リバティアイランド◎。気になる点は多々有るが、持っているポテンシャルは現役No.1。この厩舎らしくイマイチ成長がなく、引っ掛かる面が有り、雨も歓迎しない。ただ、東京2000mなら取り敢えず折り合いは付く筈。ここは背水の陣で臨む一戦。何が何でも負けられない。
対抗はドウデュース◎。これも折り合い面が怪しくなっており、今なら2000m辺りがベストか。秋は例の3戦ということになり、目一杯の仕上げを期待し辛い。この馬の場合、走る時はドラマチックだが、走らない時はサッパリで、フタを開けてみないと分からないのがネック。
逆に2000mは少し短いが、昨年の2着馬ジャスティンパレス◎も圏内。その昨年はイクイノックスがブッちぎる展開が向いた感も有ったが、今年はメンバーが一枚落ちる。ヨーイドンの展開にさえならなければ。
スローなら浮上しそうなのがべラジオオペラ◎。2000mが限界の馬だったが、2200mで踏ん張った前走京都戦は地力強化して来たからこそ。ここは最内枠を得て、雨も悪くない筈。好位を渋太く立ち回って粘り込む。
実績最上位はアグリ。前走中京戦は見た目のデキこそ問題なかったものの、熱中症の様な症状が有ったとのことで参考外。ジックリ立て直しを図って、今の京都の馬場なら外枠もいい方に出そう。中々勝ち切れないタイプでも有るが、57kgなら何とかしたい。
対抗はダノンスコーピオン。前走中山戦はデキだけをいえば、かなり良く見せた。敗因は位置取りの問題だろう。1200mではどうも忙しく、今なら1400m辺りの方がいい。中段辺りに付けられれば、好勝負必至。
ウインカーネリアンも地力上位と言える存在。1400mは最近、走っていないが、ここはメンバーに恵まれた印象。近年は1200mのレベルが低く、前々走中京戦はそれを証明した形の4着。前々で流れに乗って何処迄。
昇級組ではクランフォードに注目。前走中京戦は前有利の馬場状態では有ったが、絡まれてメンタル的にはキツい展開。それで最後迄踏ん張ったのだから立派の一言。雨は歓迎しないが、人気どころに差し馬が多く、前々立ち回る形なら。
先週もそうだが、GⅠでも最近は勝ち目がないとみると回避する馬が多く、中々フルゲートにならないが、ここは各馬が色気充分のフルゲート。その中で、無難な本命はコスモキュランダ。ゲートがアテに出来ない点はネックだが、何処からでも動ける点は強み。この一点に関しては、右に出る者は居ない。坂の下りを利して、進出する形に持ち込みたい。
ただ、コスモキュランダより、単の魅力となるとメイショウタバルの方か。前走阪神戦は馬場状態が向いた面も有るが、単騎で行かせて貰えて1000m通過60.0秒と、ペースも丁度良かった。逃げ馬にしては出脚が甘いタイプだが、意外と楽に行けそうなメンバー構成で、前走程ではないにせよ、一雨来そうな点も好都合。
面白いのはヘテンドール。条件上がりだが、3戦連続上がり33秒台と、堅実な末脚が持ち味。少し頭が高い走法だが、胴長の馬体の持ち主で、壁がなくても折り合いが付く気性も、この距離向き。今年のメンバーなら通じていい。
大穴はウエストナウ。前走阪神戦は馬も緩かったが、馬場が緩いのも向かなかった。雨次第だが、少なくとも前走より悪いということはなさそう。この中間はしっかり乗り込まれて、馬体も絞れている筈で、条件は全て好転。
ソウルラッシュはGⅠであと一歩の競馬が続いているが、一方でGⅡ以下ならほぼ確実に決めている。右回りの方がいい気もしないでもないが、東京も特に問題はない。今夏にプランの有った英国遠征は取り止めたとのことだが、ここもしっかり馬主孝行したい一戦。
対抗はゴンバデカーブース。春はイマイチの競馬が続いたが、状態面も本当ではなかったか。逆にいえば、その中で東京を2戦したダメージを案ずる部分も有るのだが、能力に関しては古馬相手でも充分通用する筈。兎にも角にも、状態面に尽きる。
セリフォスもこの路線の安定勢力。ソウルラッシュに中々勝てなくなっているのは気になるところだが、これもGⅡ以下なら堅実に走ってくれる点は有り難い限り。少し消極的な競馬が続いていたが、久々に鞍上が替わって積極策に出て欲しいが。
大穴はバスラットレオン。芝,ダート兼用のタイプだが、ベストはあくまでハナ。前走小倉戦はスタートで躓いたのが痛かった。ここは最内枠を得て、ゲートの上手い鞍上。五分の発馬でハナなら。
