝利と違い、前走はゲートを決めて2番手で折り合いが付いたのが何より。スムーズに流れに乗れていた。追っての抜け出す脚も抜群に速かったのも強調出来る。強いていえば抜け出し切ってからは内にモタれていた点は課題だが、センスは高い。
プラチナヴォイスと前走で一緒のレースを走ったヴァナヘイムも圏内。プラチナヴォイスに出し抜けを食らった様な格好になり、届かなかったが、ここ迄2走共メンバー中最速の上がりで詰めている。馬の完成度は前述2頭より明らかに上で、追い比べの展開に持ち込めば。
押さえがダノンディスタンス。恐らく、馬体を見て名前を決めたのだろう。胴長の造りで、明らかに長い距離が向いたタイプ。新馬の前走はヒシマサルが引っ掛かって出入りの激しい展開になったが、悠然と構えて差し切り勝ち。大人のレースを披露した。相手関係さえクリア出来れば大崩れはしない筈。
馬場状態で結果が大きく変わりそうだが、外からジワッと行けるミッキーアイルが無難な本命。晴雨兼用の馬で馬場状態問わず、ソコソコ走っている。急かすと宜しくないタイプで内枠だと凡走が多いのが特徴。久々のマイルに微妙な面も有るが、この16番枠は間違いなくプラス。
対抗はフィエロ。前走はスタート直後に躓いて流れに乗れず終わってしまった。とはいえ、微妙な負け過ぎ感がない訳でもないが、元々不器用なタイプで歯車が噛み合わなければこんなモノだろう。能力に疑う余地はなく、人気薄の今回は馬券面の妙味も大きい。この辺りのメンバーなら流れ一つ。
3番手がロードクエスト。前走東京戦はスローで参考外。追い込み馬に対し、前でマークされる最悪の形になっていた。今回も展開面は微妙だが、前走程向かないことはないだろう。力さえ出し切れれば突き抜けて不思議はない。
穴はスノードラゴン。これも外枠の方が結果を残せるタイプだが、渋化が少しでも残る馬場は大歓迎。上手く外へ持ち出せるかどうかが鍵となるが、アドマイヤコジーン産駒らしくトビの大きいタイプでマイル自体はこなせる。
新馬の阪神戦が強い内容だったムーヴザワールド。大型馬らしくトビの大きいタイプだが、直線は馬群で包まれて一瞬消えたかのところから、コジ開けて伸びて来た。相手がエアウィンザーだった点も評価が上がる。初東上で、2走目と厳しい条件も有るが、力さえ出し切れば。
対抗は札幌の覇者、トラスト。戦前の想定だったタガノアシュラが出遅れたことでこの馬がハナへ行けた利も有ったが、そのタガノアシュラは先週京都で500万を快勝。今年は札幌組のレベルが高いことを示した。ここも単騎なら渋太いだろうが、直ぐ内のマイネルエバティカが2走共逃げる形。主張されて2番手となった際にどうなるか微妙な面も残す。
ブレスジャーニーも圏内。1400mから下して、1800mの延長が鍵となるが、前走に関してはバラけた位置ながら、スローでも折り合いが付いていたのは何より。決め手一本の馬で雨が微妙だが、決め手勝負なら好戦必至。
前走中山戦の凡走に疑問も有るのだが、マリアライトの地力が一枚上と見て本命視。道悪のパワー勝負になった際に根性で走り切る印象も有るのだが、良馬場でも有馬記念4着が中々の強い内容。限定戦でデキざえマトモなら何とかなって良い。
穴は例に依って先行馬。クィーンスプマンテとテイエムプリキュアで決まったパターンは常に警戒が必要。今年は徹底先行タイプが少ないのだが、マキシマムドパリが逃げるとみてこれが対抗評価。今迄逃げたことのない馬だが、出脚自体は持っており、この乗り役ならハナは頭の中に有る筈。ペースを握れば簡単には止まらない。
