毎年、述べているが、夏の2歳重賞の中では一番の出世レース。古馬になっても重賞を勝てるだけのスケールがないと通用しない。となると、人気でもビッグドリームが本命となるか。血統から少し腹回りがボテッと映るのは仕方がないところだが、それでもオープン4勝の兄ビッグシーザーよりもスケールを感じさせる。新馬の福島戦にもケチを付ける部分はなく、余程のことがない限り、圧勝迄。
パッシングシャワーが対抗。下見はトモが甘く、スタートも付いて来ない様な感じで出遅れたが、行き脚が付いてからは自分から進んで行く感じで、センスが高い。直線に向いてからのフォームも力強さが有って、脚力そのものは持っている。今年は頭数が少ないので、出遅れてもリカバーが利きそうなのも好都合。
新馬は3着だったが、フォルテローザも圏内。1,2着馬は女性ジョッキーで何れも斤量面の恩恵が大きかった。しかも、1,2着馬は4角,直線と内目を回っており、こちらは大外。コースロスも有った。スケールの点では多少劣る面は有るが、賞金は咥えて来れる筈。
アスクワンタイムが押さえ。中京で2戦したが、新馬は出遅れたものの、前走の未勝利はゲートを五分に出て、2着に5馬身差の圧勝。直線でフラついていたので、完成度という点では疑問の余地も有るが、直線が平坦の小倉なら。
ギャンブルルームに期待する。まだ締める余地が有るとはいえ、大物感の有る雄大な馬体。好発を切った割に、下げる形になったのは解せないが、各馬が荒れた内目を避ける中で、上がり3Fにして他馬とは1秒以上の差を付ける1頭だけ違う脚で伸びて来た。この競馬から札幌が向くとは思えないが、破壊力が上回るとみて。
対抗はセットアップ。昔とは時計の水準が違うとはいえ、札幌1800mで1分48秒台は優秀。道営のカイコウが強引に来ると辛い部分も有るが、それさえなければこの馬の出脚でマイペースの逃げが打てる。道中リズム良く走れば勝ち負け必至。
ガイアメンテが3番手。当地での新馬戦は、勝ち時計は1分52秒4と掛かったが、直前の雨が大きく響いた。良馬場ならもっと詰められるだろう。ただ、その前走は道中で頭を上げる場面が有り、折り合い面で課題は残る。実戦で強いドゥラメンテ産駒だが、何処にも居ない可能性も。
穴ならグランルーチェ。ダートで勝ち上がって今回が初芝、しかも連闘と、人気の面で盲点になりそう。ただ、馬体の良さは折り紙付き。レースも正攻法で圧勝だった。血統も特に芝を嫌う様なことはない。
馬体の良さと完成度の高さ。今のところ、この2つが最も両立しているといえるのがアスコリピチェーノ。レースに行くと少し粗削りだが、それでも新馬の東京戦は外へ持ち出した瞬間に勝ったと思わせる加速力。単純にモノが違った。初のマイルさえこなせば。
ルージュスタニングも馬のスケールでは負けていない。新馬の中京戦は道中スローで流れたが、むしろズブい位の行き振り。トビが大きいので、スパッと切れる印象ではなかったが、最後迄しっかり脚を使えていた、現状だと少しトモが甘く、平坦の新潟も悪くない筈。
穴っぽいのはヒヒーン。460kgの割に、数字を大きく見せる馬で、将来性は高そう。新馬の阪神戦も強い内容だった。ただ、これもトモの甘い歩様。直線の短い平坦コースに替わる点は好材料といえるだろう。前で流れに乗って抜け出す形なら。
ヴァンヴィーヴも福島での未勝利戦の内容は悪くなかった。道中は少しリズムを欠く場面も有ったが、直線に向いてからラスト200mの脚がケタ違い。フォームにも力強さが有り、新潟も苦にしないだろう。決め手勝負に持ち込めば、ヒケを取ることはない筈。
エナジーグランが狙い目。前走福島戦は初オープン挑戦で13着と、壁に当たった様な格好になったが、4角で外へ持ち出したのが響いた感も有る。少なくとも最後迄諦めずに走ってはいた。その前走は4ヶ月半振りながらデキも良かった。3走前、2走前と連勝の小倉で改めて。
対抗はモズメイメイ。前走京都戦はゲートで1馬身抜け切るロケットスタートが最大の勝因。再度、あのスタートが決められるとは思えないのだが、ジワッと行ける大外枠は鞍上にとって気楽に臨めるという面も有る。ただ、ハンデ54kgは微妙に見込まれた感も。
3番手はロンドンプラン。骨折明けとなるが、当地で重賞を勝った時が中々強い競馬。前走東京戦は今にして思えば意外とメンバーが揃っていたが、外枠もアダとなったか。いきなりの時計勝負がキツいのは確かだが、今年のメンバーなら。
デュガは前走福島戦が強かった。尤も、馬が良くなったというよりは、気難しい面が有って出世が遅れただけで、陣営が大分癖を掴んできたというのが実際のところだろう。デビュー戦が当地のオープンで3着。今にして思えば1,2着馬がナムラクレアとテイエムスパーダだから相手が悪かったという以外にないが、デビューの地で一気に重賞迄決める場面が有っても。
新進気鋭のゴールドエクリプスに期待する。昨年2月の未勝利が圧巻の内容で、それを考えると出世が遅れた気もしないでもないが、兎にも角にも重賞路線に使える馬にはなった。牝馬ながら、馬体は牡馬顔負けの迫力。前走阪神戦も枠が味方しなかっただけで、再度の51kgなら決める。
昨年の覇者、マリアエレーナが対抗。このレースのパフォーマンスだけをいえば、GⅡ級だったが、その後が案外。結局のところ、ベストは平坦ということか。その点ではいいのだが、ハンデ56.5kgがキツい。仕方がないとはいえ、実際問題、それが響くケースも多くて...。
ククナが3番手。前走福島戦は枠を生かしたセコい競馬。その点だけをいえば上手く行ったが、4角で待たされる場面が有った。スムーズでも届いていたかどうかは微妙だが、小回り向きのレース巧者振りは示した。枠は微妙だが、器用さを生かせる形なら。
穴っぽいところではテーオーシリウス。オープン昇格後はイマイチの競馬が続いており、壁を感じさせる内容だが、何れも時計が掛かる馬場だったことが味方しなかった感も。今回はパンパンの良馬場が濃厚。先行力は有り、1分58秒を切る様な決着なら。