GⅠ直行でもおかしくない馬が多数出走し、中々のメンバーが集結。中でも一番強いのはマスクトディーヴァ。前走は他馬の徹底マークに遭い、直線は行き場がなかっただけ。流石にリバティアイランドに0.1秒の馬だけのことは有る。状態面が相当甘いとの話も有るが、役者の違いを。
そのマスクトディーヴァに0.2秒差の競馬が有るのがブレイディヴェーグ。脚元に不安が有って、今春は全休したが、立て直す時間は有っただろう。ただ、前述したマスクトディーヴァに0.2秒差の阪神戦以外は闘って来た相手が弱い。今のところ連を外していないが、本当の能力は良く分からない部分も。
ハーパーは1年半振りにGⅠ以外に出走。GⅠでは厳しい面も有ったが。GⅡなら何とかしたいところだろう。これも休み明けだが、休み明けの方が明らかにパフォーマンスが上がるタイプ。あとは最内枠だけにゲート五分に出たい。
GⅠ常連組以外ではコスタボニータ。ずっとGⅢを使われて、ソコソコの競馬を続けて来た。前走中京戦はレコードの出る馬場だったが、前で良く踏ん張っていた。器用さが最大のセールスポイントで、東京1800mも向く筈。
外枠は少し嫌だが、2000mならステレンボッシュに期待したい。前走東京戦は乗り方が拙かった面も。距離も基本的にはマイラーなのだろう。京都2000mなら有る程度、積極的に乗れる筈。先行したいクリスマスパレードが居て、先導役になれば、外枠の不利も有る程度は軽減される。
対抗はホーエリート。馬振りの良さとフォームの素晴らしさは一級品。前走中山戦はレコードの出る馬場で、ずっと外を回される形。競馬にならなかった。今回は一転して最内枠。極端な時計勝負は歓迎しないが、今年は例年程、時計の出る馬場ではないだけに。
コガネノソラもいい器用さが有る。前走札幌戦は斤量による恩恵も大きかったが、自分で勝ちに行く競馬。強い内容だった。乗り替わりでテン乗りとなるが、関西所属の鞍上だけに、いい方に出る可能性も。
ランスオブクイーンも軽視出来ない存在。前走中京戦は馬場に泣いて、差し損ねた形で、力負けではない。東京戦は史上最速のペースを前で闘って5着。相当強い内容だった。良馬場で器用さを生かす形なら。
難解だが、一応の本命はブローザホーン。前走は強かったといえば強かったが、雨の影響も有って、良く分からない部分も有る。ただ、戦績が示す通り、坂の下りを利して進出出来る京都が合っていることは間違いないところ。あとは春に4戦使って、状態面がどうか。
対抗はジューンアヲニヨシ。前走新潟戦でも期待したが、左回りは相性が悪い様で、モタれて競馬にならなかった。右回りの中でも、京都は全4勝を挙げている得意コース。メンバーは強くなるが、有力どころに死角が多く、マトモに走れる強みを生かして。
スマートファントムも圏内。前走はギャンブル騎乗だったとはいえ、矯めるだけ矯めて、最後に脚を使って4着。今回も同じ手で来るかどうかは微妙だが、頭数が少ないので、差し馬には有利。ただ、デビューからほぼ休みなしで使われて来た馬で、今回は初めての休み明け。これも状態面が怪しい。
押さえがディープボンド。勝負どころでのズブさがネックの馬だが、坂の下りを利して動いて行ける京都外回りは弱点がカバー出来るベストの条件。距離は有るだけ有った方がいいが、2400mなら展開次第でこなせる範囲。太いと露骨に機動力が落ちるので、500kg台前半で出て来てくれれば、尚好走率は上がる。
正直なところ、先々GⅠで勝負出来そうな好素材は見当たらない。ただ、レースが強かったのはアルテヴェローチェ。新馬の札幌戦はヒシアマンとのマッチレース。そのヒシアマンは翌走の札幌未勝利で6馬身差の圧勝と、レベルも高かった。外から出して行っても折り合いが付き、競馬に注文が付かないのもいい。
馬体の完成度をいえば、アルレッキーノが最上位。ただ、前走の新潟未勝利は、ゲートが少し悪かったにも関わらずハナへ行った辺り、気性的には問題が有りそう。2着に1.2秒チギったのだから、能力は持っているのだろうが、序盤で如何に楽を出来るかが鍵に。
3番手がタイセイカレント。新馬の中京戦はゲート自体は他に速い馬が居たが、少し押してハナ。そこからはペースを落として、直線は10.9秒-11.3秒と纏める味な競馬。控える形でどうかが未知数だが、折り合いさえ付けば好勝負。
押さえがフードマン。新馬の中京は逃げ切り形だったが、雨の影響で内目の馬場が悪く、そこを避けながらの競馬。メンタル的には決して簡単な形ではなかった。能力は未知数だが、今回は良馬場で真を問う一戦。