クイーンズリングは前走東京戦が文句なしの内容。外枠でも折り合いが付き、追っての反応も俊敏と非の打ちどころがない。距離も2200mなら充分保つ筈だが、基本的に休み休み使っている馬で叩き2走目は2着止まりというパターンが多い。多少状態面には注文が付く。
シュンドルボンも面白い存在。前走東京戦の内容が一息だったが、左回りは良績を残せておらず参考外に出来る。あまり直線の長いコースは歓迎しない様。昨年のこのレースもソコソコ走っており、この辺りのメンバーなら展開一つ。
サングレーザー◎。前々走の中京新馬戦は不良馬場だったが、先行して3着。中京で雨が降ると前は厳しくなる傾向が有り、3着でも評価出来る内容だ。前走札幌戦は順当勝ちといえる。京都の軽い馬場に替わるのもプラスになる筈で、突き抜け期待。
対抗はサンライズソア。前走新潟戦でも期待したが、折り合いを欠いて競馬にならなかった。今回も引っ掛かる可能性は有るのだが、新馬ではそんな素振りを見せておらず、対策さえ立てれば何とかなる筈。
タイセイスターリーも前走が強かった。トモのボリューム感が2歳馬の中では別格といえる迫力が有る。レースに行っても、好位から余力充分に差し切る強い内容だった。少し掛かっていたのでこれも折り合いは鍵となるが、性能は高い。
中京オープン勝ちのディーパワンサも上位争い。420kg程度の馬だが、トビの大きいタイプでむしろモサッとした行き振り。追ってから味が有るタイプだ。この手の馬は流れに乗れなかった時がサッパリという可能性も有るのだが、今回は行きたがる馬が多く、スローの流れに乗って浮上。
無難な本命という点ではアスカノロマン。京都はオーソリティとでもいえる程、得意にしており、殆ど馬券に絡んでいる。昨年は4着だったが、馬場状態に原因を求めて良いだろう。乗り替わりに若干の疑問も有るが、この馬の外に先行馬が居ない点でレースは組み立て易い筈。
対抗は一応ラニ。少なくとも1番人気ににして良い馬だとは思わないが、気性的な問題は有るものの、能力を秘めているのも間違いないところ。ただ現状は、気性面が掛かる方ではなく、ズブさに出ている。その分、使い減りしない印象も有るが、距離短縮はマイナス。
今年はラニ以外にも3歳馬が強く、グレンツェントも上位争い充分。前走新潟戦に関しては強い3歳馬が一堂に集結といった状況ではなかったが、それでも完勝といえる内容。出脚が速かった点にも好感が持てる。自在に立ち回れる強みを生かしたい。
もう1頭も3歳馬キョウエイギア。前走阪神戦に案外感は有るのだが、前で少し行きたがっていた面も有った。2000mの距離も有り、最後迄保たなかった形。距離短縮は悪くない筈で、ここは最低でも2頭が行ってくれる展開が見込める。好位で脚を矯める形で巻き返す。
人気被り過ぎの感は有るが、ミスエルテはそれだけの器。下見から胴回りが細く映る程のトモの盛り上がり。レースに行っても追うところなしの瞬発力を見せ付けた。ちょっと次元が違う印象も有り、ここは通過点となる筈。
相手は逃げ宣言のドロウアカード。今週からBコース替わりでハナへ行けさえすればそれなりの粘りが期待出来る。ただ、多少出脚が怪しいのと、デビュー戦と2走目は出遅れていた。ゲート五分が最低条件。
重賞好走したブラックオニキスが一応の3番手。ただ、決して見栄えする馬体ではないのと、北海道で6戦したのは多過ぎる印象も。一雨来ればキャリアが生きて来る場面が有っても不思議はないが、良馬場見込みで。
ヤマカツグレースも圏内。前走は稍重の馬場で前の馬に上手く運ばれた。内回りで上がり34.1秒なら悪くない数字だろう。スローでも折り合っていたのは収穫で、外回りに替わって一押し充分。